Too主催の、Too curateセミナー「新登場!Adobe Creative Suite 6 & Adobe Creative Cloud」が、2012年5月11日に東京オペラシティタワーのアップルジャパンセミナールームで開催されました。Adobe Creative Suiteの最新バージョンのお披露目ということもあり、たくさんの方々にご来場いただきました。

Adobe Creative Suite 6

アドビシステムズの大倉壽子氏を講師に迎え、パフォーマンスやアプリケーション間の連携性が強化されたAdobe Creative Suite 6の新機能を、代表的なアプリケーションのデモンストレーションを交えて2時間半でご紹介しました。

電子書籍やWeb、モバイルなど、クリエイティブワークに求められるニーズの変化への対応をより強化していることを実感していただくと同時に、その高速化や便利な新機能に目を見張った方も多いことでしょう。

また、会場内にはAdobe Creative Suite 6とも非常に親和性の高いワコムペンタブレットの体験コーナーも設けられ、intuos5とCintiq 24HDが展示されました。Cintiq 24HDは、IPS液晶ディスプレイの画面上をペンでタッチする液晶ペンタブレットの24インチモデルです。その画面の大きさもあり、ひときわ来場者の関心を集めていました。

このセミナーは、大阪、仙台、福岡でも行われたほか、札幌、名古屋、京都でも開催されます。また、東京でも再度行われる予定となっています。スケジュールについては、「新登場!Adobe Creative Suite 6 & Adobe Creative Cloud」のセミナー詳細ページをご覧ください。

Adobe Creative Suite 6の商品構成

Adobe Creative Suite 6は、4つの統合製品(Design Standard、Design & Web Premium、Production Premium、Master Collection)と14の単体製品として提供されます。11の製品がアップデートされ、2つの新製品が登場しています。新製品PreludeとSpeedGradeは、どちらもビデオ編集関連の製品で、Production PremiumとMaster Collectionに収録されます。

Design PremiumとWeb Premiumは統合され、新たにDesign & Web Premiumという新たなSuiteとなりました。

飛躍的に高速化したPhotoshop CS6

Photoshopの新バージョンは、64bit対応の新しいAdobe Mercury Graphics Engineにより飛躍的に高速化しました。従来処理に時間のかかった「ゆがみ」がすぐに適用されるデモンストレーションで、その速さがアピールされました。

最近のPhotoshopの目玉機能である「コンテンツに応じる」処理がさらに拡張され、新機能として加わった「コンテンツに応じた移動」「コンテンツに応じたパッチ」で魔法のように画像処理できる様子も紹介されました。

より写真に注目できるようにという理由で黒を基調としたUIデザインに変更になったのですが、環境設定で以前のような白ベースに変更することも可能とのことです。保存時の待ち時間がなくなるバックグラウンド保存と、作業中のファイルを指定した間隔で自動保存する機能は、どちらもうれしい機能強化でしょう。

64-bit にネイティブ対応したIllustrator CS6

Illustratorの新バージョンも、やはりその高速化が特長です。64-bit にネイティブ対応したことで、スピーディで安定性の高い作業性を実現しています。 ドロップシャドウを適用して画面に反映されるまでのスピードが、従来の半分ほどになったことがデモンストレーションされました。

線にもグラデーションが設定可能になったことや、レンガのような互い違いのパターンを簡単に作れるようになったことも紹介されました。

デジタルパブリッシング関連の機能強化が目立つInDesign CS6

デジタルパブリッシングを中心に、市場が求める変化に対応してきたInDesignは、今年で10周年となります。

InDesign CS6では、新規ドキュメント作成時の設定に「デジタルパブリッシング」の項目が追加されたり、電子書籍のために縦と横の2パターンのレイアウトを作る作業を省力化するための機能が追加されるなど、デジタルパブリッシング関連の機能強化が印象的です。

作成中のレイアウトのグレースケールプレビューや、PDFフォームの作成などの新機能も紹介されました。

業界標準技術をサポートするWeb関連ツール群

Web関連の各アプリケーションは、HTML5/CSS3/JavaScriptといった業界標準の技術をサポートすることを中心とした機能強化がされています。

Flash Professional CS6では、AIRサポートを強化するとともに、「Toolkit for CreateJS」という拡張機能の利用でHTML5用の書き出しに対応しました。

Dreamweaver CS6はタブレット/モバイル向けサイト制作も視野に入れ、同じソースでデバイスに合わせたレイアウトが作成できる「レスポンシブWebデザイン」に対応した機能強化がされています。

Fireworks CS6は、描いた図形をCSSのコードに置き換えられる機能が搭載されました。角丸でグラデーションを使った図形などを、CSS3のコードとしてコピーし、Dreamweaverにペーストすることが可能です。

新製品も追加された映像編集ツール群

ビデオ編集関連アプリケーションのPremiere Pro CS6、After Effects CS6も、高速化を中心にアップグレードしています。
After Effectsは、グローバルパフォーマンスキャッシュの採用により、作業中での待ち時間が大幅に減少しました。

動画を管理するPreludeと、色を合わせるSpeedGradeという2つの新製品も登場しています。

タッチアプリやlabsのアプリも紹介されました

Adobe Creative Cloudでは、Adobe Master Collectionに含まれる全アプリケーションのほか、タブレット端末向けに提供するAdobe Touch Apps(タッチアプリ)やクラウドストレージが利用できます。また、近日公開予定のクリエイター向けコミュニティにも参加できます。

タッチアプリとして、Webページのプロトタイプを作成するProtoが紹介されました。
また、labsという開発途中のアプリケーションの中から、いずれもWeb関連ツールであるMuseとEdgeの紹介も行われました。

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