
株式会社セガ様は、「感動体験を創造し続ける」をミッションに、多彩なゲームコンテンツを企画・開発し、全世界に展開しています。今回、イノベーションワークスペース「Miro」を導入された経緯や効果を、第3事業部 第3オンライン研究開発企画1部 副部長 諸我 豪様と、第3事業部 第3オンライン研究開発企画2部 セクションマネージャー 陳 智政様、開発IT支援部 澤柳 愛様に伺いました。
現場からの熱い要望でMiroを導入

諸我様(以下、敬称略):
私たち第3事業部では、主にPCやモバイル向けに運営型のゲームを開発しています。現在は、セガで打ち出した「SuperGame」構想のプロジェクトに携わり、より多くのユーザーが集まる大規模なゲーム開発に取り組んでいます。
新たに大きなプロジェクトをアジャイル開発で進めようというタイミングに、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の流行が重なり、社員同士の連携が取りづらい状況になってしまったことがMiro導入のきっかけでした。当時は別のオンラインホワイトボードを使っていましたが、アジャイル開発には不便な点が多く、他のツールを探していたところMiroに辿り着きました。使ってみると、アジャイルのテンプレートが豊富に用意されていたり、同時にみんなで編集できるのが便利で、一度使ったら辞められなくなりました。Miroの使い勝手は本当に良く、コロナウイルスが落ち着いた後も社内で活用が広まっていきました。
陳様(以下、敬称略):
企画マネージャーとしてマネジメントに注力しています。オンラインホワイトボードは世の中にたくさん出ていますが、Miroはみんなが参加しやすい「場」を作る意識でUIや機能が組まれています。単なるホワイトボードの域を越えた、「チームのクリエイティブを促進させるオンラインワークスペース」のようなイメージで活用させていただいています。
澤柳様(以下、敬称略):
開発IT支援部は、ゲーム開発に必要なインフラを整える役割を担っています。 ツールを導入したいという声が現場からあがった時、導入の必要性を念入りに確認していますが、Miroは「使いたい」という現場からの熱量が特に高く、すぐに導入を決めました。
社員が安心してアウトプットできる環境を整えるため、エンタープライズプランを選択

澤柳:
ガバナンスを効かせた環境で安心して社員に使ってもらう必要があると考え、機密情報をしっかり管理できるエンタープライズプランを選択しました。当然コストはかかるので、ツールによってプランを取捨選択しますが、Miroの場合は開発の情報が入ることが明確なうえ、開発担当だけでなくセガ全体から「使いたい」という声が大きかったことも決め手の一つでした。
Miroは頭の中をそのまま描ける分、機密情報が入る可能性が高く、シャドーITの心配がありました。エンタープライズプランでは、組織全体の利用状況を把握し、野良アカウントを制御できる機能があり、安心感があります。
チームやボード単位で管理者を指定できる機能もありがたいです。管理上の負担を分散させることができ、非常に助かっています。
必要な機能がひと通り網羅されており、細やかなセキュリティ管理ができるにも関わらず、設定画面がわかりやすく、容易に使いこなすことができます。
アイデア出しやステージマップの作成に活用。従来と比べて会議の生産性は20倍以上向上
諸我:
個人でもチームでも使いますが、アイデアを発散・収束させる作業に使うことが多いです。Miroはボードが無限に広がるので、広い机の上で物事を整理する感覚と似ています。例えば、ステージマップに何を置くのかを検討したり、ストーリーを組み立てるのに非常に使いやすいです。会議室で順番に発言してホワイトボードに書き込んでいた以前と比べて、ディスカッションの質や効率ははるかに向上しました。10倍や20倍の話ではないと思います。
議論や企画の立案を体系的に進めるためのフレームワークが豊富に用意されていることもありがたいです。企画側は、プログラマーやデザイナーが最終的なゲームの構造や世界観を想像できるように、企画をロジカルに組み立て、伝える能力が求められます。私は、マインドマップのテンプレートをよく活用しています。
企画の壁打ちにMiro AIを活用。AIの答えに対する「違和感」や「不足」から、目指すべき解を効率的に導き出す
陳:
企画の壁打ちやブラッシュアップなどにMiro AIを活用しています。アイデアや課題解決の提案が欲しい部分に対して、Miro AIでプロンプトを入れることで、大量のアイデアが書かれた付箋がアウトプットされるため、見落としていた要素に気がついたり、逆に切り捨てる要素を明確にできます。さらに、生成した付箋からマインドマップを作成してもらい、その中で面白いと思った要素を深ぼることで効率よく企画を進めることができます。
ゲームの企画を考える段階で、参考となる画像イメージを生成してもらうこともあります。 想像と違うものが出てくることも多いですが、その工程を踏むことで、自分自身がうまく言語化できていなかった要素に気づくことができます。
Miro AIはプロンプトのテンプレートが準備されているので、気軽に活用することができます。また、生成したものを視覚的に整理するところまでアシストしてくれるので、思考の発散と整理が同時に叶うところが便利です。

