HTC VIVE Mars CamTrack導入事例 デジタルハリウッド大学

バーチャルプロダクションを教育現場に実装。HTC VIVE Mars CamTrackならではの手軽さ・精度・コストで叶える実践的な環境

デジタルハリウッド大学様は、デジタルコミュニケーションを軸に、新たな創造に挑戦する学びと実践の場を提供されています。今回は映像関連の授業で活用する、カメラトラッキングシステム HTC VIVE Mars CamTrack(以下、Mars)を導入されました。導入の経緯や効果を、産学官連携センターの沖昇様に伺いました。

導入経緯

社会に出てすぐに活躍できる人材を育成

本校ではテクノロジーカルチャーの推進を重視しています。学生は自分の興味・関心に応じて、ゲームやグラフィックス、プログラミング、マーケティングなど、多様な領域を横断的に学びながら4年間を過ごします。近年では生成AIを活用した授業や、制作物を守るためにセキュリティ教育も取り入れ、社会の変化に即した授業を展開しています。

私は主に大学院で、授業運営やシラバスの策定をおこなうほか、産学官連携センターで教員や学内組織、企業・行政との連携を推進しています。その一環として、新しい技術や機材の情報をいち早く把握し、教育への導入検討もおこなっています。

授業で実験的に活用しやすいVIVE Marsの導入を決定

今回のバーチャルプロダクションスタジオの構築は、映像制作分野において時代を先取りできる環境を整えたいという思いから始まりました。放送機器展でTooブースのMarsを見つけたことが、導入を後押ししました。

本校ではもともと、モーションキャプチャー用光学式センサーシステムを所有していましたが、常設環境であっても機材を少し動かしただけでもキャリブレーションによる入念な調整が必要となり、授業での運用にハードルがありました。その点Marsは、任意の場所に基準値を再設定できるため、短時間でセットアップが可能です。

精度の面では光学式モーションキャプチャーの方が優れており、指先や表情などのミリ単位の細かな動きを捉えることができます。一方で、バーチャルプロダクションの授業ではMarsのカメラトラッキングで数ミリ程度のズレが生じても大きな影響はないため、本校の用途としては十分だと判断しました。

さらに、価格でも大きな優位性がありました。Marsを中心にカメラやLEDウォール、照明機材を一式揃えても、他社システムと比較して桁が一つ変わるほど大幅にコストを抑えることができました。「手軽さ」「精度」「コスト」が本校の要件に合致していたことから、導入を決定しました。

導入効果

すぐに撮影できる環境によって学生の試行錯誤の機会を増やす

導入の際には、TooからMarsやカメラ類を導入し、LEDウォールは本校に適したパートナー企業として、株式会社テルミックを紹介してもらいました。3社間でSlackを活用し、納品まで非常にスムーズに進みました。

授業での活用はこれからですが、すでにメリットを感じています。セットアップに関しては、従来の方式ではカメラトラッキングの調整に1〜2時間かかるため、撮影を始める前に授業が終わってしまいます。Marsなら10分ほどで準備が完了し、すぐに撮影に入れるため、残りの時間を照明の調整などに充てることができます。

さらに、本スタジオはオフィスビル内にあり、天井高が2.75mという制限があります。Marsは最小、赤外線センサー2台とトラッカー1個があれば動作するため、限られたスペースでも設置が可能でした。

撮影時のメリットも大きく、同じ条件を何度も再現できるため効率的です。例えば夕景のシーンを撮影する場合、毎日ロケに出る必要がなくなり授業で気軽に試行錯誤できます。

プロの現場で通用する力を育むためLEDウォールを採用

導入の際に、LEDウォールとグリーンバックどちらが適しているか検討しました。グリーンバックはコストが低く導入がしやすい点、そしてVFXとの親和性の高さが特徴です。また、リアルタイム合成ソフトのAximmetryや、Mars Novaによって、リアルタイムにマスクをかけ、グリーンバック外の演出も可能です。

一方でLEDウォールは、背景をリアルタイムで表示できるため撮影段階で完成系に近い映像を撮ることができる点、LEDの光が被写体に自然に当たるため合成感が出にくい点、プロの制作現場で使われている機材に学生時代から触れることができる点が魅力でした。それぞれのメリットを踏まえて、本校ではLEDウォールの導入を決めました。

導入プロセスそのものを学びに。学生主体で進めるプロジェクト

今回の導入は、学生チーム主体のプロジェクトとして進めました。学校が学生チームに対価を支払う形で、スケジュールや予算を考慮した企画立案、導入プロセスやノウハウの記録、最終的な納品まで責任を持って取り組んでもらいました。

現在は主に、プロジェクトメンバーの学生中心にバーチャルプロダクションを活用しています。バーチャルプロダクションを活用するには、カメラや照明、Unreal Engineの知識に加えて企画を立てる力など、総合的なスキルが求められます。そのため、チームで動く映像制作の現場で必要な力を身につける場にしたいと考えました。その結果、非常にユニークな作品も生まれています。例えば、Unreal Engineから配布されている国際宇宙ステーションのアセットを活用し、無重力空間を表現した学生もいました。

授業での活用は2026年度を予定しています。新入生はまず機材に触れて基礎理解を深め、最終的にはショートフィルムを制作する予定です。また、今回のプロジェクトで経験を積んだ学生チームをTAとして授業に配置したいと考えています。現在Marsを活用できる学生は限られていますが、バーチャルプロダクションに触れる学生が増えていくことで、ツールとして当たり前に使える環境を目指したいです。

これから

ワンストップの支援で導入を実現。社会で即戦力として活躍する人材を育てる

Tooとは長く付き合いがあり、サポートの手厚さに大きな信頼を寄せています。技術的な知識だけでなく、本校の意図を汲み取り迅速な対応をしてもらいました。

導入後にはトレーニングも実施し、運用上のポイントや注意点を学ぶことができました。ワンストップで環境を構築できたことも含め、Tooでなければバーチャルプロダクションの導入はできなかったと思います。

今後は学生が自由に活用できる環境をさらに整え、産業界との連携も進めたいです。業界のニーズをきちんと把握し、クリエイティブな学生を育られる実践的な人材育成につなげていきたいと考えています。

デジタルハリウッド大学

デジタル領域における多様な知識・スキル・マインドを身につけることにより、未来生活に新しい価値をもたらすことを目指します。不確実で複雑な21世紀の社会を自分らしく生き抜く力を育み、4年間で一人ひとりの可能性を追求します。
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※記載の内容は2026年5月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。
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