Autodesk Fusion 360導入事例 イケゾエFRPプロダクツ株式会社様

当社ではいま、長いあいだ主力製品だったFRP製タンクの開発・製造に加えて、HDP(高密度ポリエチレン)という新しい素材によるタンク製品の開発に注力しています。こうして扱う素材の種類を広げていくことで、より広汎な分野のより多彩なお客様の要望にお応えしていきたいのです。それには当然、素材はもちろんサイズや形、用途についても、これまで以上にさまざまなニーズに応えていく必要があるでしょう。そのためにも、製品開発からプレゼンまで、Fusion 360の活用を追求していきたいと考えています。

多種多様なニーズに3次元設計できめ細かく対応
高品質な一品モノのタンク作りで新市場を開拓

3 次元設計で作る多種多様なタンク製品

学校校舎 Fusion 360で作成したタンク製品のレンダリング画像

和歌山県日高郡みなべ町は、「南高梅」発祥の地として知られる日本一の梅干生産地である。
「それだけに梅の生産農家はもちろん、梅干加工やその流通、小売など梅関連産業が非常に盛んで、地域の基幹産業となっています。実は当社も、この梅干を漬け込む強化プラスチック製タンク作りから始まった会社なのです。」そう語るのはイケゾエFRPプロダクツの池添紀彦社長である。約 40年前に創業された同社は2007年に法人化され、現在では各種業務用タンクや水産飼育タンク、薬品タンク、食品タンク、設備機器の設計~施工をトータルに手がけるほか、FRP、HDPEや生ゴミ処理機、試験装置、プラント機器等も製造している。

「主力はタンクを中心とする一点もののオーダー製品です。お客様の要望に合わせて形も大きさもさまざまなタンクを企画、提案しています。おかげで、いまや当社のお客様は食品メーカーから環境機器メーカー、プラントメーカーや研究機関まで、きわめて広汎な分野に広がっています。」
つまり、同社では、お客様個々の業務内容とニーズに合わせて素材を選び、サイズや形状を検討して、企画、設計から製造、施工までトータルな形でものづくりを行っているのである。そして、そんな同社のものづくりスタイルの基盤を支えているのが、池添氏が駆使する Autodesk Fusion 360(以下 Fusion 360)による3次元設計だ。
「もちろんお客様からDXFの図面データをいただいてそのまま作る場合もありますが、難度の高い3 次元形状のタンクなど、当社で企画設計する製品については3Dで進めています。これが当社の大きな武器になっているんですよ。」
そんな同社の3次元設計の流れを紹介しよう。
まずは顧客から依頼があると、まずは先方への詳細なリサーチから作業は始まる。たとえば「中に入れるのは?」「薬品ならどんな薬品か?」「温度は?」「量は?」「どんな環境で使うか?」等々さまざまに質問。その結果から最適な素材・形状・サイズ等を割り出して構想を練り、提案と修正を繰返しながら仕様を固めていくのである。
「そうやってある程度仕様が固まったら、そのままFusion 360を立上げて設計を開始します。3Dで形を作り検討していくわけですが、Fusion360 は直感的に使えるのですごくやりやすいのです。」こうして形状ができあがったら、Fusion360でレンダリングをかけてプレゼンし、また必要に応じ、シミュレーションや静応力テストによる解析も行っていく。もちろん製造段階になれば2D図面を出力し工場へ渡す。まさに多様な機能が集約されたFusion 360の特性を活かしている池添氏だが、実は同氏がFusion 360を導入したのはわずか半年前、2016 年秋のことだったのである。

