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トップクリエイターが解説するアニマル・モデリング-片桐裕司氏出版記念イベント(4)

2017.07.31
 

5月13日、株式会社Too主催による〝片桐裕司氏×『アニマル・モデリング 動物造形解剖学』出版記念イベント〟が開催された。『アニマル・モデリング 動物造形解剖学』は、人体造形・彫刻のテクニックブックである『ANATOMY SCULPTING(アナトミー・スカルプティング)』に次ぐシリーズ第2弾だ。
最終回となる第4回では、イベント後半の片桐氏の講演の模様をお届けする。

骨を知るということ

片桐裕司氏の講演テーマは、出版された『アニマル・モデリング 動物造形解剖学』と同じくアニマル・モデリング。出版までの作業は「自分自身も勉強になった」とのこと。その本のなかから、具体例を挙げて解説が行なわれた。

まずは、〝構造と骨〟。イヌ、ウマ、ゾウ、ライオンの骨格が示され、頭骨や肋骨、骨盤、背骨といった構造が同じであること、筋肉以前に、この根本的な構造を理解することが重要であることが語られた。
同様に人間、ゴリラ、チンパンジーでも、基本的な構造が同じで、なおかつパーツの比率が異なることが解説された。パーツについては、骨盤の大きさ、長さに違いがあり人間の場合はよりフレキシブルであり、それが二足歩行の滑らかさにも関わることなどにも言及があった。
さらに、動物や人間の実際のスケッチで構造を把握することでポーズが作りやすく、破綻のない動きを付けられるという実例も示された。

勢いと重心を考慮したポーズ

続いては、〝勢いと重心〟。これが、片桐氏がプロポーションや筋肉の他に意識していることだという。『アニマル・モデリング 動物造形解剖学』でのアフリカゾウ、ウマ、イヌを取り上げ、重心の移動により勢い、流れが生まれることがそれぞれ詳しく語られた。

勢いと重心を意識して〝ポーズをデザインする〟例としてはライオン、ドラゴンが取り上げられた。説明には、少しポーズを変えるだけで、見え方が変わるというサンプルも使用。吠えるポーズは顔だけではなく全身で表現する、勇者を威嚇するためのパーツ配置、といった考え方の重要性がよく分かった。
また、それぞれを上から見た図が登場。構造や中心線を把握することの重要性が、再度詳説された。

制作動画での解説

最初に流されたのはドラゴンの制作動画だった。
解説されたのは、手や羽といったパーツの後付けによるバランス確認、作業途中まで中心線を残す、流れをとらえた上でウロコやトゲを付ければ狂わない、などのポイント。いずれも、実際の作業に確実に役立つものだった。

続くチンパンジー、ウマの制作動画でも、間接を把握し筋肉を付けるという基礎と、バランス感覚によるアレンジなど、参考になる部分が解説された。

Q&A

講演後は、Q&Aの時間が設けられ、多くの質問に対して片桐氏がひとつずつ丁寧に答えていた。ここでは、いくつかをピックアップして紹介する(以下Qは参加者、Aは片桐氏)。

Q「講演の動画はテーブルの上での制作だったが、大きな彫刻では複数のスカルプターによる合作のこともある。その場合の各人の作家性の調整方法は?」
A「一番うまくいくのは絶対的なリーダーがいて、補佐する形。小さい原型を製作した者がリードすること、注目される頭部を実力ある者が担当することも」

Q「水粘土や石膏などの製作を始めた。造形力を付けるための方法は?」
A「今おすすめするなら、3時間なら3時間と決め、そこで形をとる練習をする。それを10回やること」

Q「仕事で動物や架空の生き物を作る場合、表情はどのように付ければいいのか」
A「みんなが持っている人間の表情のイメージを読み取る、分析する能力を付けておく。表情筋を持っているのは哺乳類だけだが、その方向性、法則をもとに怒りなどを表現する」

Q「参考にされている書籍があれば」
A「骨、アナトミーについては、『アニマルアナトミー』が重宝する」

Q「今回、制作にかかった時間は」
A「人間系は作り慣れているので、チンパンジー2、3日。ドラゴンは好きにやれたので5日程度。ウマは1体目が気に入らず、かなりかかった」

講演後はサイン会も開催された。

講演後はサイン会も開催された。

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