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ビジネスで役立つ!VR動画制作入門セミナー vol.2(後編)

2017.09.21
 
VR 

VR動画制作ワークフロー紹介

セミナーの最後は、クロスコ株式会社執行役員である高橋仁氏によるワークフロー紹介だった。実写でのVR動画コンテンツ作成のフローは、一般的な映像作品とは異なる設計が必要となるという。

VRコンテンツをどのようなシーンで構成するか、どのような遷移を行なうかといった設計を行なったのち試験撮影を実施し、モックアップを作成する。モックアップの検証により撮影するシーンなどを決定し、本番の撮影を行なう。
撮影後は、ステッチングという作業を行なう。これは、撮影したフィッシュアイの映像をひとつにまとめるもので、4K、8Kといった解像度では手間のかかる工程だという。

素材が出来上がったら、オーサリングとアプリ化を実行する。これまではUnityなどを使用していたが、ここで紹介する事例ではInstaVRを採用している。
アプリ化したら動作検証とリテイクを行ない完成となる。

VR動画コンテンツの制作フロー

VR動画コンテンツの制作フロー

 

具体的な事例に入る前に、VR撮影に使用するカメラ、撮影システムの解説も行なわれた。
現在までの主流は、汎用カメラを複数台マウントして撮影する形式。映像の品質は、どうしてもカメラそのものの性能に左右される。高品質な映像を撮るには、8Kや6Kといった解像度に対応した業務用の汎用カメラが必須だったのだ。

コンシューマーではRICOH THETAのような一体型の専用カメラが登場。専用カメラではステッチング作業が不要で、撮影後の作業が楽だ。ただ画質、表現力は「そこそこ」レベルとなっている。
汎用カメラとコンシューマー向け専用カメラ、この2種類の間を埋める存在が『Insta360 Pro』のような業務用の専用カメラだ。これらはステッチング作業が不要で、なおかつコンシューマー用機器の感覚で業務に使えるクオリティの映像を撮れる。
高橋氏は、Insta360 Proのようなカメラが今後の主流になるだろうと予測した。

VR撮影用カメラ

VR撮影用カメラ

 

制作したVRコンテンツを視聴できる代表的なデバイスは、スマートフォンとPCだ。InstaVRはスマートフォンのCard BoardからPCのOculus Riftまで、すべてに対応しているという。
なお、高橋氏は性能と価格のバランスがいいデバイスとして、顧客に『Gear VR』を薦めているという。

 

サンリオピューロランドVRはこうやって作った

高橋氏が紹介した事例は、サンリオピューロランドのVRコンテンツ。これは、海外の旅行博や旅行代理店などで見るためのものだという。
コンテンツは3シーン構成。それぞれ、「キャラクターがものすごく近くまで来る」「2カメスイッチング」「視点移動」といった見どころが用意されている。

モックアップ用の映像をRICOH THETAで撮ってみたところ、「照明の影響で全然見えない」こともありカメラを変更。キヤノン製のカメラを5台組み合わせて試験撮影したそうだ。
撮影した映像をVR化するところで、InstaVRが登場。「モックアップ用にちょうどいいだろう」と考えて採用したが、出来が良かったため本番環境もUnityではなくそのままInstaVRになったという。

モックアップの感想として出てきたのが、目線の問題だった。ショーを通常の目線の高さで撮ったものに違和感があったのは、観客は座ってみているから。そこでカメラを下げようとしたが、そのままでは映像の下半分がすべて床になってしまう。
アオリの映像にしてみてもVRでは気持ち悪かったため、最終的には観客の視点までカメラを下ろして撮影した。これで、少しだけ上を見上げる状態になり、ショーを見ている感覚を再現できたという。

本番の撮影前に用意したのは、ストーリーボード。キャラクターパートではこれをもとに、「キティさんやダニエルさんにお願いしてお芝居をしてもらった」そうだ。
ショーでは目標となるオブジェクトに対して、高さも関係性もまったく同じ位置に2つのカメラを配置。音楽とキャラクターの動きに合わせて切り替えている。視覚的には大きな差異が生じず、ストレスなくスイッチングを受けいれられるようになっている。これで、ショーの〝一番おいしいところ〟をつまんで見せることが可能になったのだ。

視点移動では、VR酔いが起きやすい。これは体験する人の身体と、強制的な視点移動による視覚情報がズレるため。ここでは、中心にいるキティの動きをフォローするように動かしている。これで、見る人の視点は大きく移動しないまま、追従する形になり、酔いが抑えられている。

なお、視聴環境としてはGear VRを採用しているが、アプリを動かし続けるため「Wi-Fiを切る」「HMDのセンサーを止めて常に装着した状態を作り出し、コンテンツを流し続ける」「バッテリー対策として1台のHMDにスマホ2台を用意」といった工夫をして運用したという。

高橋氏は最後に、InstaVRでのVR映像作成のコストについて解説。コンシューマー用機器で撮影を含むすべての作業を自前でやる場合は10万円~、動画のクオリティを上げるため撮影+ステッチングを依頼する場合は30万円~という目安が示された。

クロスコでは、まるごと外注したい人のための制作サービスも展開。3シーン合計10分の360度動画を撮影、制作するまでが45万円(税別)、VRアプリ化の費用が45万円(税別)で受注しているほか、VR制作体験ワークショップも実施している。
製作したい本数が少なければ制作サービスを、自社でビジネス展開したいならワークショップを利用するといいだろう。

 

制作サービス

制作サービス

VR制作体験ワークショップ

VR制作体験ワークショップ

株式会社Tooでは、InstaVRプロ版年間ライセンスを用意している。

株式会社Tooでは、InstaVRプロ版年間ライセンスを用意している。

終了後は、コンテンツやカメラなどを実際に体験する時間も用意された。

終了後は、コンテンツやカメラなどを実際に体験する時間も用意された。