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【3ds Max 2018 & Pencil+4 ローンチイベント】レポート3

2017.08.23
 

海外オンラインゲームと日本アニメの融合

2017年6月19日、株式会社Too主催で開催された「3ds Max 2018 & Pencil+4 ローンチイベント。休憩を挟んで第二部のユーザーセッションがスタートした。

登壇したのは、株式会社アニマでエフェクトコンポジットスーパーバイザーを務める光山かずお氏。3DCG をメインとしたCGプロダクションであり、数多くのアニメーション制作を手がけている同社における「3ds Max ×海外案件事例」が紹介された。

「本日お話しするのは『リーグ・オブ・レジェンド バーニングブライト』というゲームのアニメーション制作についてです。ただ、『リーグ・オブ・レジェンド』シリーズといっても日本では知名度が低いかもしれません。しかし海外では大変有名なオンラインゲームです。おそらくですが、世界中でもっともプレイされているオンラインゲームだといっても過言ではありません。このゲームは長い歴史を持っていますが、定期的にキャラクターやスキンをリリースしています。『リーグ・オブ・レジェンド バーニングブライト』も新しいスキンをリリースするためのタイトルですが、今回弊社がアニメーション制作を担当したのがこのタイトルのプロモーション映像です」

このプロジェクトのクライアントはアメリカのライアットゲームズ社。同社としても海外のクライアントと直接やりとりするのは初めての経験だったため新鮮な体験を得たという。

ライアットゲームズ社からのリクエストは、『リーグ・オブ・レジェンド』と日本のアニメーションのペイントスタイルを融合して新しい世界を描いてほしいということ。登場する5人のキャラクターを使用して“日本アニメ”のオープニングスタイルで90秒の動画を制作してほしいというオーダーだった。

「コンペ形式だったため、まずはPDFで10枚ぐらいのプレゼンテーション資料を作成しました。そこでは映像的コンセプトとストーリーボードの内容などを作成してライアットゲームズ社に確認。さらに、スタイルフレームや最終的なビジュアルイメージも作成しました。次にキャラクターデザインですが、『キャラクターを日本風にアレンジしたほうが良いのではないか?』という提案をしていきました」

キャラクターのルックデベロップメントは、ライオットゲームズ社から「実際の3Dデータを使用して最終的なイメージを作成してほしい」という要望があったため、過去のプロジェクトからデータを流用して今回のプロジェクト用にルックやレイヤーを付け直して作成。ライオットゲームズ社には、ルックデベロップメントに加えて、キャラクターを使用したPVを作成して提出したという。

「ほどなくしてコンペが通過し、弊社への発注が決まりました。そこでまず作成したのはビジュアルデベロップメントです。そこで弊社とライオットゲームズがお互いのイメージや創りたいルックを共有していきました。そして、それを基にして具体的なイメージボードを描きました。その次に作成したのがキャラクターデベロップメントです。ライオットゲームズ社のアーティストが描いたキャラクターを日本アニメ風にアレンジして可愛い感じに変えていきました」

そこで日本人のイラストレーターに依頼をして、キャラクターを改めて描き直す作業がスタート。描き直した当初は日本人が考える女子高生風なイラストにしたが、アメリカのライオットゲームズ社から見るともっと幼くみえたという。アメリカでは幼い女の子にこのようなセクシーな衣装を着せることには眉をひそめる団体もあり、そこにはライオットゲームズ社もナーバスになっていたと話す。そこで眼の大きさや顔のパーツ類の大きさを小さくするなど、微調整を何度も行いキャラクターデザインを決定していった。

「一番悩んだことは2Dと3Dとをどこまで融合させるか 3Dの要素をどこまで入れてて2Dの要素をどれだけ入れるかということです。具体的には3Dのシェーディングをどれだけ乗せていくか、ということ。まったく乗せないとなると3Dで作成している意味が薄れてしまいます。しかし海外では日本のセル的な絵がリッチに感じられないといいますか、あまり良い印象を持たれていないということをライオットゲームズ社から聞いたので、日本的なアニメーション表現は残しつつ情報量としてはCGの強みを生かした豊かなシェーディングを入れていこう、ということになりました」

実際の作業について同社では、キャラクターのモデリングは100%3ds Maxでおこなっている。モデリング自体は特殊なテクニックは使っておらず、ある程度筋肉の流れを意識しながら作成していくが、最終的にPencil+でラインを描画するのでおかしなラインが出ないように気をつけたという。

「弊社ではすべてのアニメーションをオートデスク製品のMotionBuilderでつけています。MotionBuilderの良いところはとにかくレスポンスが早いところ。プレビューを使わずに再生ボタンを押せば、ほぼリアルタイムで動いてくれるのでアニメーターには好評です。また弊社では、長らくMotionBuilderを使っているために様々なツールを作成しているほか、コマ抜きもMotionBuilderでおこなっています。3DCGのアニメーションデータとしてはフルで動いていますが、あるコマを抜くとか、このコマの間にもう一コマ足すとか、そういった作業をすべてMotionBuilder上でおこなっており、その抜いたコマの情報をAfter Effectsに持っていくというシステムをとっています」

なお、フェイシャルについては100%3ds Maxで作業している。フェイスリグを組んで輪郭の微調整や口元や目元を拡大・縮小させたり、位置を移動させたりができるようにしているという。

また、コンポジットは100%After Effectsで作業している。キャラクターのコンポジットは4段階に分かれており、「ベースカラー」の段階でシーンに合った色味に調整しその後で「陰影」を付けている。そのときに気をつけたことは滑らかなシェーディングとカチッとした影を混在させることだという。

続けておこなう「反射と屈折」については、ライオットゲームズ社からは「質感はきちんと出してほしい」というリクエストがあったために「反射と屈折」はきっちりおこなったという。

最終的な「仕上げについては、リムライトを協調したり、グラデーションをかけたり、金属部分にブローをかけたりして仕上げている。

シーンのコンポジットについては、かなりシンプルにおこない、キャラクターの背景の上にエフェクトを乗せてフレアや色調整などをおこなってファイナルとしている。キャラクターコンポジットが複雑なぶん、シーンコンポジットはシンプルに抑えたと話して株式会社アニマのセッションが終了した。

レポート4に続く