
こんにちは!
株式会社Tooのアドビスクール「Desi(デジ)」講師です。
2025年10月29日、Adobe Creative Cloud 2026が発表されました。
本記事ではPhotoshop(フォトショップ)の新機能を詳しくご紹介します。
「生成塗りつぶし」でGemini 2.5(Nano Banana)やFLUX Kontext Proなど、他社のAIモデル(以下、パートナーモデル)が選択可能になりました。ただし、パートナーモデル利用には管理者承認が必要で、生成クレジット消費量も多くなります。パートナーモデルはプレミアム機能として扱われ、Creative Cloud各製品またはFireflyクレジット単体プランに含まれる生成クレジットを使用します。

◆使用できるパートナーモデルの特徴
FLUX Kontext Pro

編集を繰り返しても同じ人物/構図を維持しやすいため、「1枚から複数バリエーションの作成」といったワークフローに強い特徴があります。例えば、看板・パッケージなどの文字のみを変更するという編集も可能です。現時点で文字変更の対象言語は「英語のみ」となっていますが、日本語でプロンプトを入力することが可能です。(「Open」を「Close」に変えてほしいといった指示など)多くのモデルでは、画像を大きく再生成してしまったり、細部が崩れたりすることがありますが、FLUX Kontext Proは「他は変えずにここだけ変えてほしい」という指示に対して正確に反応するという点が強みです。
Gemini 2.5(Nano Banana)

対象の見た目を維持しながら、別シーン・別ポーズへ置き換えることが可能です。他の生成AIでは、対象人物・オブジェクトを変えると見た目が揺らぎやすいですが、Nano Banana は維持したい部分は保ったまま変更できる点が特徴です。単一画像の生成だけでなく、複数の画像を統合・編集できる点で柔軟性があります。例えば、複数の画像を融合して「1枚の新しい画像」を作る/背景を入れ替えるなど、クリエイティブな合成ができます(「この人物に花束を持たせて、人物の見た目は変えずに」といった指示など)。
「調和(新バージョン)」は生成AIを使った機能の一つです。背景にあわせて、被写体の色味・光・影などを自動で調整してくれるだけでなく、「影」や「質感」も新たに生成されます。
従来からあるニューラルフィルターの「調和」も重ねたレイヤー同士の色を自動調整してくれる機能ではありますが、レイヤーにフィルターがかかっているだけの状態のため、影などは別途自分で作成する必要がありました。
新しく搭載された「調和」を使用することで、画像をより自然にそして簡単に合成できるようになります。
また、「調和(新バージョン)」を使用すると、新規「調和済みレイヤー」が作成されます。「画像を生成」「生成塗りつぶし」と同様に3種類のバリエーションが生成されるため、気に入った結果を選んだり再生成したりすることも可能です。



生成AIの機能を使って、画像の解像度を拡大しディテールを向上させることが可能です。拡大率は2倍もしくは4倍から選択できます。「画像の中の一部を拡大して使いたい」「昔のスキャン画像を復元したい」といった場面などで有効です。Firefly以外にもTopaz Gigapixelといったパートナーモデルが選択可能ですが、こちらは使用の際には管理者承認が必要です。

◆使用できるパートナーモデルの特徴

写真・実写素材の解像度を上げることに特化したAIモデルです。「元画像に忠実に」拡大することに注力しており、他社ツールや一般的なサイズアップ手法と比べて画質維持力が高いです。

AI生成画像/CG/イラストなど「写真ではない創作的な素材」の解像度を上げることに特化したAIモデルです。「通常の解像度拡大」に加え、「創造的なディテール追加(テクスチャ強化、質感改変)」も行われます。
「削除ツール」で生成AIを使うオプションが改善され、処理速度・品質ともに大幅向上。より自然な除去が可能になりました。
「削除ツール」とは、不要なものをクリックまたはドラッグでなぞるだけで対象を削除することができるツールです。削除したい対象物を処理した際の背景を生成AIが自然な仕上がりに処理してくれます。

Photoshopで開いている画像を「共有」からFirefly Web版へ送信し、動画生成の1コマ目として利用することができます。
ご自身で用意した画像はもちろん、Photoshopの「画像を生成」で生成した画像も送信できます。例えば動画制作を行う際に、まずPhotoshopでイメージ画像を仕上げてから、それをFirefly Web版に送り動画の素材として使うーーそんな使い方もできそうです。

「Fireflyの履歴」機能が搭載され、クラウド経由で過去の生成履歴を確認することができます。サムネイルをクリックすることで、Photoshop上でデータを開いて編集することができます。ただし、ここに表示される生成結果は「Firefly Web版で作成したデータ」に限られます。Photoshop上で行った「画像を生成」の履歴は残らないため注意しましょう。

◆色調補正パネルに「カラーと自然な彩度」項目が追加
色温度・自然な彩度・色かぶり補正を、一つのパネルで一括編集することが可能になりました。

◆「被写体を選択」「背景を削除」がさらに高精度化
処理を「デバイス」または「クラウド」から選択可能になりました。クラウド処理を有効にすると、特に複雑なエッジや微細なディテールの周囲で、被写体をより正確に検出して選択できます。
以下の比較画像を見るとわかるように、「デバイス」処理では選択できていない、髪の毛の細かいディテールも「クラウド」処理では選択できています。

◆ツールバーに「画像を追加または生成」のメニューが追加
デバイス内の画像・無料のAdobe Stock画像・生成画像の追加が、一つのメニューにまとまりました。カンバス上に新たな画像を配置したり生成したりする場合はこちらから操作可能です。

パートナーモデルは生成クレジットの消費量が多くなるため、残数には十分注意しながら利用する必要があります。
また、パートナーモデルを使用する際は各社の規約に基づくため、「制作物に使用してよいかどうか」は、最終的にコンテンツ制作者自身の判断が求められます。必要に応じて管理者側で利用可否をコントロールする運用も検討しましょう。
Photoshopでは、特にFirefly(生成AI)関連のアップデートが目立ちました。
新機能「調和」の追加や既存ツールの機能強化などにより、生成AIを活用した幅広い編集をこれまで以上に効率的に行えるようになっています。
その他アプリケーションの新機能を深掘りした内容につきましては、今後本ブログにて公開していく予定です。どうぞお楽しみに!
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法人版限定のディスカウントもあります。
ありがとうございました。
今後も最新情報やTIPSなど配信していきますので、ぜひご覧ください!
記事は2025年11月28日現在の内容です。