VTuberのルーツを語る。

「VTuber事務所」といえば、どこを思い浮かべるだろう。

2021年にVTuberチャンネル登録者数1位を達成した「がうる・ぐら」の所属する「ホロライブ」 。もしくは、男性VTuberで初めてチャンネル登録者数100万人を突破した「葛葉」の所属する「にじさんじ」だろうか。今「VTuber」ファンに、好きな「VTuber事務所」を尋ねると、「にじさんじ」もしくは「ホロライブ」という回答だろう。

しかし、「VTuber」の人気が拡大した2017年〜2018年では回答が大きく違っていた。2017年〜2018年は「VTuber事務所」ではなく「VTuber」単独で人気を拡大していたのである。


そして、当時「VTuber」といえば、「あの5人」だと言われていた。


この記事では2017年からリアルタイムで「VTuber」を応援してきたウエダが、当時の記憶と共に「あの5人」=「VTuber四天王」について解説する。

■目次

  • VTuber四天王とは
  • 個性豊かな四天王
    (1)キズナアイ
    (2)輝夜月(かぐやるな)
    (3)ミライアカリ
    (4)電脳少女シロ
    (5)バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん(のじゃおじ)
  • 引き継がれるVTuber文化
  • まとめ

■VTuber四天王とは

「VTuber四天王」は、「キズナアイ・輝夜月(かぐやるな)・ミライアカリ・バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん(のじゃおじ)・電脳少女シロ」の5人を指す。
「VTuber四天王」だが5人なのは、一種のネットミームであり、そこにあまり意味は存在しない。とにかく「VTuber四天王」はこの5人のことを指す。
「VTuber」の人気を2017年〜2018年に確立したのがこの5人である。圧倒的なチャンネル登録者数の多さ、キャラクターの見た目や個性がちょうどいい具合にバラバラであることなどが理由で、「VTuber四天王」として存在が確立していった。
筆者は「この5人のチャンネル登録者を超えるVTuberはそうそう現れない」と確信していたほど、当時の人気は絶大であった。

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■個性豊かな四天王

「VTuber四天王」は、5人とも個性がバラバラであることが大きな特徴である。5人全員が、今のVTuber文化を形作っている要素の先駆者だ。筆者が分析する「VTuber四天王」の特徴を紹介しよう。

(1)キズナアイ【2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 / メインチャンネル300万人,ゲームチャンネル151万人】

言わずと知れた「VTuber」の代表格。
アーティストとしての活動を行った「VTuber」としても先駆け的存在だ。2018年の8週連続オリジナル曲リリースは、当時「VTuber業界」では異例中の異例であり、筆者は度肝を抜かれた記憶がある。
さらに、そのオリジナル曲はジャンルとしては「エレクトロニック・ミュージック」が中心であり、「VTuber」の楽曲といえば「エレクトロニック・ミュージック」というイメージを作ったパイオニアだと言える。

(2)輝夜月(かぐやるな) 【2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 : 92.5万人 ※2021年10月引退)】

明るい性格でむちゃくちゃな展開の動画が多い。当時は超新星と言える存在で、一気に話題となった。
イラストレーター「Mika Pikazo」の独特かつ派手なデザインも相まって、「VTuber」のデザインが既存のアニメキャラクターより派手かつ突飛になるきっかけを作ったと言える。

(3)ミライアカリ 【2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 : 70.9万人】

イラスト原案を「初音ミク」と同じイラストレーター「KEI」が担当している。今は多く存在するが当時としてはかなり珍しい下ネタありセクシー系であり、元気の良さが特徴の「VTuber」だ。

(4)電脳少女シロ 【2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 : 67.7万人】

現在は「ぶいすぽっ!」を中心にApexやVALORANTなどのFPSがうまい「VTuber」は星の数ほど存在している。当時から「電脳少女シロ」は卓越したFPSの腕前で、切り抜き動画がかなりバズっていた記憶がある。
さらに本人のサイコパス的性格も人気に拍車をかけた。

(5)バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん(のじゃおじ) 【2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 : 17.6万人】

「VTuber」を語る際に、必ず出る話題が「バ美肉(ばびにく)」である。「バ美肉」とは「バーチャル美少女受肉」の略称だ。見た目は可愛らしい女の子だが、中の人は男性であることを指す。「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」、略して「のじゃおじ」は「バ美肉」の先駆者であり、当時視聴者に与えた衝撃は大きかった。また、当時コンビニバイトをしていた「のじゃおじ」が、YoTubeの収益化を果たし、クリエイター活動に一本化した姿は、「VTuber」のサクセスストーリーを最初に視聴者へ提示する存在となった。

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■引き継がれるVTuber文化

このように「VTuber」を構成するさまざまな要素の先駆者の5人は多くのチャンネル登録者数を獲得した。

「VTuber四天王」の時代は続くものだと思われたが、2020年7月24日にホロライブ 所属の「白上フブキ」が「ミライアカリ」のチャンネル登録者数を超えた。そこからはホロライブ所属の「VTuber」が勢いを増しており、2022年1月31日時点で「VTuber」の「YouTubeのチャンネル登録者ランキング」で上位10位の中9人を占めている。
しかしながら、「のじゃおじ」によって広められた「バ美肉」VTuberは「兎鞠まり」や「ふぇありす」を代表に多く活動している。「VTuber」の現在のメインコンテンツであるFPSは、「電脳少女シロ」が先駆けであることは変わらない。
「VTuber四天王」が作った文化は多くの「VTuber」に形を変えながら引き継がれている。

■まとめ

「VTuber四天王」は現在、「キズナアイ・電脳少女シロ・ミライアカリ」の3人が活動を継続している。

しかし、今人気がある別の「VTuber」達が「VTuber四天王」と呼ばれることは無い。それは、「VTuber四天王」が今に繋がる「VTuber」文化を確立した立役者だからであろう。「キズナアイ」は全「VTuber」内のチャンネル登録者数1位こそ、「ホロライブEnglish所属」の「がうる・ぐら」に明け渡したものの、今も2位に君臨している。「電脳少女シロ」は自身の人気の火付け役であったFPSでの動画投稿やコラボを加速させているし、「ミライアカリ」も新モデルでの活動を活発化させている。
「VTuber四天王」は文化の創生と継承をしただけでなく、今も新たな文化を生み出し続けているのだ。

記事は2022年2月24日現在の内容です。

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