Too主催、株式会社ワコム協力による、Too curateセミナー「クリエイティブワークを一段引き上げる、Photoshopのプロフェッショナル実用TIPS&テクニック」が、2012年6月8日に、東京都新宿区の市ヶ谷健保会館で開催されました。

講師はPhotoshop、デジタルカメラ、デジタルフォトなどについての記事を多く手がけ、多数の著書も出されているテクニカルライターの吉田浩章氏。自ら撮影した写真を素材として、Photoshopのいろいろなテクニックを披露していただきました。



ペンタブレットIntuos5を使いPhotoshopを操る吉田浩章氏

Photoshop CS6の新機能紹介

まず最初に、Photoshop CS6の新機能の紹介です。

最初に紹介したのは、「広角レンズ補正」「遠近法の切り抜き」といった、撮影した写真のゆがみやパースを補正するという新機能。従来より少ない工程で補正を行えるようになり便利とのことです。

ぼかしの強さを場所ごとに変えられる新機能「フィールドぼかし」を使ってジオラマ風に写真を加工するテクニックや、夜景写真を元に「光のぼけ」などのぼかし効果の設定をして「丸ぼけ」を作る方法も紹介されました。

「コンテンツに応じる」処理が拡張された「コンテンツに応じた移動」ツールは、写真にタイトルを入れるために人物などを移動させたいときに威力を発揮します。人物をなげなわツールで選択したあと移動させると、元の場所はコンテンツに応じて塗りつぶされます。従来より少ないステップで作業でき、実際の制作業務にもとても役に立ちそうだと感じました。

また、Camera Rawプラグインを使っての画像処理についても、詳しく解説していただきました。Camera RawはCS6からバージョン7になり、現在7.1にバージョンアップしています。

色かぶりを直したり色補正をする場合、Camera Rawを使うと簡単に高品質な補正が行えるということです。レンズ補正、角度補正といった補正機能も充実しています。JPEG画像をCamera Rawで開いて処理することもでき、劣化を抑えた補正が可能となります。
また、Camera Raw 7.1から、補正ブラシにモアレ軽減、ノイズ軽減、フリンジ削除が追加されました。



(左上)遠近法の切り抜き/(右上)ぼかし効果・光のボケ
(左下)コンテンツに応じた移動/(右下)Camera Raw7.1

実践的な写真レタッチ術

Photoshop CS6の新機能の紹介に続き、後半は女性モデルの人物写真をPhotoshopでレタッチしていく過程の解説です。

女性モデルの目尻のシワなどは、「スポット修復ブラシ」で細かく消していきます。「コンテンツに応じる」に設定しておくと、肌の質感に合わせてうまく修正できるそうです。筆圧を利用したペンタブレットならではの操作性でレタッチしていく様子を見ることができました。
髪の毛の茶色と合わせるために眉毛を少し茶色にしていく作業は、ペンタブレットで細かく毛を一本一本描き加えていました。また、まつげを少し足したいと、これも一本一本描いていき、絵を描いているようであり、化粧を施しているかのような繊細な作業が印象的でした。

ブラシツールを使うときには細かくストロークを重ねていくため、履歴の回数がデフォルトの20回では足りなくなるので気をつけた方がいいとのこと。環境設定からヒストリー数を100回くらいにしておくのがおすすめだそうです。

モデルの顔のほお骨を少しすっきりさせるのには、「ゆがみ」で変形させます。従来時間のかかった「ゆがみ」も、Photoshop CS6のAdobe Mercury Graphics Engineにより高速化されました。また、CS6から最大のブラシサイズが大きくなったことで、大きな範囲のゆがみも処理しやすくなりました。

また、曇り空の風景写真に別の青空を合成するテクニックも紹介されました。空との複雑な境界を、「境界線の調整」を駆使して自然になじませるテクニックは、実際の作業においても大変役に立ちそうです。



タブレットの利用法や写真レタッチのテクニックを披露

ワコムのペンタブレットと液晶ペンタブレット

今回、全ての作業をおこなったのが、ワコムのペンタブレットIntuos5です。パソコンの画面上にファンクションキーの設定内容がオーバーラップ表示される「ヘッドアップディスプレイ」や、指によるマルチタッチ操作に対応し、ワイヤレス対応(一部機種以外はオプション)もしています。

会場には、ワコムのペンタブレットIntuos5、液晶ペンタブレットCintiqの体験コーナーが併設されました。ペンタブレットや液晶ペンタブレットの書き味をたしかめる人や、ワコムのスタッフに質問する人などで体験コーナーは賑わいました。

Cintiqの24インチモデルCintiq 24HDは、その画面の大きさもあり多くの人の注目を集めていました。Cintiq 24HDは新世代スタンドにより自由な角度に画面を傾けることができ、思い思いの姿勢で作業を行えるようになっています。



多くの人に体験していただいた、ワコムの特設コーナー

なお、ペンタブレットは無料貸し出しキャンペーンを実施中です。
ご興味のある方はぜひお問い合わせ下さい。[ Tooへのお問い合わせ ]

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