株式会社つくし工房様は、安全図案標識板や工事用保安機材、安全用品の企画、制作、販売をおこなう安全標識のパイオニアです。
今回、営業と制作部門の間で交わされるデザイン指示書のやり取りを効率化するために、キントーンアプリ開発サービス「おまかせキントーン」を採用されました。ノーコードで業務アプリを作成できるクラウドツール「キントーン」と、デザインデータを保管するためのクラウドストレージ「Box」を連携し、独自の業務アプリケーションの運用を実現しました。
導入の経緯や効果を、制作室 室長 関根貴将様、業務部 課長 田部研二様、デザイン室 室長 佐藤亮介様、総務部 システム管理課 山川功太郎様に伺いました。
看板のカスタム製作サービスを展開。紙のデザイン指示書でのやり取りに限界を感じていた
つくし工房は、工事現場で使用する安全標識や保護具等を、大手ゼネコンを中心とした建設会社に販売している会社で、今年で創業60年を迎えます。お客様のご要望に応じてカスタム製作しており、月に1000件近い製作案件を進めています。標識で使われているお辞儀人(おじぎびと)はご存じの方もいらっしゃるかと思います。オリジナルキャラクターであるつくし坊やはさまざまな標識に登場します。
以前は、業務部がお客様の要望を紙の指示書にまとめ、フロアが異なるデザイン部門や制作部門に歩いて届ける非常にアナログな依頼方法でした。指示書を渡した後は、製作が完了して業務部に指示書が返ってくるまで進捗が見えず、確認のために席まで聞きに行ったり電話をしたりと、労力がかかっていました。さらに、紙は濡れたり汚れたりしやすく、データ保管の観点でも課題がありました。
新社屋の建設に伴い、制作部門とデザイン部門が別棟へ移動することになり、紙の指示書でのやり取りが難しくなりました。その実情をTooに伝えたところ、キントーンを紹介してもらいました。わからないことばかりでしたが、 Tooのキントーンアプリ開発サービス「おまかせキントーン」を付帯し、キントーン認定資格者に業務フローの見直しから開発、活用まで伴走してもらえることに安心感がありました。
導入にあたり、コスト面も慎重に検討しました。紙資源を削減できること、デザインデータを保管していたオンプレミスサーバをBoxに移行することで、トータルでコスト削減が見込めました。また、ノーコードでアプリを作れるキントーンは、現在の活用シーンに限らず、会社全体のデータベースとして発展させられる点から費用対効果が高いと判断し、導入に至りました。
Tooのキントーン認定資格者が伴走し、プロジェクトチームで業務フローをいちから見直し
キントーンの導入にあたり、業務フロー見直しのため、関係部署から代表者を選出し、社内プロジェクトチームを編成しました。
依頼から納品まで、各部門でどのように指示書を使っているのか、どのようなルートで回っているのかなど、お互いに見えていなかった部分の共有から始めました。Tooのキントーン認定資格者からも、現状と理想のフローを図面に整理して提案してもらい、共通認識のもと業務を整理できました。
製作案件の進行管理をまるっとデジタル化。
進捗が可視化され、お客様へスムーズに製品を納品できる体制が整った
業務フローを整理することで、指示書の提出から製作進行管理、コミュニケーションをキントーンに集約できました。
「製作指示を紙で確認する」という慣れ親しんだ工程を残すため、スキャンしたPDFをキントーンにアップロードしつつ、基本的な情報はテキストボックスや備考欄に入力する運用にしました。手書きが減った分、読み間違えて作業がやり直しになったり、個々の文字のくせで解読できないという課題も解消されました。アップロードした指示書はサムネイル表示できるようにしてもらい、従来の指示書がそのまま見えることで、デジタルへスムーズに移行できました。
一番不安だった依頼の見落としについては、適切なタイミングで必要な部門にアラートが送られるように設計してもらい、対応漏れ防止に繋がっています。進捗状況はステータスで確認でき、安心感があります。また、コメント機能で相手をメンションしてリアルタイムに会話ができますし、内容は記録として残るため、記憶に頼ったコミュニケーションからも解放されました。当社の運用に則した内容で構築してもらいました。
Boxとの連携でデータへのアクセスを効率化。スムーズなデザイン・製作業務を実現
デザイン室では、業務部から受け取った1枚の指示書を回覧して、担当を振り分けていました。キントーン導入後は、依頼があった時点で責任者に通知され、担当の振り分けもキントーン上で完結します。今どの案件がどこまで動いているかをみんなで共有して、サポートしあえる体制が整いました。
さらに、キントーンとBoxを連携することで、製作データにアクセスしやすくなりました。今までは、デザイン指示書は紙、お客様からいただいたロゴや素材一覧表はメールなど、データが点在していました。現在は、キントーンに案件を登録すると、案件ごとのフォルダがBoxに自動作成され、キントーンのフォームから、Boxにデータをアップロード・ダウンロードできます。あちこち探す必要がなくなり、デザインや製作に取り掛かるまでの煩雑な作業が体感で3分の1ほど削減されました。
業務が効率化されたことで生まれた時間を製作に費やせるようになり、お客様の多様な要望により応えられる体制が整いました。
デザインやサイン業界への深い理解で、仕事の流れを細かく、正確にシステムに反映してくれた
わからないことばかりだったので、気軽に相談できる営業さんがいてくれたことが非常に心強かったです。見直しから運用まで、大変でしたがやって良かったというのが感想です。
システムを開発できる会社はたくさんありますが、Tooはサイン業界やデザイナーの仕事・考えを熟知した上で提案し、我々の仕事の流れや考えを正確に形にしてくれました。おそらくTooにしかできなかったことだと思います。
豊富なプラグインで活用の幅を広げ、さらなる業務効率化を目指したい
キントーンは連携できるクラウドサービスやプラグインが豊富なので、社内の基幹システムとして活用の幅を広げることを目指しています。当社は、業務フローが複雑でパッケージの基幹システムだと運用が難しく、いちから構築してもらうとなると多額の費用がかかったり、レガシーシステムになってしまう危険性があります。キントーンなら、自社に合ったシステムを柔軟に構築し、育てていけるのではないかと期待しています。キントーンを基盤にパフォーマンスを最大化し、ビジネスを推進していきたいと考えています。

※記載の内容は2025年10月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。