ビジネスでクラウドを導入する際に、少ないアカウント数で契約して、アカウントを複数人で利用することでコストを抑えたいという方がいらっしゃいます。たしかにクラウドサービス導入の際には、これまでかかっていなかった費用が発生することから、コストを抑えたいという気持ちは理解できますが、利用者分の契約をするようにしましょう。

アカウント共有の問題点

アカウントを複数人で利用することによる問題点を紹介します。

利用規約違反

そもそもの話になりますが、ビジネスでアカウントを複数人で利用することは、ほとんどのサービスで利用規約違反となります。利用規約を違反することで、利用しているサービスの制限を受けたり、サービス提供側から一方的に解約されたりということもあります。利用規約に記載がある場合がほとんどなので、ライセンスを複数人で利用することはNGです。

コンプライアンス・セキュリティ

もちろんコンプライアンスの面からも良くないことです。現在はコンプライアンスが非常に重視されていることから考えても、違反が発覚した時のダメージは大きくなります。以前はソフトウェアのコピーが横行して使われていた時代がありましたが、内部通報などで発覚し損害賠償など社会的制裁を受けた事例もあります。
また、ビジネス用のクラウドサービスはログやアクティビティを取得できるものが多くなっています。利便性の面からクラウドサービスの導入を決定する一方で、検討段階ではセキュリティ面を意識されている方も多くいらっしゃいます。
アカウントを複数人で利用する場合、どのアカウントによる操作なのかというログは取得することができます。しかし、アカウントと利用者が1対1で紐づいていないため、その操作を誰がしたものなのかという確認まではできません。
導入したサービスがせっかく要件を満たすセキュリティレベルを有していたとしても、正しい使い方をしないとセキュリティ面で片手落ちとなってしまいます。

パスワード漏洩・データ持ち逃げ

アカウントを複数人で利用することはつまり、パスワードを共有していることに他なりません。これは退職者が出た時が一番のリスクにつながります。クラウドサービスはメールアドレスとパスワードをセットにしてログインできるようになっているものがほとんどです。退職者がメールアドレスとパスワードを知っていることになりますので、パスワードの漏洩や、データを持ち逃げされてしまうという可能性が高まります。前述のとおり、どのアカウントでデータをダウンロードしたかまでは判明しますが、それが誰なのかは不明ですし、システム的にダウンロードを止めることはできません。
どのアカウントに誰がアクセス可能な状態なのかという、不要な管理まで必要になります。

初期導入コストを抑えるコツ

これまでかかっていなかったコストが発生するため、費用を抑えたいということであれば、アカウントを複数人で共有するのではなく、まずは導入効果が見込まれる部門やチーム単位で利用する人数分を導入しましょう。部門やチーム単位で導入したほうが、期待した効果が発揮されているかなどの正しい効果測定がしやすくなります。その上で、効果があると判断されてから契約人数を増やしていくようにしましょう。

2020年のオリンピックや柔軟な働き方、労働力の確保などへの対策に、クラウドサービスは避けては通れないソリューションとなってきています。正しく利用すれば、期待通りかそれ以上の効果を発揮することもあるでしょう。一方で不正な利用をすると、期待した効果が現れなかったり、余計なリスクが生じてしまう懸念もあります。
クラウドサービスの導入は、アカウントを複数人で利用することによる危険性、きちんと利用人数分を契約すれば導入効果が大きくなる点などをよく考慮してご検討ください。


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