Excel 掲載日:2020年1月 7日
Excel の住所録データベースと Word の差し込み文書機能を使用すれば簡単にハガキの宛名を印刷することができます。
手順を解説しますのでお試しください。
Excel の住所録データベースを作成します。
データ項目として以下の項目を用意します。
・郵便番号 上3桁
・郵便番号 下4桁
・住所
・社名
・部署名
・個人名
・敬称
・出す出さない(出すか出さないかの選別用に使用します)
「郵便番号 上3桁」と「郵便番号 下4桁」は A と B 列を選択し、マウスの右クリックで出てくるメニューで「セルの書式設定...」を選んでから、分類を「文字列」に設定してください。
次に1行目を選択した状態で、「ホーム」から「並び替えとフィルター」ボタンを押し、「フィルター」を選んでください。
郵便番号や住所の番地は半角で入力してください。
フィルターを設定しておくと「出す出さない」で指定した「出す」宛先だけを取り出すことができます。
「出す出さない」のセルの右側にある「フィルター」ボタンをクリックし、「出す」項目だけにチェックを入れます。
「出す」宛先全体を選択してコピーした後、新しいシートにペーストします。
日本郵便のホームページ等からハガキの宛名面のデータをダウンロードし、ハガキのサイズでトリミングしたデータを用意します。
Word を起動し、新規ドキュメントを作成してください。
作成したら、「ファイル」メニューから「ページ設定...」を選んで、「はがき」に設定してください。
「はがき」サイズに設定できたら、レイアウトタブから「余白」ボタンを押して、「ユーザー設定の余白...」を選択します。
デフォルトの余白では印刷領域が確保できないので、プリンタドライバが設定可能な最小値を余白として設定します。
※プリンタの機種にもよりますが、余白として設定できる数値は 5mm~7mm 前後です。一部のインクジェットプリンタは縁無し印刷の設定も可能ですが、原寸印刷ではないため文字の位置が少しズレる可能性があります。
ここでは上下左右に 5mm と設定し「OK」ボタンを押してみます。
プリンタドライバが設定できない数値が入力されている場合には、下図のような警告が表示されますので、「修正」ボタンを押します。
修正ボタンを押すと、プリンタドライバが設定可能な数値が自動入力されるので、「OK」ボタンを押します。
手順2で作成した「はがき」の画像を Word の書類にドラッグ・アンド・ドロップします。
このままでは、Word の書類サイズと「はがき」画像のサイズが合っていない状態ですので、画像の上でマウスの右クリックをして、「配置とサイズ...」を選びます。
つぎに「文字列の折り返し」タブから「背面」を選択し、「はがき」画像が Word 書類の「はがき」サイズとぴったりになるように移動と拡大をします。
ここまで準備できたら、Excel の住所録のデータをWordに取り込むために、「はがき」画像の上に、横書きのテキストボックス2つと、縦書きのテキストボックス3つを配置していきます。
「挿入」タブから「テキスト」ボタン押し、「横書き」のテキストボックスを選択します。「縦書き」のテキストボックスも同じところにあります。テキストボックス挿入後は、「図形の書式設定」でテキストボックスの塗りつぶしと線の設定をそれぞれ、「塗りつぶしなし」と「線なし」に設定してください。
テキストボックスの配置が完了すると下図のようになります。
手順5で用意したテキストボックスに、Word の「差し込み文書」機能を使って、Excel の住所録のデータを取り込みます。
「差し込み文書」タブから「宛先の選択」ボタンを押し、「既存のリストを使用...」を選んでください。
取り込みたいデータが入っている Excel のファイルを選択し、「開く」ボタンを押します。
下図の警告が表示されるので、「 はい(Y) 」を押してください。
つぎにブック内のドキュメントを選択する画面が出ますので、「はがき」の宛名用として取り込みたいドキュメントを選択して「OK」ボタンを押します。「セルの範囲:」は空欄で OK です。
ここでは手順1で 作成した Excel の住所録から「住所録(出力用)」のシートを選択します。
宛先の設定が完了すると「差し込みフィールドの挿入」ボタンから、Excel の住所録の各データ要素を個別に配置できるようになります。
手順5で作成したテキストボックス内をダブルクリックし、テキストが入力できるカーソルが出ている状態で、「差し込みフィールドの挿入」ボタンから、Excel の住所録の各データ要素を対応するテキストボックスに差し込み設定をしていきます。
大まかな配置が終わると下図のような状態になります。
「結果のプレビュー」ボタンを押すと、Excel のデータが取り込まれた状態のプレビューが確認できます。
このままではかなり見栄えが悪いのでプレビューを表示したまま、フォントの大きさや郵便番号の位置、テキストボックスの配置を調整していきます。
※郵便番号の2つのテキストボックスはこの時点で半角から全角に変換して、枠内に収まるように調整してください。
テキストは均等配置を選ぶと郵便番号の枠内に収まりやすくなります。
レイアウトが整ったら「完了と差し込み」ボタンを押し、「個々のドキュメントの編集...」を選択します。
※レイアウトのテンプレートとして利用していた「はがき」画像は「完了と差し込み」実行前に削除してください。
※差出人のデータも印刷したい場合には、この時点で差出人データを作成してレイアウトに追加してください。
印刷用のデータが別ファイルとして出来上がり、Excel の住所録の個々のデータが「はがき」1枚1枚に反映されます。
郵便番号については手順6で全角で郵便番号の枠内にキレイに収まるようにレイアウト調整しましたが、「完了を差し込み」を実行すると Excel の半角データを読み込むため、この時点では郵便番号が少しズレています。
また住所の番地と会社名も横書き状態になっているので、この状態を修正するために、半角の英数字を全角に変換します。
Word の「編集」メニューから「検索」を選び、「高度な検索と置換...」を選択してください。
検索設定を下図のように設定します。
・「検索」タブを選びます。
・「検索対象:」には、つぎの文字列を入れてください。
[a-zA-Z0-9]
※ [a-zA-Z0-9] はアルファベットの小文字 a から z まで、大文字の A から Z まで、数字の 0 から 9 までを検索対象にする文字列です。
・「検索結果をすべてハイライト表示する:」にチェックを入れて、対象は「メイン文書のテキスト ボックス」に設定してください。
・「あいまい検索(日)のチェックを外し、「ワイルドカードを使用する」にチェックを入れてください。
・「検索」の対象を「文書全体」にします。
「すべてを検索」ボタンを押すと該当箇所がハイライトですべて表示されるので、ハイライトのまま下図のように「文字種の変換」ボタンから「全角」を選びます。
「全角」への変換が終わると、郵便番号の位置が修正され、住所の番地と社名の表記が縦書きの状態となり、違和感が無くなったことがわかると思います。
※この時、各ページの表記やレイアウトに異常がないかどうかを確認し、異常があった場合には個別に修正してください。
印刷の準備が整いましたので、テストプリントをして位置の微妙なズレを修正してください。
※修正は手順6で作成した Word の書類上で行い、キレイに印刷できるまでテキストボックスの位置やフォントの種類、大きさを調整してください。
印刷がうまく行けば下図のように印刷できます。
本記事で使用した Word と Excel のファイルを添付します。
住所録.xlsx ※サンプルの住所が入っていますので、削除して使用してください。
文書1.docx ※「はがき」画像とテキストボックスは配置済みです。記事内容の手順6から実施してください。
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