Too主催の特別セミナー「.design surf seminar 2016 - デザインの向こう側にあるもの - 」が、2016年10月12日に虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都港区虎ノ門、虎ノ門ヒルズ森タワー4F)で開催されました。

これからの時代にデザインの業界はどのように動いていくのか、いまデザインビジネスの最前線ではどのようなことが重要なのか、それらの答えを見つけるヒントとなるセミナーを9本用意いたしました。

本レポートでは、サントリー食品インターナショナル株式会社による「ブランドとはなんだろう?」について紹介します。

スピーカーは「なっちゃん」「BOSS」などを手がけたカトウ ヨシオさん

スピーカーは、サントリー食品インターナショナル株式会社シニアスペシャリスト、クリエイティブディレクターのカトウ ヨシオさん。公益社団法人日本パッケージデザイン協会理事長も務めています。

「なっちゃん」「BOSS」「DAKARA」などのパッケージデザインを手がけ、2012年には、世界で最も権威のある国際パッケージデザインコンペティションPENTAWARDS(ペントアワード)で日本人初の名誉賞殿堂入りを果たしました。

2013年には、商品づくりにたいせつなココロをコトバと絵で表した書籍「デザインのココロ」(六耀社)を出版しており、このセミナーを受講された方や興味のある方には、より理解を深めるのに役立つはずです。セミナーの中でも、この本の内容についてもいくつか紹介しました。


「デザインのココロ」の紹介をするカトウ ヨシオさん

「デザインのココロ」

ブランドとは? よいパッケージデザインとは?

本セミナーのテーマとなっているブランドとは何かについて、その語源が「焼印」ということから始まり、「本当のブランドとはお客様の頭の中にある」といったことまで、イラストを交えた手書き文字のスライドを用いわかりやすく解説しました。


スライドのイラストが目を引き理解を助けます

さらにそこからパッケージデザインの話へ。よいパッケージデザインは記憶に残るもので、記憶に残る商品はまた買いたくなるとのこと。わかりやすい言葉でブランドやパッケージデザインの本質に迫る内容でした。

記憶の中の形を取り出すワークショップ

来場者全員参加の「記憶の中の形を取り出す」ワークショップでは、漫画のキャラクターや「千歳飴」「飲料のパッケージ」といったお題を元に記憶だけで絵を描いてもらいました。

来場者の描いた絵をスクリーンに映しての発表では、ホンモノとかけ離れたキャラクターの絵を見て笑いが起きるというシーンもありましたが、さすがデザイナーが多いせいか、カトウさんが感心する絵が目立ちました。


来場者の絵をスクリーンに映してコメントしていきます

キャラクターや商品が人々の記憶に残る要素を確認することで、記憶に残るデザインのヒントを得たあと、パッケージデザインの話に戻ります。

サントリーの商品をもとにパッケージデザインを知る

最後は実際のサントリーの商品をもとにしたパッケージデザインの解説です。それぞれのパッケージがどういう考え方をベースとして生まれたのか、何を意味しているのを生みの親から聞ける、たいへん贅沢な時間でした。

パッケージデザインを行う上での心構えとして、自分も生活者であることを忘れずに、生活者としての体験をデザインに生かすことが大切というアドバイスでセミナーは幕を閉じました。


同業者へのヒントとなるメッセージをたくさん聞けました

イラストを交えた手書き文字のスライド資料がユーモアもありかわいらしく、書かれた言葉のひとつひとつは、全てメモしたくなるような名言ばかりでした。

大勢のお客様にご来場いただき、ありがとうございました。

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