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デジタルアニメ制作の未来展望(後編)

2017.09.26
 

平澤氏は3D CGアニメの課題についても言及。
一つ目はモデリング工程が付加されること。これによって、実際の作画がスタートするまで時間がかかってしまう。
二つ目は制作データベースの必要性。制作中は物理的な素材がないため、進捗を可視化するソフトが必要になるということだ。

そして、話はデジタル(CG)アニメの今後へ。絵コンテから音響までのフルデジタル化が実現することで、工程間の物理的な制約はなくなる。また、工程の入れ替えや重複が容易になると、「簡易モデルや仮音声等で完成映像のイメージをより具体的に共有できる」とした。
以上のことから、アナログアニメの製作工程から脱却すること=「ウォーターフォールからプロトタイピング、アジャイルへの移行」が可能になると説明。
さらに、プリビズ、ライカリールが一般化し、アニメ演出家に必要だった絵コンテ技能の(一部)代替となる、実写監督やゲームクリエイターなど隣接業界の才能が参入するのではないかという予言も加えられた。

3D CGアニメの今後

3D CGアニメの今後

 

平澤氏はここから〝AI支援アニメ革命〟に話を進める。これはシーン生成などにAIによる学習&支援を適用して才能を必要とする領域を集約するもので、「映像のハイクオリティー化、大量生産が促進される」とした。

 

若いスタジオでの現在進行形の取り組み

トリを務めたのは株式会社スタジオコロリドの宇田氏だ。
株式会社スタジオコロリドは2011年設立。創業の理念として「アニメに関わる人が安心して働き続けることができる場を作る」を掲げ、作品を制作している。
デジタル作画のきっかけとなったのは、話題作『フミコの告白』を制作した石田祐康監督の参加だ。初監督となる『ひなたのアオシグレ』製作開始と同時に、スタッフを募集。多くの若手スタッフが集まった。

当時の社内を写したスライドは、デジタル作画への移行期らしく紙+デジタルでの作業風景となっていた。

当時の社内を写したスライドは、デジタル作画への移行期らしく紙+デジタルでの作業風景となっていた。

 

続く『台風のノルダ』は、スタジオコロリドの過去最長尺作品。
このため、他社との連携も必要となり、多くの発見があったという。

 

 

現場の生の声を確認できたディスカッション

残りの時間はディスカッションにあてられた。
他社との連携について、加藤氏は「情報漏洩が課題」とした。平澤氏はデジタルアニメ革命3.0では後戻りができる部分をインハウスで担当し、やり直せない部分を外に出すという方針を示した。
宇田氏は『台風のノルダ』の制作で他社との〝ルールのずれ〟を改善する必要を感じたという。

また、デジタル作画の問題として、平澤氏は「〝Ctrl+z〟があるためやり直しが容易。より良いものを作ろうとして作業が進まない」という点を挙げた。
時間の都合で、ディスカッションは駆け足で終了。機会があれば、もっと事例等を聞きたいと感じたセッションだった。