Too/ソフトウェア・トゥー主催の、[第3回 x-rite Tooカラーソリューションセミナー]「液晶ペンタブレットのカラーマネージメント」が、2014年6月25日にToo本社の「The Gallery Too」(東京都港区虎ノ門)で開催されました。

ビデオジェット・エックスライト株式会社にご協力いただいてのカラーマネージメントのセミナーシリーズは今回で第3弾。第1回「iMac、iPhone、iPadのカラーマネージメントソリューション」では、iMacのキャリブレーションやモバイルデバイス対応のカラーマネージメントアプリ「ColorTRUE」について紹介、第2回「モニターキャリブレーションの基礎知識」では、モニターキャリブレーションの基礎を実際の運用事例や実演を交えて紹介しました。

第3回の今回は、株式会社ワコムにもご協力いただき、液晶ペンタブレット「Cintiqシリーズ」でのカラーマネージメントの実演を中心に、カラーマネージメントの基礎についても学んでいただける内容でした。


ワコム・宝園孝彦さん(左)と、ビデオジェット・エックスライト株式会社の冨川丈司さん(右)

■Cintiq 24HD touchでのモニターキャリブレーション

Cintiq 24HD touchは24.1インチ、解像度1920×1200ピクセルのスクリーンを持つ液晶ペンタブレット。A3サイズを原寸表示可能で、角度を自由に変えられることで自然な姿勢で作業できるようになっています。

AdobeRGBカバー率97%という広色域を実現し、最大10億色以上の表示が可能で、ハードウェアキャリブレーションにより高い精度でカラーマネジメントを行えるのも特長です。2種類のディスプレイ調整ソフトウェアが付属しています。

まずは、Cintiq 24HD touchに付属のソフトウェア「Color Calibration Software」を利用して、ディスプレイの色温度/ガンマ/輝度を設定する実演が行われました。MacにCintiq 24HD touchとカラー測定器i1 Display Proセンサーをつなげた環境で、自動的にディスプレイの調整が実行されていくところをご覧いただきました。


Color Calibration Softwareで色温度/ガンマ/輝度を設定して実行させます


カラー測定器を付けると、モニタの発色と測定器での計測を繰り返し、自動で調整します

また、Cintiq 24HD touchには、「Display Control Software」という画面表示の調整をするソフトウェアも付属しています。このソフトを使って、プリンターやほかのディスプレイなどの周辺機器の色設定を、Cintiq 24HD touchに適用させることもできます。

■モニターキャリブレーションのトレンド

たとえば、Webコンテンツの場合は「色温度:D65、ガンマ:2.2、輝度:120カンデラ」、印刷用データの場合は「色温度:D50、ガンマ:1.8、輝度:80カンデラ」でキャリブレーションしたモニタで制作したものを納品するといった指定が行われるケースが多くなっているそうです。モニターキャリブレーションの必要性が増していくと考えられます。

色温度、ガンマ、輝度についての詳しい解説もあり、色温度とはディスプレイの白の色味、ガンマはディスプレイの階調の表示特性、輝度はディスプレイの明るさなど、基礎から分かりやすく説明していただきました。


色温度D50という場合のDはデイライト=太陽光のことで、5000度の温度を持った光ということです

■カラーマネジメントにおいて重要なプロファイルの扱い

Cintiqシリーズはイラストレーター、ゲームクリエイター、アニメーター、プロダクトデザイナーなど、様々な業種のクリエイティブの現場で使われています。今回は、ワコムがイラストレーターのユーザーからお借りした画像ファイルを使って、カラーマネジメントにおいて重要なプロファイルの扱いについてPhotoshopでの作業を中心に解説しました。

画像データには必ずプロファイルを付けることが重要で、プロファイルのない画像は「編集>カラー設定」でRGBの設定を変えると色が変わってしまうことなどが実演されました。


カラープロファイル無しの画像では「カラー設定」で設定を変えると色が変わってしまいます

また、Photoshopでは印刷用の色をシミュレーションできることも紹介されました。そのためには印刷用のICCプロファイルが必要で、Japan ColorのWebサイトや用紙メーカーのWebサイトなどで配布されています。

■Cintiq Companion Hybridでのモニターキャリブレーション

最後に、13.3型で1920×1080ドットのスクリーンを持つ液晶ペンタブレット「Cintiq Companion Hybrid」のモニターキャリブレーションを行い、さきほどのCintiq 24HD touchと色を合わせる実演を行いました。

Cintiq Companion Hybridは単体でAndroid端末として動作しますが、今回はMacに接続してキャリブレーションを行います。Cintiq Companion Hybridはハードウェアキャリブレーションは搭載していないので、汎用のキャリブレーション用ソフトウェアi1 Profilerと、カラー測定器i1 Display Proセンサーとの組み合わせでキャリブレーションしました。


Cintiq Companion Hybridにも測定器を付けてキャリブレーションします


右のCintiq 24HD touchとCintiq Companion Hybridとで色温度/ガンマ/輝度を同じ設定にしました

■ソニーの4Kカメラと4Kモニタを使用

今回は、液晶ペンタブレットでの操作の様子をうしろの席の方にも見ていただくため、カメラで撮影して大型ディスプレイに表示しました。 その際に、最新のソニーの4Kカメラと4Kモニタを使用しました。



4K対応のカメラでCintiqの画面を撮影して、4K対応モニタに表示しました

Tooでは4K対応の編集システムなどもご提案していますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。

■セミナー修了後も会場内は個別の質問やデモで盛況


セミナー修了後、熱心な来場者の方々が講師の二人に質問を投げかけていました


会場奥の一角でも、ワコムのご協力によりCintiqやペンタブレットIntuos Proのデモや体験が行われました

大勢のお客様にご来場いただき、ありがとうございました。

なお、x-rite Tooカラーソリューションセミナーの第4回として、「ムービー制作向けのカラーマネージメントの基礎」を2014年7月23日(水)に開催します。

また、TooではCintiqシリーズ、Intuosシリーズの無料貸し出しキャンペーンを行っております。詳しくは製品ページをご覧ください

ご来場いただいた方からも、早速貸し出しデモのお申し込みが来ております。ご興味のある方は、ぜひ、お問い合わせください。

i1Proソリューション > Wacom Cintiq HD / Companion >

page top