
皆さんこんにちは!
株式会社Tooのアドビスクール「Desi(デジ)」講師です。
2025年10月29日、Adobe Creative Cloud 2026が発表され、Illustrator(イラストレーター)の2026(ver 30.0)がリリースされました。「何が変わったの?」「どう活用できるの?」という方のために、Illustrator 2026のアップデート情報をアドビスクールの講師目線で解説していきます!
◆ライブラリ機能の追加
文字パネル内に「ライブラリ」セクションが新設され、個別フォントを任意のグループへ登録・整理できるようになりました。特にお気に入りフォントをまとめて管理したり、制作プロジェクトごとにフォントセットを保存しておけるため、繰り返し使うフォントの検索時間を大幅に削減できます。

<使用方法>
よく使用するフォントを「お気に入り用のライブラリ」としてまとめておくと制作の度にフォントを探す手間を省くことができます。また、クライアントごと・案件ごとにフォントセットを作成すれば、毎回の制作がスムーズに。フォントのライブラリはCCライブラリと連携しているため、他のアドビアプリケーションでも利用可能な点もポイントです!
◆フィルター機能の強化
フィルター機能もアップデートされました。フォントのタブ上部に「ローカルフォントを表示」「ドキュメント内のフォントを表示」のフィルターボタンが追加されています。また、フィルターを開くと「言語および文字体系」や「フォント技術」でのフィルタリングも可能です。

現在開いているドキュメントで使用しているフォントを素早く確認できるのは便利ですね。「言語および文字体系」は「日本語」を選択すれば和文フォントのみ表示させることもできます。
また、Adobe Fontsのフォントを探す際は「もっと探す」を使用しましょう。ここでは「スタイルを探索」「人気のフォント」「新規リリース」のカテゴリでフォントを探せます。

Adobe FontsのWeb版でおこなっていたフォントの検索や絞り込みを、Illustratorの「文字」パネル上でスムーズにおこなうことができます!
◆アートボード名の表示
アートボードの左上にアートボード名が表示され、選択ツールやアートボードツールなどでアートボード名をダブルクリックすると名前を変更できます。これまではアートボードツールを選択した際やアートボードパネルで確認していましたが、デフォルトで表示されるようになったのは便利です。

◆アートボードの背景色の設定
アートボードツールでアートボードを選択し、プロパティパネルの「カラー」から任意のカラーを指定すると背景色が設定可能になりました。新規ドキュメント作成時にも設定可能です。

現時点ではPDFやJPEG形式で書き出した際は背景色が適用されますが、PNG形式では破棄される点に注意が必要です。
他にも
・アートボードのロック
・個別のアートボードの書き出し
などができるようになっています。これらはアートボードツール使用時にアートボード上で右クリックするとメニューが表示されます。

◆プリセットの追加
グラデーションパネルの上部にテーマ別にカテゴライズされたプリセットが追加されました。イメージに近いグラデーションをプリセットから選び、調整して使う流れが主流になりそうです。

◆方式 / ディザの追加
グラデーションの表現方法として「方式」や「ディザ」が追加され、より滑らかな色の移り変わりを表現可能になりました。「方式:クラシック」は従来方式、「方式:知覚的」はより自然な色のグラデーションになります。ディザを使用することで境目が自然になり、色ムラが目立たなくなります。

直線ツールやペンツールで線を描画する際に「垂線」「正接」のガイドが表示されるようになりました。

これまでは見た目では曲線と直線が接しているように見えていても、拡大するとズレている...なんていうことがありました。「正接」のガイドのおかげで正確かつ素早い編集ができます。
アドビの生成AIである Adobe Firefly についてもアップデートがあります。以下3つをご紹介します。
◆生成履歴からファイルを開く/配置が可能に
ファイルを開く際や、画像を配置する際に「生成履歴」からAdobe Firefly web版で生成した画像を選択できるようになりました。ファイルを開く際はホーム画面から、画像を配置する際は「ファイル」メニュー>「配置」>「アドビクラウドから配置」を選択し、「生成履歴」を開きます。ここから配置したものは埋め込み配置となります。

◆イメージモデルの選択
「ベクターを生成」時に「Firefly Vector 3 / Firefly Vector 4」でイメージモデルの切り替えができるようになりました。同じプロンプトを使用し、それぞれのイメージモデルで生成したオブジェクトを見ると、「Firefly Vector 4」の方がクオリティが上がっていると感じます。

◆生成AI機能の集約
Illustratorで使える生成AI機能がツールバー下部や「オブジェクト」メニュー>「生成」に集約されました。生成クレジットが必要な機能もあるため注意が必要です。

◆カラーピッカーでサンプリングリングが表示
カラー選択時に、リングが「現在の色」と「スポイト位置の色」を比較表示してくれるようになりました。
◆プロジェクト機能の追加
Illustrator・Photoshop・Adobe Expressなどのファイルをまとめて一元管理できる「プロジェクト」機能が追加されました。チームで作業する際に便利です。

Illustrator 2026(Ver 30.0)はフォント整理、グラデーション表現、アートボード管理、生成AI連携など多方面での機能拡充を果たし、制作効率や表現の幅を大きく広げるアップデートとなりました。
株式会社Tooのアドビスクール「Desi」では、こうした最新アップデートを実務に落とし込んで学べる企業向けセミナーを承っています。お気軽にご相談ください。
また、その他アプリケーションの最新機能の記事も随時更新していきます!
▶︎InDesign(インデザイン)の最新機能はこちら
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法人版限定のディスカウントもあります。
ありがとうございました。
今後も最新情報やTIPSなど配信していきますので、ぜひご覧ください!
記事は2025年11月21日現在の内容です。