Too主催のToo curateセミナー「Tooが伝える、Adobe Creative Cloudの今 〜こう使う、Illustrator/Photoshop/InDesign新機能 2014初夏〜」が、2014年5月15日から5月24日にかけて、東京・大阪・名古屋で全8回開催されました。

ここでは、5月15日にToo本社の「The Gallery Too」(東京都港区虎ノ門)で開催された内容をレポートします。

■セミナー概要

Adobe Illustrator CC/Photoshop CC/InDesign CCの2014年の最新機能を中心に、 Creative Cloudの活用方法を、具体的な制作場面を想定した実践的なデモ形式で紹介しました。
Tooの講師が長年のお客様サポートやトレーニングの経験を元に現場で培ったノウハウを盛り込んでおり、意外と知られていない既存の機能も数多くご覧いただけるところも特徴となっています。

また、併設された展示コーナーでは、株式会社ワコムによる液晶ペンタブレットやペンタブレットなどの実機を使っての紹介が行われました。

■Tooのスクール講師によるセミナー

講師は、TooのCreative Cloudセミナーではおなじみとなった、Too Training Center Desi(デジ)東京校講師の前田勝規。 彼のセミナーでは定番となった、Illustrator/Photoshop/InDesignのバージョン毎の新機能表も配布されました。

使用しているAdobe CS/CCのバージョンを来場者にアンケートするところからセミナーはスタートしました。CS3、4のところで挙手する人が比較的多く、午前中に開催した同セミナーとは結果が違っていたそうです。午前はCS4、5の利用者が多かったとのことでした。

今回のセミナーでは、各アプリケーション毎に古いバージョンから機能をピックアップして紹介しつつ、Creative Cloudの新機能の紹介へと移っていくという流れで行うという説明がありました。


DTPエキスパート/DTP検定第1種資格取得のToo ICTセンター前田勝規

■意外と知られていない機能も豊富なIllustrator

最初に紹介したのは、Illustratorです。

まずは、各バージョンからピックアップされた機能として、「カラーバリエーション、カラーガイド、ライブカラー」(CS3)、「塗りブラシ」(CS4)、「破線の角が合わせられるようになった」(CS5)、「パターンの強化」(CS6)といった機能が紹介されました。

熱心にメモしている人も多く、以前から搭載されている機能でも、意外と知られていない便利なものが少なくないようです。


意外と知られていない(?)カラーバリエーションを簡単に作れる機能

Illustrator CCのテキスト周りの新機能として、「文字タッチツール」と「ポイントテキストとエリアテキストの切り替え」機能が紹介されました。 エリアテキストをポイントテキストに変換する際には、表示されていないあふれている文字は消えてしまうので注意が必要とのことです。


1文字ずつ自由に動かせる文字タッチツールは、下位互換性もあるので安心

また、使い勝手の向上につながる新機能として、複数画像をまとめて配置できる機能も紹介されました。これは、InDesignと同様になったということです。

「パッケージ」により、配置画像や使用フォントを収集してまとめられるのも便利な新機能です。なお、パッケージはIllustrator CCからの新機能ですが、Creative Cloudの契約でダウンロードできるCS6にもこの機能は搭載されているという解説がありました。

■アップデートでどんどん機能強化されていくPhotoshop CC

Photoshopの旧バージョンの機能としては、おなじみの「コンテンツに応じて○○」やスマートフィルタなどが紹介されました。


コンテンツに応じた塗りつぶしで画像加工

Photoshop CCは、ネット経由でアップデートできる利便性を活かし、Web制作関連機能が徐々に充実してきています。

アップデートで採用された新機能の「画像アセット」の生成は、リアルタイムにレイヤーを個別の画像ファイルとして書き出せる機能です。これはWeb制作の際に便利な機能で、従来のスライス作業よりも簡単に素早く画像ファイルを作ることができます。

この機能を使うには、レイヤー名を「○○.png」のように拡張子付きにする必要があるのですが、これを簡単に行えるAdobe公式のプラグイン「Adobe Layer Namer」の紹介もありました。


Adobe Layer Namerでレイヤーへの拡張子やパラメータの指定が簡単に

また、2014年1月のアップデートで、スマートオブジェクトを埋め込まずにリンクとして配置できるようになりました。ファイルが軽くなる、元のスマートオブジェクトの変更が各ファイルにリアルタイムで適用されるなど、使い勝手の向上につながります。
リンクしたスマートオブジェクトを含むPSDファイルをIllustratorなどに配置した場合には、元のスマートオブジェクトの変更が反映されないというリスクがあることの解説もありました。

■処理速度が上がったInDesign CC

InDesign CCは、64ビットに対応して作業がよりスムーズにできるようになったことが、ポイントとなっています。

旧バージョンの機能のピックアップとしては、ルールを決めてスタイルを適用させる「正規表現スタイル」、リアルタイムでプリフライトを行う「ライブプリフライト」が紹介されました。

InDesign CCの新機能として、QRコードを生成する機能が紹介されました。この機能がIllustratorに欲しいという人もいると思いますが、InDesignで作ってコピーすればパスオブジェクトとしてIllustratorにペーストできるそうです。


InDesign CCではQRコードを生成できます

また、InDesignといえば電子書籍向けの機能も充実していますが、iPadなどのデバイスでの縦画面と横画面それぞれに対応するための「代替レイアウト」機能は、印刷物の複数サイズのバリエーション作成にも便利だという紹介もありました。

電子書籍に配置するコンテンツの話題として、簡単にアニメーションを作れるEdge Animatorの紹介も行われました。Edge Animatorは、Adobe Creative Cloudユーザーには無償で提供されています。


HTMLをベースとしたアニメーションが作れるEdge Animate

■絵を描くだけじゃなく便利なペンタブレットIntuos Pro

今回のデモンストレーションのほとんどは、ワコムのペンタブレットIntuos Proを使って行われました。

Intuos Proはマルチタッチ機能を搭載しており、トラックパッドのように操作を行えます。ワイヤレスで接続されているので、PCから離れてデモンストレーションをしているところが印象的でした。


描画もカーソルの移動もIntuos Proで操作可能

■展示コーナーではワコムの製品を紹介

株式会社ワコムの協力により、液晶ペンタブレットCintiq、ペンタブレットIntuos Pro、iPad用スタイラスペンCreative Stylusの展示とデモンストレーションも行われ、多くの来場者に立ち寄っていただきました。

また、TooではCintiqシリーズ、Intuosシリーズの無料貸し出しキャンペーンを行っております。詳しくは製品ページをご覧ください


ワコム製品のカタログとiPad用スタイラスペンCreative Stylus


液晶画面を直接ペンで操作できる、液晶ペンタブレットCintiq


セミナーの休憩時間や終了後に多くの来場者に立ち寄っていただきました

大勢のお客様にご来場いただき、ありがとうございました。

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