プロジェクトは、複数の人員でチームとして取り組むのが一般的です。そこではメンバーはもちろん、進捗、コスト、納期などさまざまな管理が必要となります。ビジネスにおいては、複雑化・複数化するプロジェクトをいかに効率的かつ正確に管理するかが重要です。今回は、プロジェクト管理のポイントとともに、便利なITツールをご紹介します。

プロジェクト管理のポイント

まずはプロジェクトを管理するうえで押さえておくべきポイントをご紹介します。

工程の細分化

ひとつのプロジェクトにはいくつかの作業があり、プロジェクトリーダーはそのすべての作業工程を管理する必要があります。管理工程を作るためには、まずひとつひとつの作業を可能な限り細分化し、各作業に対してタスクを設定します。そして、各タスクの完了もしくは未完了を明確にすることで残りの作業を把握します。

進捗会議の定例化

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの進捗を常に把握しておかなければなりません。また、プロジェクトメンバーも業務の進み具合を把握しておく必要があります。そのためには、短時間であってもメンバー全員が集まる進捗会議を定期的に開きましょう。進捗状況は、口頭だけの説明ではメンバー間の共有が難しいので、工程を図式化した資料を使うなどして工夫すると、作業工程の確認や情報の追加更新が円滑に行えるようになります。

予算管理の徹底

プロジェクトは、無事に完了させることがひとつの大きな目標ですが、予算を大幅にオーバーしては成功とは言い難くなります。そこで、プロジェクトを立ち上げた際に決めた予算と、プロジェクトを進めるなかで実際にかかった費用に大きな差異が出ないように注意しなければなりません。当初の計画よりも大幅にコストが増えないように、無駄な費用は極力カットし、日々の予算管理を徹底することが大切です。

工程管理

工程の細分化により、明確になった各作業を管理しておく必要があります。プロジェクトを立ち上げた際に、どの作業をいつまでに実施し、どの順番で処理していくか作業計画を立てておけば、期限内に完了できるのか目星をつけることができます。そして日々の作業実績と最初に立てた作業計画にずれがないか確認しましょう。もし作業が遅れている場合には、余裕のある作業から問題となっている作業へ人員移動させるといった処置を取ることもできるでしょう。

タスク管理

ここでいうタスクとは比較的短期間で完了できる業務を指します。例えば、日々の細かい作業や契約書の作成、不具合の修正などプロジェクトが進捗していくなかで発生する作業です。このような作業は作業計画の中に盛り込むことは難しく、日々の作業の中でリストアップしていくものです。リストアップもれにより処置できなかった場合、大きなトラブルの原因となることもあるので、管理を徹底しましょう。

チームメンバーの管理

プロジェクトは、複数人のチームで進めることが一般的です。そのため、チームメンバー間の協調性も重要になります。メンバーに誰がいるかを把握するのはもちろん、性格や能力も把握しておきましょう。作業を指示する際に役に立つはずです。また、誰かに作業が集中しないよう進捗会議で確認しあい、メンバー同士で業務量を調整することが大切です。

プロジェクト管理における代表的失敗例

プロジェクト管理における失敗例をご紹介します。

プロジェクト計画が不十分

プロジェクトを立ち上げた際、作業計画が不十分であるがために失敗する例が多々あります。十分な作業計画を作るためには多大な労力がかかります。日々の業務のなかで新しいプロジェクトの作業計画を作るのが難しくとも、しっかりした作業計画がなければ、期限に向けてプロジェクト内の各作業をどのように進めればいいか、そもそも期限内にプロジェクトを完了できるのかも分かりません。プロジェクトを円滑に進めるためには、時間をかけてしっかしたプロジェクト計画を作る必要があります。

関係者の協力が得られない

プロジェクトによっては、顧客や外部スタッフなど多くの関係者の協力が必要なものもあります。顧客が関わるプロジェクトの場合、プロジェクトを完了させるためには顧客からのニーズを把握しなければいけません。顧客との信頼関係が成り立っていないばかりに、ニーズがうまくヒアリングできない、または無理な依頼を押し付けられるなど非協力的な対応を取られることがあります。一方、社内においてもチーム内外の関係者から協力を得られなければ、プロジェクトの円滑な進捗は難しいでしょう。プロジェクトは作業だけをすればいいというものではありません。日頃から関係者との信頼関係構築に努めましょう。

タスク管理を実施していない

プロジェクトを進めると、日々の作業のなかでトラブルが起きます。タスク管理をしっかり行っておけば、トラブルも早期に発見でき、大問題となる前に処置することができます。行うべきタスクの期日管理なども、メンバー間で情報共有し合って進める必要があります。日々の作業に忙殺されてタスク管理を怠ると、トラブルに気付きにくくなり、対処できない状態にまで放置されてしまう場合もあります。プロジェクト全体の精度を高めるためにも、タスク管理はしっかり行いましょう。

メンバー間のコミュニケーション不足

チーム内のコミュニケーション不足によるトラブルもあります。進捗を共有しない、トラブルを抱えても報告しないなどのコミュニケーション不足によって、プロジェクトに支障が出るケースがあります。複数人で進めるプロジェクトは、お互いに綿密な連携を取ることが大切です。

プロジェクト管理に役立つ便利なツール

最後にプロジェクト管理に使えるツールを4つご紹介します。

AdFlow

ウェブサイトのランディングページやバナー広告等のクリエイティブ制作に特化したツールで、作業の流れを「見える化」および「共有化」することで、制作進行管理を効率化できます。進行管理に関わるディレクション業務の効率化を図ることで、「働き方改革」推進にも役立ちます。制作物を資産として管理し、組織内で共有するための機能もあります。

SHOTGUN

映像・CG・アニメ制作、ゲーム開発などのエンターテインメント業界で多くの導入実績があります。プロジェクトにおける人員の配置やスケジューリング機能、ショットやアセットに対する追跡機能などが装備されています。また管理者だけでなく、作業者や開発者など各役割に適したさまざまな機能が利用できます。

Wrike

使用者によってダッシュボードのカスタマイズができ、プロジェクト全体や作業の優先順位などを可視化することで効率的なプロジェクト管理を可能にします。Adobe Creative Cloudとの連携、人材リソース管理、それぞれのタスクに費やした時間のトラッキングなど、充実した機能を持っています。

Brushup

煩雑になりがちなデザイン制作物のフィードバックを効率化するツールです。イラストや動画、写真などに手描きやコメントによるフィードバックが行えます。やり取りしたフィードバックやファイルの履歴はツール上に残され、いつでも簡単に確認ができます。ビジネスチャットツールとのクラウド連携も可能です。

プロジェクト管理にはITツールがおすすめ

プロジェクト管理はビジネスを成功に導くうえで非常に重要です。複数のタスクやプロジェクトを同時進行で処理しなくてはいけない現代のビジネスシーンにおいて、ITツールを活用することは、業務の効率化を図るうえで効果的です。今回ご紹介したポイントやツールを駆使して、プロジェクト管理を行ってみてはいかがでしょうか。


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