自動化プラグイン開発サービス導入事例 株式会社ビーアンドピー

インクジェットの大判出力に必要な分割作業時間を最大90%削減。Adobe Illustratorのスクリプト開発によって最適なワークフローを構築

株式会社ビーアンドピー様は、インクジェットプリントサービスを提供する会社です。近年はインクジェット以外にも領域を広げながら、販促支援を中心としたさまざまなサービスを提供しています。
今回、インクジェットの大判出力データ作成の効率化を目的に、Tooの「自動化プラグイン開発サービス」を採用され、Adobe Illustrator用のスクリプトを開発しました。導入経緯や効果を、執行役員 全社生産統括の中村祐輔様、横浜ファクトリー制作課長の佐藤大介様に伺いました。

導入経緯

導入後のイメージが具体的に湧き、すぐに使えそうだと感じた

当社ではスマートファクトリー化を推進するというコンセプトのもと、業務効率を上げることで、デジタルサイネージやARなど新しい分野へ人材を創出する取り組みを進めています。その一環として、自動化できる工程を見直すなかでスクリプト開発に注目し、現場にヒアリングしながら検討を進めていました。一方Tooさんからは、仕事の流れを一通り確認したうえで省力化に向けた提案があり、その中にスクリプト開発の内容が含まれていました。

自動化の選択肢としては、ソフトウェアの導入や、すでに導入している他社製の自動化ツールの活用などがありました。しかし、当社はオペレーターが多く拠点も複数あるため、1台のPCで順番に処理する自動化ツールでは、誰かが使っている間はほかの人の待ち時間が発生してしまいます。複数拠点で使うには機器を増設する必要があり、コスト面も課題でした。また、当社で扱うデータは容量が重く、サーバーやクラウドを介するとアップロードやダウンロードに時間がかかります。そのため、各自の端末で分散して実行できるスクリプトの方が、当社の体制に適していると判断しました。

社内では以前から簡易的なスクリプトを自作して使っていましたが、詳しい担当者がいなくなると維持が難しくなります。本格的な業務効率化には、属人化を避け、安定して運用できる仕組みとして、より高度なスクリプト開発を外注する必要があると考えました。そこで第一弾として、インクジェットの大判出力に必要な分割作業を効率化するために、Illustrator用のスクリプト開発プロジェクトが始まりました。発注の決め手となったのは、実際に動くイメージをデモや動画で提案していただけたことです。導入後のイメージが具体的に湧き、すぐに使えそうだと感じたことで、安心して開発を依頼できました。

プリント用データとカット用データを一括で生成

インクジェットプリンターの大判出力で、お客様から「2分割や3分割で出力してほしい」と指示があったときに、プリント用データを作る段階でこのスクリプトを使います。プリンターの出力サイズより大きいものを作るために、分割して出力するケースもあります。

何分割にするか、どこで分割するかは営業とお客様の打ち合わせで決まり、顔が切れないようにするなどデザイン上の配慮もその場で決めます。制作部門は、決められた仕様に沿ってデータを処理します。分割方法は案件ごとに異なるため、さまざまなパターンに対応して分割できるように開発してもらいました。

あわせて、加工機が読み取るためのカットラインやマーク類も描画できるようにしており、プリント用データと後加工用データを一括で生成できるのが特徴です。分割後のイメージ画像も作れるので、確認用にお客様に提出するのにも重宝しています。

Adobe Illustrator上でスクリプトを動かしている様子。データが自動で分割されます。

導入効果

20分かかっていた分割処理作業が2分で完了

導入後の効果としてまず挙げられるのは、作業時間の短縮です。これまで、分割数にもよりますが大体20分ほどかかっていた作業が、約2分で完了するようになりました。加えて、手作業による操作ミスがなくなったのもメリットです。分割の仕様が決まっていれば新人や若手オペレーターでも処理しやすくなり、経験に依存する部分が減った効果も大きいです。

データ作成にかかる延べ時間は確実に減っており、浮いた時間をほかのスキルの習得に使えるようになりました。当社は多能工化を進めており、データを作る人もプリントや加工を覚え、加工中心だった人もデータ制作に携わるなど、一人で複数の工程を担える体制を目指しています。近年は提案する商材も増えており、短納期や24時間体制での対応が求められるなか、スクリプトによる効率化はこうした取り組みを支える基盤になっています。

現場からは「早くなった」「同時にたくさんの処理が進められる」といった声があがっており、効果を実感したことで「ここも自動化できるのでは」といった次の要望も出てきています。時間短縮により空いた時間を学びや他工程の習得に回し、提案内容や対応できる範囲を広げていくことに力を入れていきたいです。

実際に分割して出力されたポスター。

サイン業界の事情を理解していただいているありがたさ

Tooさんに依頼して良かった点は、まず対応の速さです。導入直後にエラーが発生したときにも、メールや電話で問い合わせるとすぐにレスポンスがありました。アドビのソフトについて、開発いただいたスクリプトの範囲を超えた質問にも答えていただくなど、何でも聞きやすいと感じています。

また、豊富な経験と実績に基づいた知見を共有していただけること、サイン業界というややマニアックな分野の事情を理解していただいたうえで話し合えることがありがたいです。リスクがありそうな開発に関して的確な意見をもらえるのも心強く、現実的な提案をいただけるので、話が早く進むと感じています。

自動化には引き続き取り組んでいきたいと考えており、データの保存や処理についてなど、日々の業務に役立つ提案をいただいています。当社がまだ気づいていないサービスや、世の中の自動化・DXの動きを教えていただけることに期待しています。新しいツールや機能の提案も歓迎していますし、これからも一緒に効率化を進めていきたいと考えています。

株式会社ビーアンドピー

インクジェットプリント事業からスタートし、販促分野、生活資材分野とチャネルを拡大しています。現在は、リアルとデジタルの融合を目指したデジタルサイネージソリューションのほか、ARを活用した付加価値サービスの提供、グッズ制作事業を通じたIPコンテンツやエンタメ業界へのシェア拡大を目指しています。
住所(横浜ファクトリー):〒221-0022 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目9 4号棟
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