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AUJ-建築業界でのVR/MR活用の海外最新状況(前編)

2017.10.18
 

毎年開催されるAutodesk Universityは、オートデスク主催による最も大規模なカンファレンスだ。その日本版『Autodesk University Japan 2017』が9月21日、22日の2日間にわたって開催された。
ここでは、21日のランチセッション『建築業界での VR/MR 活用の海外最新状況』の模様をお届けする。

 

株式会社日本HP Workstation Business Unit大橋秀樹氏

株式会社日本HP Workstation Business Unit大橋秀樹氏

最初に登壇したのは、株式会社日本HP Workstation Business Unit大橋秀樹氏。
大橋氏は、セッション時点で正式発表前だった『HP Z VR Backpack』を背負って登場。ワークステーションクオリティで製品化されており、エアフロー、パフォーマンス、安定性も問題ないことをアピールした。また、ドッキングステーションに装着しデスクトップでも使えることも説明された。

 

HP Z VR Backpack。日本HPのブースでは、VIVEを使用したデモも行なわれていた。

HP Z VR Backpack。日本HPのブースでは、VIVEを使用したデモも行なわれていた。

ここで大橋氏は、もう一人の登壇者であるエヌビディア合同会社Global Business Development for Enterprise VR and AEC NVIDIA Directorトーマス・ライリー氏を紹介した。氏はAutodesk University Japan 2017にあわせて来日したとのこと。
ここから、ライリー氏がVR/AR/MR、NVIDIAの海外を中心とした最新事例について語った。

 

エヌビディア合同会社Global Business Development for Enterprise VR and AEC NVIDIA Directorトーマス・ライリー氏

エヌビディア合同会社Global Business Development for Enterprise VR and AEC NVIDIA Directorトーマス・ライリー氏

 

AECにおけるVRの活用事例

AEC(Architecture, Enginnering, Construction)ワークフローには、非常に多くの企業が携わっている。この全てのパートにおいて、VRは活用できるものだ。
AECのVRでは、多くのテクノロジー企業が参加してエコシステムを形成している。HPやNVIDIAのようなハードウェア、点群スキャン、デザイン、レンダリング、VRビジュアライゼーション、建築設計事務所といった企業がひとつになって、VRを作り上げている。

オートデスク製品では、デザインツールとしてAutoCADやRevit、3ds MAX、Navisworks、BIM360、レンダリングツールとしてVRED、VRビジュアライゼーションツールとしてSTINGRAYなどが具体例として挙げられた。

 

AECのエコシステム

AECのエコシステム

 

VR、AR、MRを総称したイマーシブリアリティ=没入現実を、テクノロジーとしてAECワークフローに活用する流れになっている。
VRなら、建築物という大きなモノであっても、画面上のデータではなく本当のスケール感でデータを見ることができる。これが、AECセグメントにおけるVRの最大の特徴だ。
また、VRはフレキシブルなデータを提供する。プレゼンにおいて、さまざまな視点からデータを見ることができるのもポイントだ。
さらに、VRでは効果的なコラボレーションが可能となる。リアルなスケールの巨大データを複数の人で見ることによって、意思疎通を早めることもできるのだ。

VRコンテンツは、デザインの企画段階からデザインのレビュー、そしてファシリティのプランニングまで、さまざまなシーンで役立つ。
実際の施工に入るまでのリハーサル、作業などのトレーニングだけでなく、マーケティングなどでも活用されている。セールスツールとしてVRを使い、マンションギャラリーで実際の高さから見下ろせる、という事例も紹介された。

実は、NVIDIAのカリフォルニアにある新本社ビルでも、VRがフルに活用されている。点群のデータをさまざまな角度からスキャンし、エグゼクティブ向けのレビューに使用。その結果、プラン変更などが行なわれたという。

VRのコンテンツを作るツールのセグメントは、プロシューマー(生産消費者)とプロに分けることができる。
プロシューマーが使用するのは、RevitのデータからVRコンテンツを生成するツール。こちらは、ワンクリックですぐにコンテンツを生成できる。
一方プロが使用するのは、主にゲームエンジンだ。UnityやSTINGRAYといったゲームエンジンにデータをエクスポートしてVRコンテンツを作り上げる。リアルなものを作りこめるが、ツールの習得が必要、生成に時間がかかるといったデメリットもある。

 

 

後編に続く)