一説によると、1940年代にアメリカで販売され始めたのが最初のようですが、詳細は伝える人も文献もなく残念ながら不明です。
その後製品の改良や開発が続けられ、1960年代にはインダストリアルデザイナーがレンダリング※に使う画材として定着していきました。当時は日本から米国のアートセンターに留学する方々や企業研修で渡米する方も多く、デザイン論や技法の伝搬に伴って道具も多く日本に渡ってきました。
最初に入ってきたのは、1965年頃に弊社(旧社名いづみや)がスピードライマーカーを輸入販売したのがはじめです。
その後、同製品は弊社グループ会社にて日本で生産されるようになりましたが、現在の仕様は日本独自のものとなっています。
注※ レンダリング:デザインした製品の完成予想図。マーカーレンダリングとも言われる。
これは、実際に北欧のデザインスクールから問い合せのあった質問です。
輸入製品の安全規準※により、当時北欧に入荷していたマーカーがコピックだけであったことからこのような質問が生じたようです。実際には、マーカーが生まれたアメリカでは、コピックよりも先に幾つかのアルコールベースのマーカーが販売されていましたので、コピックが世界初ではありません。
注※ アルコールインクと言っても様々な種類があり、北欧の規準をクリアする製品できない製品がありますが、コピックは現在でも高い評価を得てご利用いただいています。
誰と言うより、コピックは時代の要請から生まれました。
元々マーカーはデザインの道具として日本でも普及してきたわけですが、デジタルコピー機がデザインの現場に導入されるようになった1980年代後半、「コピー紙に塗れる」事がマーカーの条件に加わりました。
残念ながら永らくご愛用いただいてきたスピードライマーカーは、その溶剤がトナーを溶かしてしまうために不向きであり、新たにポストスピードライマーカーとして開発されたのが、皆様にお使いいただいている、トナーを溶かさないアルコールベースのコピックなのです。
この製品の開発には、永年培われてきた弊社のマーカー製造ノウハウがふんだんに活かされています。
マルチライナーのペン先は、一見プラスチックの細い棒にしか見えませんが棒ではありません。実はあの中にはインクが通るミクロン単位の無数の穴が開いているのです。その穴を通じて本体の中綿に含まれるインクが毛細管現象で流れ出てくるので、ミリペンとして筆記ができるのです。
キャップを閉め忘れたりすると、この穴の所が乾燥したインクで塞がってしまうので、インクが出ない/出にくいといった症状が出ますから、使用しない時は必ずキャップをするように心がけてください。
また、始めに試し描きするのも、この先端の穴のコンディションを均一にするためのものです。
ペン先の素材自体は、一般的にエンジニアリングプラスチック と呼ばれる耐摩耗性、耐薬品性に優れた樹脂で作られています。
これからもコピックに関する、面白いネタがあったら掲載していきます。お楽しみに!