チームマネジメントにMiroが活躍。メンバーの心理的安全性が高まり、意見が活発に出るようになった
諸我:
「感動体験を創造し続ける」というミッションのためには、普段からイノベーションが生まれやすい環境を作ることが重要です。マネージャーとしてメンバーの心理的安全性を高めるためにも、Miroを使うことで、みんなが発言しやすい環境を作りたいという思いがあります。
陳:
ゲーム開発は、若手から実績を積んだトップクリエイターまで、多様なメンバーが携わります。発言だとどうしても声の大小が出てきてしまいますが、Miroでは、付箋に意見を書き込むので、アイデアの良し悪しをフラットに捉えることができます。そうしたMiroの側面が、ベテランや若手でも垣根無く『感動体験を創造し続ける』というセガの思想や私たちが思い描く組織のあり方と近いと感じています。
Miro導入後、発言が少なかったメンバーもどんどん意見を書き込んでくれるようになりました。以前よりみんなの考えをキャッチアップしやすくなりましたし、何よりチーム一体となって課題に取り組む雰囲気が醸成されたことに、マネージャーとしてMiroの可能性を感じています。
諸我:
業務分掌や制作フローの作成もMiroでおこなっています。チームの規模が大きくなると、全員で同じ絵を見て進むことが難しい場合もあります。一つのボードに情報が集約されていくことで、みんなで同じゴールを見ながら開発に臨むことができます。マネージャーとしても、ゲームデザイナーとしても、効果の高いツールだと実感しています。

Tooは「セガ」のことも「ものづくり」のことも理解してくれている会社
澤柳:
Tooとはお付き合いの年月が本当に長く、Miroをはじめ、制作現場をさまざまな角度からサポートしてもらっています。ゲームづくりやクリエイティブの現場への理解があるので、実現したいことが容易に伝わりますし、ものづくりは積み重ねなので、長くサポートしてもらえることに安心感があります。セガのこと、ものづくりのこと、両方を理解してくれている会社だと考えています。
Miroはナレッジという「財産」が溜まっていく場所。 Miroを活用し、グローバル市場に向けたゲームづくりを目指す
澤柳:
Miroに蓄積されたデータは、今後確実にセガの財産になると考えています。ツールの使い勝手が良くないと貴重なアウトプットは止まってしまうので、Miroのようなツールは本当にありがたいです。みんなの頭の中がデータ化され、次のイノベーションが生まれるためのベースになると考えています。
諸我:
開発の現場以外では経営戦略や人材戦略を扱う部門でもMiroを活用してほしいなと思っています。ビジョンや戦略をMiroでロジカルに共有してもらうことで、より全社の連携が高まるのではないかと期待しています。
陳:
海外を含めた外部の開発会社と一緒に開発を進める場面でも活用できると考えています。ゲームは、イラストやUI、キャラクターの監修など、絵を決めていくことが多いので、Miroに並べることで一緒に検討しやすくなると思います。ファイルを一つずつ開いて見るという手間も省けますし、事前にMiro上にコメントしてもらえば、会議の生産性も高まります。
今後もMiroを活用しながら、グローバル市場でより多くの人の心を掴むゲームを創出しつづけられる組織づくりに、フォーカスして取り組んでいきたいです。


※記載の内容は2025年6月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。