10GbEネットワークの必要性

今後、確実に急増する企業内トラフィック

オフィス内の仕事環境を見回すと、今や動画や3Dなどが当たり前となり、クラウドサービスの複合的な利用や、オンラインミーティングなど、さまざまなデータが常にインターネット経由で通信されています。
また、コンテンツの制作データの肥大化に比例し、クラウドストレージからダウンロードする際の負担も大きくなっていきます。

このように、ひとり一人が扱うデータ量は日々増加しているため、多人数になればなるほどテレワーク先もオフィス内も『増大していくトラフィックをどう処理するか』という課題と向き合う日がくるのは目に見えています。



根本的な解決は、より高速なイーサネット規格を導入し、関係する帯域自体を広げるしかありません。
必要に迫られてからの急な出費とならないよう、インフラ設計の予算化が進んでいます。



10GbEネットワーク構成にしていくために

昨今よくあるオフィス内のネットワーク構成としては、インターネットの出入り口となるゲートウェイ機器(UTM等)、社内にLAN配線を巡らすメインとなるLANスイッチ、そしてフロア間や部署ごとでさらにLAN配線を提供するLANスイッチ、そして現在進行系の制作データ保管するオンプレミスストレージ(NAS)、無線LAN環境、その末端にクライアント端末であるMac/Winがあります。

今までは、すべて1000BASE-T(1GbE)前提で構築されてきました。



データ容量や通信量が肥大化していくにつれ、今までのネットワークのスピードではまかないきれず不具合が生じ、お仕事の効率は悪くなっていきます。データのやりとりには目に見える内容以外にも、裏側では技術的に様々な通信が発生している事が多いため、予測を超えたスピード感でその時はやってきます。

これらは10GbEネットワーク構成に変更することで解決できますが、機器や対応している配線を全て変える必要があるため、対応する際は移転時にまとめておこなうか、一部関係する部分から徐々に着手していくか、選択を迫られることになります。

また、入れ替えはむやみやたらにおこなうのではなく、データの流れをしっかり把握し、負荷が高い必要なポイントへの対応が求められます。
それがインターネット回線からなのか、ゲートウェイ機器からなのか、NASやクライアント端末間も必要なのか、といったような検討をおこなうためにもご自身のネットワーク構成をしっかりと把握しておく必要があります。


使用している機器のスペック確認、LANケーブルの規格など洗い出す

LANケーブルは、伝送速度を上げると信号の周波数が高くなります。そのため、それに応じた高い性能が求められることになります。


いわゆるケーブル自体に書かれている規格名カテゴリー(Cat)」という分類で性能が分かります。今までは、1GbEを導入するのが当たり前でしたので、ほとんどのユーザーはCat5e(enhanced)を使用してきました。

LANケーブルは、伝送速度を上げると信号の周波数が高くなります。そのため、それに応じた高い性能が求められることになります。

いわゆるケーブル自体に書かれている規格名カテゴリー(Cat)」という分類で性能が分かります。今までは、1GbEを導入するのが当たり前でしたので、ほとんどのユーザーはCat5e(enhan10ギガビットイーサネット(10GbE)は、最初の規格の標準化完了から15年以上が経過しておりましたが、それに対応した10GbE対応LANスイッチやゲートウェイ機器は当時の価格ではかなり高価なものでした。


10GbEに対応したオフィスでは、制作データが大きい容量のところであればあるほどお仕事の効率は上がり、まさにインフラ環境がお仕事の根幹を支えているということを実感いただいております。

そうして対応できたオフィスでは仕事のスピードも増しており、制作データが大きい容量のところであればあるほど、まさにインフラ環境が土台を作っているということを目の当たりにすることになります。

尚、Cat5eのLANケーブルは10GbEに対応しておらず、10GbE導入にはCat6A以上のLANケーブルへ張り替える必要があります。


ワークフロー内のデータ転送で高密度・大容量の通信をおこなうところを精査

すべてのネットワーク環境を10GbEにできることが理想ですが、現実的にはコストとのバランスが必要です。
そのためには最終的な理想とするネットワーク像を設定し、ステップを踏んで導入することで、回り道をせず最適なネットワーク環境を構築することができます。


ただし、どこの場所が一番通信量を高いか、どこの機器に負荷が掛かっているか等のポイントを抑えた上で機器の選定・設計をおこなわなければ、機器の特性を有効活用できず全く効果が出ずに終わってしまいます。

このような事を回避するために、制作ワークフローの中で高密度となるデータ転送の流れを把握し、大容量の通信がおこなわれるところを重点ポイントとしてネットワークを設計する必要があります。



無線LANの高速化による無線AP機器への多台数からアクセス集中に注意

無線LANの発する電波は10GbEには対応していません。それは電波に関する規格や法律があることが一番の理由ですが、そもそも無線LANは大容量通信には向いていません。電波干渉の影響など、対策を講じたとしても有線LANと同じような安定性というのは実現できません。
そのため大容量の通信を使用する端末は、基本的に有線LANで10GbE等の安定した環境を構築していただくことが基本です。

なぜ、「無線AP機器への他台数からのアクセス集中に注意」なのか?


オフィスにはそこまで大容量通信を必要としない、フリーアドレスなどで無線LANを中心に使用している端末もあるのではないでしょうか。
無線LANの注意すべき点は、最適に無線APをマッピングして配備しなければ1台の無線APに通信が偏ってしまったり、互いに電波が干渉してしまう恐れがあることです。これらは、きちんと無線ネットワークの設計をおこない、電波干渉フィルタのある法人向け無線APを選択することで回避することが可能です。

それでも通信量が多い端末を無線LANに繋げてしまう可能性も否めません。無線APの機器のスペックを上げれば、その点も解消できるかもしれませんが、もう一つポイントとしては、その無線APが繋がっている有線LANが1GbEで耐えられるか、というポイントも抑える必要があります。

現在、無線APで10GbEポートを持っているものは一部の高価な製品しかありません。今後10GbEポートを持つ無線APが出てくるでしょうから、天井付けする際のLAN配線はCat6Aを選択しておいても良いかもしれません。


移転などの計画をする際には、仕事を支えるインフラ整備も視野に。今から効果がでるインフラ整備もある。

ネットワークは目に見えないだけに、なかなか全てを把握するのは困難といえます。また、そこを流れる通信量のことを考えることはほとんどありません。
そうしたことから、何かが起きた際「Macや無線APが悪いのでは?」というように目についた機器に意識が向きがちです。しかし、実際は全く予期せぬところが原因であることがほとんどです。


インターネット回線からMac/Winまでは、川のように様々な機器やLAN配線があることで成り立っています。
また、インフラは一度整備すると、ほとんどメンテナンスせずに数年たって使い続けてしまう部分でもあります。不具合があってもインフラを疑うことなく使い続けていたりします。

道路や水道管、ガス管も自然に劣化するように、ネットワークも同様に劣化します。加えて特に技術の進化が早い分野でもあるため、近い将来を見据えて整備しておかなければ時代に合わないものへと変貌してしまいます。



とはいえインフラほど入れ替えしにくいものはありません。移転やレイアウト変更など計画される際は、是非一度現状のネットワークを整理し、戦略的にネットワークを整備することで働き方や制作の効率化に繋がるのではないか?と考えてみていただくことをお勧めします。
移転やレイアウト変更でなくても、目の前の不具合や不安定が当たり前になっていないでしょうか。一度、弊社へ気づいた点をご相談いただけましたら、気付きがあるかもしれません。

是非、お気軽にご相談ください。




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