
アリアケジャパン株式会社様は、畜産系天然調味料のリーディングカンパニーとして、料理の出汁やソースのベースとなるブイヨン、コンソメ、フォン、湯などを、天然素材の原料にこだわって製造されている食品加工メーカーです。 今回は、包材の校正業務の精度向上と効率化を図るために、サブスクリプション印刷比較検査ソフトウェアの「HallmarkerElements」を導入されました。導入の経緯や効果を、購買部 購買課 課長代理 山下恵太郎様、係長 吉浦竜次様、山脇大輝様に伺いました。
プライベートブランド商品の製造を主軸に事業を拡大

当社は畜産・海産の天然調味料を製造販売する企業として1978年に設立され、2026年に創業60周年を迎えます。グループ全体で国内外合わせ、年間1,000億円の販売額を目指し、各部門が力を合わせて取り組んでいます。
私たちが所属する購買課の主な業務は、原材料や包材の調達です。国内のみならず全世界から原材料を調達しており、コロナウイルスの流行やウクライナ情勢の影響によるコスト上昇にも対応してきました。現在は、原材料コストの抑制や、工場内・購買課内での業務効率化に注力しています。
当社の特徴は、スーパーやコンビニエンスストアなどに並ぶプライベートブランド商品(以下、PB商品)の製造が9割以上を占めていることです。包材を調達する際は、クライアントからいただいたデータをもとに外部の包材メーカーへ発注し、版下データを作成してもらいます。印刷された実物が納入されると、版下データと印刷物に差異がないかを、購買課で受け入れ検査しています。

包材の複雑化に伴って目視による校正業務の負担が増加していた
近年PB商品の幅が広がり、業務用だけでなく消費者が直接手にするBtoC向けの商品の製造が増えてきました。業務用の包材と比べると、BtoC向けの商品は包材のデザインが複雑です。これまでは包材を目視で一つひとつ校正していましたが、属人的なため担当者の力量に左右され、ヒューマンエラーのリスクを抱えていました。
クライアントから受け取るのは校了後の版下データなので、基本的にはミスはないはずです。しかし、情報がうまく伝達されていなかったのか、以前の版下データをもとに作られた印刷物が届いたこともありました。
当社では年間で2,700品目ほどの製品を取り扱っています。その中で校正の対象となるのは、新商品として登録される製品や、原材料や法律の変更によって表示内容が変わる製品で、年間を通して膨大な数の包材をチェックします。人の目による校正に限界を感じ、何か手立てがないかと考えていました。

HallmarkerElementsの導入によって校正の効率化と精度の向上を実現
校正の効率化を検討していたところ、デジタル校正ツールの存在を知りました。他社も含めて複数の製品を比較しましたが、中でも最適だったのがTooから提案を受けたHallmarkerElementsです。
私たちの校正業務では、デジタルである版下データと、アナログともいえる印刷された包材を比較します。デジタルとアナログ、条件が違うもの同士でも精度高く検査することができました。
実は他社からもHallmarkerシリーズの製品を提案されたのですが、 Tooから提案を受けたElementsは、1ライセンスで複数のパソコンにインストールできるため、作業時間が重ならなければ複数人が作業を進められる点がメリットに感じられました。トライアルでは、慣れれば直感的に操作できる使い心地の良さも魅力的で、最初に相談をして丁寧に対応してもらったTooからの導入を決めました。

アナログデータである印刷された包材をスキャンしてデジタルデータと比較できます。
校正にかける時間が1/3に短縮された。他部門との情報共有もスムーズに
導入後、校正にかかる時間は大きく削減されました。以前は1つの品目で30分ほどの時間を要する場合もありましたが、10分あれば完了するようになりました。本格的に導入して1ヶ月ほどですが、現在は、校正が必要な包材の8割ほどにHallmarkerElementsを使用しています。
購買課で校正を終えると他部門への共有が必要なのですが、その際の情報共有のスピードも上がりました。検査結果をレポートとして出力できるため、課内で回覧・保存したあと、他部門のフォルダにレポートを格納します。レポートが格納されたら検査完了と判断してもらうことで、円滑に連携できるようになりました。
また、従来は、データと現物を横に置いて目で追い続ける作業が必要で、かなりの集中力が求められていました。思い込みによってミスを見落としていたこともあるので、ソフトが判別してくれることによって心理的なストレスもだいぶ軽減されました。

HallmarkerElementsを使用している様子
ロゴマークなどの微細な変更も検出可能
文字以外の差異も検出できます。以前、PB商品の企業ロゴがわずかに変更されたことがあったのですが、目視では判別が非常に難しかったです。そのような場合でも、HallmarkerElementsを使えば自動で検出してくれました。
また、包材の一部の表示に変更が生じた際、これまでは包材全体をいちから目視確認する必要がありましたが、HallmarkerElementsは変更箇所をわかりやすく検出してくれます。デジタル校正ツールを導入した現在も、目視での確認を併用していますが、確認すべき点に集中して目を通せばいいので効率的です。そのほか、クライアントからどこに変更が生じたのか指示がない場合にも、容易に変更箇所を特定できるようになりました。
包材の管理業務は少人数で担当していたため負担が大きく、残業の削減が難しい状況でした。HallmarkerElementsの導入によって校正にかかる工数が減り、加えて今期新たなメンバーが加わったことで、さらなる業務効率化を目指している最中です。

他部門での活用も推進中。引き続き業務効率化に向けたTooからの提案に期待
HallmarkerElementsはデジタルデータ同士の検査も可能で、最近では他部門での活用も進んでいます。購買課に版下データが届く前段階で、品質保証部で初版から最終版下の制作までをクライアントと打ち合わせしています。最終版下が完成するまでに何度か改版されるのですが、変更箇所をHallmarkerElementsで検出できるようになったことで、校正の精度が増して、かなりの時間短縮につながっていると聞いています。
Tooには導入に向けた最初の説明会からとても丁寧に対応してもらい、その印象は変わらず契約まで進むことができました。校正ツールに対する理解をこれから深めていきたいと考えているので、新しい製品の案内などを含めて、引き続き業務効率化に向けた良い提案を期待しています。
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※記載の内容は2025年9月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。