制作過程において校正のあり方に悩んだことはないでしょうか。複数の制作者が関わる場合は、校正の必要な制作物のやり取りが頻繁におこなわれます。データを紙に出力して修正指示を記入する方法が一般的ですが、物理的な校正紙の移動は手間がかかります。校正者が多いほど混乱が生じやすくなり、校正もれも発生しがちです。こうした校正の課題を解決するのがPDF校正です。今回はPDF校正をするメリットや、注意しておきたいポイントについて解説します。

多くの人が校正に関わる際はPDF校正が便利

まずは校正時に発生しがちな問題と、PDF校正の概要を解説していきます。

一般的な紙による校正における問題

広告や商品パッケージなどの制作過程では、複数の部門、担当者が同時に校正することがあります。その際に起こる問題は、以下のようなものが考えられます。

赤字のとりまとめの負担が大きい

複数の校正者により赤字が入るため指示の集約作業をする必要があります。関係者が多いプロジェクトでは、手間や時間コストがかかります。

修正箇所が重複していると見づらくわかりにくい

同じポイントにいくつもの修正が入ると、見落としたり意図が読み取れない場合があります。

質問・メモ書きとの混乱

修正指示と、質問・覚書とで混乱する恐れがあります。

印刷された原稿の保管・管理の手間

修正箇所の確認のために保管が必要な場合、バージョン管理と保管スペースの確保が求められます。

テレワークやリモートワークに対応できない

紙ベースで赤字を入れる手法は、遠隔地にいる担当者どうしの物理的なやり取りが容易ではなく、多様な働き方に対応できません。

上記にあげられた問題解決の策として、PDFを活用した校正がおすすめです。

PDF校正とは?

PDFには、元文書のレイアウトを忠実に再現できる特性があるため、環境の異なるPCであっても同じ状態で見ることができます。このメリットを活かせるのがPDF校正です。

PDF校正の手順は、レイアウトソフトからPDFに変換後、コメントをつけながら複数人で校正を進めていきます。PDFのやりとりはメールに添付したり、クラウドストレージを活用します。

PDFの機能を活用した校正

PDFはセキュリティが高く簡単に変更できないため、不用意に変更されてしまうことはありません。PDF校正はこのファイル形式の特徴を利用し、注釈用のツールを使って修正指示をおこないます。

例えば不要なテキストに対しては打ち消し線を用いる、置き換えるテキストを色文字で入力する、コメントを挿入して欄外に示すといった手法があります。PDFの機能を活用することにより、元データを保持しつつ、複数人で回覧しながらわかりやすく校正指示ができです。

PDF校正のメリット

校正を紙ではなく、データ(PDF)でおこなうメリットを紹介します。

用紙、印刷、配送のコストを削減できる

PDF校正では都度印刷をする必要がないため、用紙や印刷にかかるコストが削減できます。物理的な移動の必要がなく、電子データとして簡単に送付できるため、配送コストや手間もかかりません。紙ベースの作業が大幅に削減できるため、ペーパーレス化の促進に貢献します。

とりまとめが容易である

PDF校正では複数人の校正者が関わる場合でも、とりまとめの負担が軽減されます。例えば「注釈を取り込み」機能を使うことによって、次回以降の校正で変更する部分や、保留となっている確認事項を容易にとりまとめることが可能です。また、「注釈をインポート」の機能を使うことで、複数人で同じデータを回覧している場合でも修正指示をひとつのファイルにまとめることもできます。

多様な働き方に対応できる

PDF校正では遠隔地どうしでもやり取りが容易で、クラウドストレージを活用すれば、ほぼリアルタイムで作業内容を確認できます。確認のみであればモバイルデバイスでも可能なので場所に制限されません。

検索性が向上する

PDF校正ではテキスト検索が可能です。単語がある部分を抽出できるため、探したい箇所をすぐに確認でき、作業効率が向上します。同じ単語を抽出する必要がある場合でも、見落としが防げるため校正の精度を上げられます。

修正履歴の管理が容易にできる

PDF校正の注釈機能を使えば、校正者、日時、変更内容が明示され、管理しやすくなります。いつ、誰が、どこに指示を入れたかがわかるため混乱しません。

PDF校正における注意点

PDF校正する際の注意すべきポイントを解説します。

ファイルの増加によるミスの発生

メールでやりとりをする場合、修正済みのファイルが増えることで、先祖返りや修正漏れ、指示漏れといったミスが発生する場合があります。送付されたファイルのバージョンを各人がしっかりと管理していないと、混乱してしまい、ミスにつながる恐れがあります。 また、ファイルの扱いに関しては、ミスの発生を防止するためにデータ管理のルールを徹底することが重要です。バージョンのずれを回避するためにファイル名番号やフォルダ分けのルール決めをします。

関係者へのファイル共有

途中で参加者が増えた場合は、ファイル共有への配慮が必要です。同一の情報を認識できるよう、現時点までの経過を併せて共有していく必要があります。

作業の進捗状況の確認

PDF校正をメールやクラウドストレージを介しておこなう場合でも、個々の進捗状況を追うことは困難です。メールのCC機能を使うなどして、密に連絡を取り合うことが求められます。承認状況についても都度通知が必要です。
関係者が多かったり、校正フローが複雑になると、メールやクラウドストレージだけのやり取りでは管理に限界が出てきます。

校正では、回覧や承認といった状況をすべて把握するための管理業務が必要です。PDF校正においても、業務フローの進捗管理が重要なポイントとなります。しかし個々のメールのやり取りや、アクセス状況が明確化できないクラウドストレージでは、PDF校正の管理においては不安があります。

さらに便利なオンライン校正ツール

そこで対応策としておすすめなのが、複雑なフローにも対応できるオンライン校正ツールの活用です。校正ツールを使うことで、複数の校正者による校正作業を的確に実施できる環境が提供されます。
インターネット回線を確保できれば、いつでもどこでも校正確認が可能なため、テレワークを始めとする多様な働き方にも対応可能です。

修正指示のあった箇所が明示されるため、見落としがなくミスの防止につながります。進捗状況やステータスがリアルタイムで把握可能など、校正を一元管理できます。またユーザーの追加も容易で、それまでの工程確認についても過去の校正データがあり、経緯を把握しやすいというメリットがあります。

さらに暗号化、アクセス制限、ユーザーの管理といった機能により、一般的なPDF校正と比べてセキュリティが強化される点も安心です。 校正指示のほか質問や確認事項などのやりとりをしながら進めることができ、コミュニケーションツールとしても機能します。

複雑なワークフローにも対応できるZiflow

一般的に制作物の重要度が高いほど、関わる人数も増え、校正作業が煩雑化しやすくなります。そういった複雑な校正フローに対応できるのが、レビュー・承認に特化したオンライン校正ツールの「Ziflow」です。
Ziflowは校正業務における承認・レビューに特化しており、PDFをベースとした校正ワークフローにも最適です。ご興味のある方は個別デモが可能です。定期開催しておりますので、ぜひお申し込みしください。


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