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デジタルアニメ制作の未来展望(前編)

2017.09.26
 

CEDEC(Computer Entertainment Developers Conference)は、日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス。CEDEC 2017は〝Breakthrough to Excellence!〟をテーマに、8月30日から9月1日までの3日間にわたってパシフィコ横浜で開催された。

アカデミック・基盤技術のセッション『デジタルアニメ制作の未来展望』では、東京工科大学メディア学部教授の三上浩司氏がパネラーと共に、現状分析や未来展望を行なった。
パネラーは株式会社スタジオコロリド取締役宇田英男氏と株式会社オー・エル・エム制作部プロデューサー加藤浩幸氏、株式会社ウルトラスーパーピクチャーズ企画プロデュース室プロデューサー平澤直氏の3名。

セッションではまず、三上氏がアニメの基本的な分類、日本のアニメの技術変遷、日本のアニメーションの工程の変遷などを解説。そののち、パネラー3名が各社の取り組み事例を紹介した。

 

絵コンテから撮影までをデジタル化した
株式会社オー・エル・エム

一番手は株式会社オー・エル・エムの加藤氏。〝デジタル作画について〟と題して、同社の取り組みについて説明した。
従来のフローは絵コンテ、レイアウト、原画/作監修正、原画/動画検査といった工程を紙(アナログ)で行ない、仕上げでRETAS STUDIO、撮影でRETAS STUDIO、After Effectsを使うという流れだった。
一方デジタル作画では、絵コンテでToon Boom Storyboard Pro、レイアウトと原画/作監修正、原画/動画検査、仕上げでToon Boom Harmony、撮影でToon Boom HarmonyとAfter Effectsを使用するというフローになっている。

株式会社オー・エル・エムの新旧フロー

株式会社オー・エル・エムの新旧フロー

社内でのデジタル作画の様子も公開された。

社内でのデジタル作画の様子も公開された。

 

続いて加藤氏が取り上げたのは、デジタル化の問題点だった。
ソフトが複数あり各ソフトの特色を把握する必要があること、導入時PC込みで1台50万かかり導入後も維持費用がかかること、作業者はデジタルではやることが増えることなどを指摘した。
一方、デジタルではサーバーでやり取りするため、物流に起因する問題は解消されるというメリットも挙げられた。

 

デジタルアニメ革命のこれまでとこれから

株式会社ウルトラスーパーピクチャーズ平澤氏は、〝デジタルアニメ革命2.0の暫定報告と3.0への展望〟を語った。
平澤氏はアニメの制作工程をおさらいした後、デジタルアニメ革命の歩みを説明した。
80年代までのアニメ制作では一部の例外を除いて全工程がアナログ作業だった。アナログ作業は物理的な制約があり、工程の前後を入れ替えるのは難しかった。

これが90~00年代になると、主にポストプロダクション工程でデジタル化が進行した。これが、デジタルアニメ革命1.0だ。
1.0の具体例としては、セルへの絵の具着彩から画像データへの着彩への移行、物理的な撮影から画像データの重ね合わせへの移行が紹介された。
こういったデジタル化によって物理制約が解消され、空気感や情報密度、光の強弱など表現の幅は広がっていった。

続く10年代では、3D CG技術、デジタル作画といったデジタル技術が進展。これまでアナログだったレイアウトから原画、動画までの工程もデジタル化された。これがデジタルアニメ革命2.0だ。
平澤氏はデジタル作画の長所として拡大・縮小・反転といった操作やデータ転送が容易であることを挙げた。これは、CGによって映像の再生産性が向上したとも言える。

デジタルアニメ革命2.0

デジタルアニメ革命2.0

 

後編に続く)