【レポート】「Adobe MAX 2022」3年ぶりのリアル開催!ロサンゼルス会場での体験レポート

米国時間2022年10月18-20日、「Adobe MAX 2022」がアメリカのロサンゼルスで開催されました。今回はロサンゼルスの会場に参加したTooメンバーが実際に体験したイベントの様子をレポートします。

この記事は2022年11月30日現在の内容です。

目次

  1. Adobe MAXとは
  2. Keynote(基調講演)
  3. Session・出展企業
  4. Sneaks
  5. 関連セミナー情報

1.Adobe MAXとは

Adobe MAXはアドビが毎年世界規模で主催するクリエイティブカンファレンスです。アドビのさまざまなクリエイティブツールの最新情報や未来のアップデートについて語られるKeynoteが開催されるほか、実用的なテクニックを解説するセッションが多数行われます。今年はロサンゼルスのコンベンションセンターでリアル開催となり、同時にオンラインでも全世界から無料で参加することができました。現地では3年ぶりの開催ということもあり、参加者の規模はこれまでの三分の一と少なかったものの、イベント前日から会場周辺では世界各国から到着した参加者が楽しみにしている様子を感じることができました。広い会場内では、隣の席に座る人同士で情報交換をしている様子も多く見られました。

Adobe MAXが開催された会場 左:Convention Center外観、中央:Microsoft Theater、右:Convention Center入口

2-1. Keynote(基調講演)

初日はアドビ製品の最新機能、活用方法を紹介するKeynote(基調講演)に多くの参加者が参加しました。イベント冒頭には、最高製品責任者であるScatt Belsky(スコット・ベルスキー)氏が登壇し、3つのテーマとして「精度とスーパーパワー」「スピードと手軽さ」「コラボレーションによるクリエイティブワーク」が掲げられることを発表しました。テーマに沿って紹介された最新の製品や機能の中で、参加者のリアクションが良かったトピックをご紹介します。

精度とスーパーパワー

アプリケーションに新しい精度とスーパーパワーを追加し、アドビの人工知能「Adobe Sensei」を活用して3Dや没入型体験といった、新しいメディアでの制作を支援するテクノロジーを発表しました。

Illustrator「クロスと重なり」

テキストやイラストが複雑に重なり合うデザインの作成をした時に、特定の部分を自由に織り混ぜるができる「クロスと重なり」という機能です。ステージ上では複数のオブジェクトの重なりを部分的且つ容易に編集できることが解説されました。普段このような編集を行っていた人はかなり驚いたのではないでしょうか。会場では驚きの声と拍手が沸き上がりました。

スピードと手軽さ

クリエイティブなプロジェクトをできるだけ速く、簡単に作りたい人のために、革新的なAdobe Expressの機能を発表しました。

コンテンツの予約投稿機能

ビジネスでSNSを利用する人は今までTwitterやInstagramなど、アプリケーションごとに投稿する素材のサイズを変更し、決まった時間に1つずつ投稿をしていたかもしれません。Adobe Expressなら投稿スケジュールの予約やプレビューの確認など、SNSコンテンツに関連することを1か所に集約して行うことができます。

レコメンデーション機能

フォントやカラー、テーマなどに悩んでいる時に、編集しているプロジェクトから類似したものを提案してくれます。

左:予約投稿機能の紹介、右:レコメンデーション機能

コラボレーションによるクリエイティブワーク

コラボレーションによるクリエイティブワークをシームレスかつ効率的に実現する新しいツールやサービスを開始しました。

Frame.ioをAdobe Premiere Proと直接統合することにより、動画フレームを指定して付けられたコメントをアプリの切り替えなしで取得ことができ、素早く修正することが可能になりました。

コラボレーション機能の紹介のようす

2-2.Inspiration Keynote

著名なスピーカーが、自身のモチベーションを維持するための秘訣を共有するコーナーでは5名が登壇しました。その中でも最も歓声が大きかったのはDJ兼EDMプロデューサーであるSteve Aoki(スティーブ・アオキ)氏が登場した時でした。講演中に印象的だったのは「目の前で起きていることに対して、行動を移さなければいけない」という彼の言葉です。Steve氏はこれまで様々なアーティストとコラボレーションをしてきました。音楽は文化的なインパクトを与えるための手段だと言います。彼は常に好奇心旺盛で、人と繋がりながら仕事を楽しむことや挑戦することを続けたいと語りました。目標は長生きをすること。子供の頃に事故で脳に怪我をした経験があることをきっかけに、日々を大切に生きたいと思うようになったそうです。人生は本当に短いので、長生きする為に毎日積極的に行動することが大事、そのために僕は異なるジャンルの人とコラボレーションをするのだと言います。彼は将来Elon Musk(イーロン・マスク)氏と仕事がしたいと会場で宣言し、参加者は彼の夢の実現に向けて拍手を送りました。生きているうちに様々なことに挑戦したいという熱い思いが、会場の人たちの心に強く響きました。