Fusion 360の活用を拡大していくことにより
新たな事業基盤を固めて新分野への挑戦を開始

1本で製品開発を幅広くカバーする 3D ツール

「実は CAD 導入はFusion 360が初めてではありません。8年前に他社3D CADを導入し使っていたのです。……それまでは典型的な“KKD”、勘と経験と度胸のものづくりだったのですが、事情があって……。」苦笑いする池添氏によれば、当時、顧客か
ら DXF などの図面データを受け取る案件が増え、これに対応するために CADが必要になったのだという。「そこで、どうせ買うなら最新の 3 次元だ、と機能など分らぬまま安い他社製3D CADを導入しました。3Dの敷居の高さが分かっていなかったんですね。」案の定、大変な苦労をしたものの、スクールに通って習得しプレゼン用途を中心に活用していった。ところがこのCADは 2016年に開発を終了。池添氏は再び新しいバージョンのDWGデータを開く術
を失ったのである。
「仕方なく再度の3D CAD導入を決め、予算もないので自分でWebの記事を調べていったんです。正直いって操作性や機能の良否は分らないので、条件としたのはまずコスト、そしてスクールの有無です。前回の経験から自分が3D CADを習得するにはスクールが必須と判っていたんです。」そして、池添氏が見つけ出したのがFusion 360だった。当初はやはり、Fusion 360ならではのサブスクリプションプランのローコストぶりに目を奪われたというが、製品紹介ページを読み進むうち、様々な魅力に魅かれていったのである。
「一番魅力的だったのは、サブスクリプションプランを契約すればサポートもバージョンアップも無償で行われるということ。ソフトが常に最新だから、お客様から届く最新のデータにも対応できるわけですね。当たり前のことですが、当社にとって重要なポイントでした。」また、スカルプティングツールやモデリングツールによるモデリングのしやすさはもちろん、シミュレーション機能による解析やフォトリアルなビジュアライゼーションが可能なレンダリングなど、1本で開発業務を幅広くカバーできる点も大きな魅力だった。開発に関わる作業をほぼ一人で行う池添氏にとって、作業ごとにいちいちツールを切り替えるのは手間だ。できれば全て1本ですませたいと考えていたのである。
「中でも注目した機能は解析です。タンクというのは大きなものなので、強度等についても事前に作って試すということができません。以前は公共機関に解析を依頼していましたが、コストも時間もかかるんですよね。それがFusion 360でできるなら“試しにちょっと”解析することができるようになるのでは、と考えたのです。」もちろんもう一つの検討点だったスクールについても、各社の講座が設けられていることを確認した池添氏は、躊躇なくFusion 360の導入を決めた。
「スクールはちょうど良いタイミングで開講されていた株式会社Tooの“Fusion 360トレーニング”を東京で受講しました。運よくマン・ツー・マン状態で授業を受けられたし、教科書(『Fusion 360操作ガイドベーシック編』)も予習していったので、すごく分かりやすかったですね。裏 技もいろいろ学べて非常に実践的だったと思います。そこで戻るとすぐFusion 360を現場へ投入し、私自身が実務で使い始めたんです。」

Fusion 360の活用こそ「次の一手」へのカギ

こうして講習終了の直後から、池添氏は Fusion 360を活用し始めたのである。無茶なやり方にも思えるが、池添氏自身はストレスなく使えたと満足げだ。
「スクールで学んだ基礎が役立ちましたね。それに分らないことがあれば、Webで Fusion 360の活用ムービーを見て解決できました。」もちろんオートデスクの教習用映像も用意しているが、国内外ユーザーによる大量のFusion 360活用映像がWebにアップされており、池添氏はそれを利用したのである。巨大なユーザーコミュニティを持つFusion 360ならではのメリットといえるだろう。「そもそもFusion360は直感的に使えてモデリングしやすいソフトなんです。しかもクラウドベースなので、事務所はもちろん自宅や出先でも作業しやすい。出張時は常にノートPCを持って行くようになりました。」また、導入前から期待していた解析についても期待以上の効果が上がっている。
「以前は解析の外注で毎回数万円のコストをかけ、1〜 2週間もかかっていましたが、今は早ければ数十分で完了します。操作も“こんなに簡単でいいの?”というくらい容易ですよ。」さらにプレゼンテーションでの活用も「設計意図を正しく伝える」ために非常に効果的だった、と池添氏は言葉を続ける。いまや同社はFusion 360の活用を拡大していくことによって新たな事業基盤を固めつつあるといえるだろう。
「現在、当社ではHDP(高密度ポリエチレン)という、この分野では日本でほとんど使われない素材による開発に取り組んでいます。これは欧米の厳しい食品衛生基準をクリアした素材で、食品分野を中心に積極的にアピールしたいと考えています。当然、提案力が重要になるわけで。当社にとってFusion 360の活用が大きなカギになるでしょう。」


Fusion 360 による作業


Fusion 360 による解析


Fusion 360 による解析


製造工場:FRP でタンクを製作


完成した製品

イケゾエFRPプロダクツ株式会社

各種業務用タンク、飼育タンク、薬品タンク、食品タンク、設備機器の設計から施工。FRP・HDPE・生ゴミ処理機・試験装置・プラント機器などを製造しています。

http://bso16384.bsj.jp

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