
ADKクリエイティブ・ワン様では、Jamf Proを導入し、社内の端末の約半数にあたるMac 380台を数人のスタッフで管理しています。管理をされているITソリューションルームの皆様にお話をお伺いしました。
新導入のきっかけ
大海氏
もともと、社内にたくさんあるMacの管理手法を探していました。我々のITソリューションルームではチーム・スクラムという体制をとっていて、毎朝、情報交換のためにミーティングをするのですが、その中で『Casper Suite(現在Jamf Pro)とかいうものがあるらしい』という情報が出てきました。調べてみると海外の有名企業で数千台の端末管理に使われているようで、確かにたくさんのMacを導入している会社では、何か管理ツールを使っているはずだよなと。そこからすぐ導入検討に至りました。
山川氏
導入前まではApple Remote Desktopを使って、キッティングからリモートサポートまで行っていましたが、漏れやばらつきがあり『完璧』とは言えない状況でした。手動で『完璧』にするため、日々対応に追われていました。
大海氏
セキュリティパッチを適用するために、毎日クリックし続ける。それではキャリアも積めないし、仕事もつまらない。そういう時間は自動化してなくしていきたいと思っていました。
Jamf Pro導入後に、機能として便利さを実感されたのはどういった点でしょうか。
大海氏
セキュリティに関する運用ルールがあっても、あくまでもルールなので、実際に守られているかどうかがわかりません。そのエビデンスが手に入るようになった点は大きいと思います。Jamf Proを導入してすぐ、身近な端末もルールから外れている点があるとわかったことは衝撃でした。
稲垣氏
キッティングの面で大きな効果が感じられます。AppleのDevice Enrollment Program(DEP)とVolume Purchase Program(VPP)との組み合わせで信じられないほど楽になりました。箱を開封せずにユーザーに渡すところまではしていませんが、7~8割の作業を自動化できたことで、圧倒的に手間が減っています。
山川氏
Apple Remote Desktopを使ったリモートサポートに比べて、安定性でも信頼が置けるようになりました。Jamf Remoteを使えば確実に繋がるので、安心してリモートサポートをできるようになりました。
大海氏
ルールをあまりガチガチにしたくないこともあり、社内は自由度が高い方だと思います。Jamf Proは柔軟な設定が可能なので、管理側は完全に管理できるようになったにもかかわらず、ユーザーの利便性が阻害されることはなく、導入に気がつかないほどではないでしょうか。さらに社外に持ち出されたMacもコントロールできる点が良いです。かつては社内LANの中だけの管理でよかった。それはもう無理な時代です。遠隔地であっても管理できているのは大きい利点です。
ITソリューションルームのオフィス。クリエイティブの最前線を支える管理は、Jamf Proで行われています。「モバイルで仕事をしているいま、世界のどこにいてもサポートできることが必要です。」(大海氏)
導入時に必須となっている2日間のトレーニングサービス「JumpStart」についてお聞かせください。
大海氏
トライアル時点では資料が英語だったので若干とまどった点もありましたが、JumpStartがあったおかげでスムーズに導入できました。導入前のトレーニングが必須なのは珍しいですが、あまり抵抗はありませんでした。JumpStartでの『テストが大事、まずやってみよう』という教えは現場でも引き継がれています。
山川氏
これまで困っていた問題について質問すると、解決方法を目の前で示してくれて本当に役に立ちました。できなかったことがこれで可能になる、と思うと楽しかったです。『会社が変わる』と感じました。
稲垣氏
社内で使っている他のツールとの連携など、実際の業務に即した質問ができました。またチームでJumpStartを受けることができたので、導入後すぐに実稼働に移ることができました。
オリジナルの受付システムもITソリューションルームで開発。受付のiPadで内線をかけて社員を呼び出せる。オフィスから一定の距離離れると、内線電話が机の固定電話に転送される仕様になっている。
社内で利用しているBoxやSalesForceなど、他のシステムとの連携も積極的に行っていらっしゃいます。
稲垣氏
連携にはスクリプトを積極的に使っています。Jamf Proのユーザーが集まるJamf Nationのサイトは参考になるのでよく見ます。サンプルスクリプトもたくさんありますし、大体自分たちが困っていることは他の会社でも困っているんです。例えば、万が一紛失した場合に備えて、社外に持ち出すMacBookの中に入っているデータを一覧にするスクリプトを書きました。これをJamf Proで自動的に好きなタイミングで走らせることが可能になりました。
山川氏
スコープ機能を使って、動的に適応範囲を設定できる点が便利です。例えばスタジオの端末と別フロアの端末は別のポリシーを割り当てたい、MacBookのように持ち出せる端末はどうする、など使用用途に合わせた細かい設定が可能です。こんなに多くのグループが設定できるシステムは、なかなかないと思います。
大海氏
イチオシの機能は実行トリガーを自由に設定できる点です。適切なタイミングにスクリプトを流せます。これは他の会社のシステム管理者にもぜひ知ってもらいたい機能です。
さいごに
大海氏
システム構築を他社に任せるのではなく、自分たちで問題点を考えながら、自分たちで解決していく。必要であれば開発していく。そんな面白い仕事ができる環境を作っていきたいと思っています。できて当たり前と言われているシステム管理の現場をもっと面白いものに変えたい。パッチをあてて回るのがシステム管理の仕事ではありません。自動化できることは自動化し、自分たちは最新のツールをどんどん試しながらチャレンジしていきたいと思っています。Jamf Proについて言えば、今後はSelf Serviceなどプラスアルファの機能も使っていきたいですね。
※記載の内容は2017年2月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。