Steve Aoki氏登壇の様子

Session・出展企業

2日間のSessionでは、オンラインを含め300以上の講演に希望で参加することができます。私が参加したいくつかのセッションでは、どの講演も参加者の約7割がデザイナーやクリエイターといった印象でした。

Adobe Expressを使用しながらビジネス目標の達成につながるようなコンテンツ戦略を考える講義では、アドビ製品のプロフェッショナルからは、ターゲットにしたい人に向けて作成したコンテンツをどうすれば多く閲覧してもらえるか、また戦略を形にするためにどういったツールを使用すればいいのかを教えていただきました。実際に周りの参加者とどのようにコンテンツを作成し、知名度を高めているかなどディスカッションをする時間もありました。

クリエイティブ業界で活躍するための秘訣を有名なインフルエンサーから学ぶ場として、ストップモーションアーティストの第一人者であるColette Peri氏から自身の体験や魅力的なソーシャルメディアコンテンツの作成方法などを紹介してもらうセッションにも参加してみました。静止している物オブジェクトに命を吹き込み、見る人が思わず手を止めてしまう彼女の作品の秘訣に参加者の多くが食い入るように話を聞いていました。ストップモーションコンテンツの作成にはかなりの時間がかかると思いますが、動くことで雰囲気やイメージがつきやすくなることをこの時間を通して学ぶことができました。
Colette Peri氏 Webサイト:https://coletteperi.com/

左:Adobe Express 講義の様子、右:ストップモーションコンテンツ 講義の様子

出展ブースはデザインに関する製品が多く並び、参加者全員がとても楽しんでいました。クリエイティブな体験ができるブースに注目が集まり、企業説明よりノベルティを利用して参加者とコミュニケーションをとる企業もありました。ある企業では、参加者が撮影した写真や作成したデザインをその場で企業ロゴ入りのトートバッグやTシャツなどに印刷することができるブースを設置し、人を多く集めていました。またアドビブースではKeynoteで紹介されたアプリの最新機能や新製品のデモンストレーションを体験することができました。

左上:会場の休憩スペース(Creative Park)、右上:Illustrator新機能体験、左下:3D新機能紹介、右下:出展企業会場の様子

Adobe MAXの会場の入り口には誰でも自由に絵や文字を描ける壁が設置されています。Adobe MAXがリアル開催になったことを喜ぶメッセージを書く人や絵を描く人、自身のSNSの宣伝をする人がいて参加者のクリエイティブな考えを感じることができる場所でした。

Adobe MAX入り口の自由に描ける壁

Sneaks

アドビの研究部門「Adobe Research」で生まれたAI機能のいくつかをエンジニアが発表する毎年恒例の人気イベントです。アドビ製品の今後のバージョンに追加される可能性がある未来のテクノロジーが紹介されました。今年は俳優でコメディアンであるKevin Hart(ケヴィン・ハート)氏が司会を務め、参加者と共にお酒を片手に楽しく進行してくれました。今回は10種類のプロジェクトの発表がありましたが、その中でも、反響が大きかった3つをご紹介します。

#ProjectVectorEdge

立体を認識して、角にベクターを貼ることができます。簡単にリプレイスもでき、チューブ状のものにも貼れるそうです。ステージでは箱にベクターのシールを貼り付け、移動させる様子を紹介しました。

#ProjectAllofMe

写真の人物から衣類やアクセサリーを自由に編集ができる機能です。鞄をかけた女性の写真をAIが分析し、スカートの丈や柄の変更、鞄の削除など、思い通りに着せ替えができる技術が発表されました。

#ProjectMotionMix

今回最も会場が盛り上がったプロジェクト。人物の画像とダンスのモーションを指定すると、ダンス動画になる機能です。ステージでは背景を変更し、別の写真の人物をアップロードして一緒に同じダンスを踊る様子が紹介されました。

これらの機能が将来簡単に利用できるかもしれません。今後の発表が楽しみですね。

5. 関連セミナー情報

今回「Adobe MAX 2022」で発表されたAdobe Creative Cloud2023の最新機能・新情報について深掘りするウェビナーを2022年12月8日(木)に開催します。当日は2時間リアルタイムですので、視聴中にご質問をいただいた際はその場で回答します。ぜひご参加ください。

「Adobe Creative Cloud 2023最新機能を深掘り!&CC2022機能おさらいウェビナー」
https://www.too.com/event/2022/adobecc2212/

今回のブログでは、Adobe MAX2022についてご紹介しました。アドビ製品についてお困りのことがございましたら、アドビ取り扱い30年以上・経験豊富なスタッフの多いTooにご相談ください。 Tooはアドビ正規販売代理店 最上位のプラチナリセラーです。

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ありがとうございました。

今後も最新情報やTIPSなど配信していきますので、ぜひご覧ください!

記事は2022年11月30日現在の内容です。

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