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ゲームAI・ゲームデザインから考えるゲームの過去・現在・未来(3)

2017.07.07
 

メタAI

余談ではあるが、対談の中に「お前を消す方法」でおなじみオフィスのイルカ〝カイル君〟も登場。今、パソコンではCPUに余力があるし、インターネットを活用したディープラーニングも手法として十分使える。よってパソコンでエージェント、キャラクターを動かすのもアリではないか、という話も出た。

さらに、これまでAIが担ってきたような役割をプレイヤーが担当する『EVOLVE』から、ゲームデザインとAIの協調による新しいコンテンツの可能性へと話は進む。大野氏の「ゲームプランナーに知ってもらいたいこと」という問いに対して、三宅氏は「AIの技術は分からなくてもいいので、効果を知ってほしい」と回答した。

三宅氏「たとえば、昔のゲームでキャラクターが〝ハコ〟に閉じ込められていたのは、パス検索ができなかったから。パス検索があることで、レベルデザインが変わってくる」

大野氏は、Unityを使うゲームプランナーと接する中でスクリプトを書ける人が増えたと感じたという。ゲームデザイナーがプログラム、AIについて学ぶだけでなく、プログラマーもデザインの知識を得てアイデアを出す、という関係に可能性があるとした。

大野氏は最後のキーワード『未来のゲーム(AI)は、人をどこに連れていくのか?』を提示。これに対して三宅氏は、これまでのゲームが同じ体験を多くのユーザーに伝えるメディアだったとした。これは、デザインを固定しなければならなかったためでもあるという。
ところが、これからはAIによってゲームの中身をユーザーにあった形にできる。ユーザーの日常のデータなどからのプロファイリングによって、ストーリーやレベルデザイン、難易度を決められる=「ユーザー固有の体験をAIが生み出す時代になる」と予測した。

三宅氏はさらに、体験が異なるからこそ「YouTubeにアップロードしたくなる」のだと解説。かつては同じ体験だったが、差別化した〝ちょっとずつ違う体験〟を与えることで、ユーザーコミュニティを多様化し、コネクティングを促進するだろうとした。
さらに、「それはメタAIが少しずつ異なるドラマを生成するということか」という大野氏の問いを肯定。本格的なシナリオ生成はまだ研究段階だが、技術が進めば物語レベルで差別化できるとした。

大野氏はゲームについて、プレイすることによって明日の活力を得られる「人を〝もう一階層〟上に押し上げることができる」可能性に言及した。ゲームはインタラクティブなので、映画などの感動体験を先鋭化させることもできるし、より良い人と人との繋がりを実現できる。
そのために、プランナーだけでは限界がすぐ来る。プログラマー、プランナー、ゲームプランナー、サウンドエンジニア、イラストレーターが集まり、もう一度「5年後、10年後のゲームとは何か」考える時期が来ているのだ、と熱く語った。

三宅氏も「プロセッシングパワーの増加とネットワークの速度の増加により、AIの伸びしろは大きい」とした。そして、「ゲームデザインと密接に絡み合うAIは進歩が遅かったが、これからゲームに関わる人が一緒にアイデアを出していくことで飛躍していける。そこには新しい可能性がある」と締めくくった。
両氏の予測する未来のゲームをプレイできる日。それが待ち遠しく感じられる内容だった。