電子署名のキホン


2020年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下で、半強制的にテレワークの普及が進みました。それと同時に、10年以上取り組むべき課題のキーワードの上位に位置していた”ペーパーレス”に本気で取り組む企業が増えました。そんな中、以前からペーパーレス化を進めていた企業でも、契約書の電子化に関してはラストワンマイルとして残っています。
今回は、電子契約サービスを導入するにあたっての、キホンをご紹介します。

契約書には押印が必要ない

そもそも契約書には必ず印鑑が押されている必要はあるのでしょうか?
まずは「契約」と「契約書」の定義を確認してみましょう。国税庁のWebサイトには下記のように明記されています。

契約とは、互いに対立する2個以上の意思表示の合致、すなわち一方の申込みと他方の承諾によって成立する法律行為ですから、契約書とは、その2個以上の意思表示の合致の事実を証明する目的で作成される文書をいうことになります。

引用:国税庁 No.7117 契約書の意義

つまり、「契約書」は、お互いに合意した「契約」の事実を証明する文書のことを指します。しかし、国税庁の契約書の定義には、印鑑についての記載はありません。また、法律上では、契約は口約束でも成立すると解釈されています。口約束で成立する契約を証明する文書である契約書には、印鑑がなくても問題ないということです。それぞれの契約書には何かしらのマークやサインがしてあれば、良いということです。

電子署名サービスが普及しない理由

不動産業界や製薬業界など導入が進んでいる業界もある一方で、ハンコ出社という言葉ができたことからも注目の高さがわかる『電子署名サービス』ですが、課題と解決方法が明確なのにも関わらず、まだ情報収集段階である企業も多いようです。その理由を聞くと、「自社だけのことではなく、契約には必ず相手がいることだから」との声が多いようです。
ではなぜ、未だに印鑑が利用され続けているのでしょうか?ご存知の通り、欧米諸国などでは、契約書には印鑑ではなく署名が一般的で、その為、電子署名の導入も早くから進んでいました。一方日本では、商習慣としての印鑑文化が根強く、電子署名の導入が遅れています。これまでのように会社で仕事をする分には、印鑑を使った承認フローに大きな障害はありませんでした。しかし在宅勤務によって、課題が浮き彫りとなりました。

電子署名サービス導入に踏み切れないもう1つの大きな理由として、電子署名サービス自体が安全かどうかが不安という声を耳にします。では、これまでの当たり前である紙の契約書は安全なのでしょうか?
紙の契約書を使った契約は、推定が前提で進みます。契約書には、代表印などの印鑑が押されていることが多いです。この代表印ですが、代表者が直接押印をされているケースは少ないでしょう。代表印を押す権限のある人が押しているであろうと推定され、契約は進みます。紙での契約書は、お互い一部ずつ持ち合うことで、改ざんされていないということが証明できます。
しかし、社印が本物で誰が押印をしたかということまでは、確認が困難です。これに対し、電子署名サービスでは、誰が契約書をいつ、どこから送付して、相手が誰で、いつ、どこで署名したかといったことまで詳細な記録が残ります。つまり、紙の契約よりも詳細な情報が得られるので、より安全であるといえます。

電子署名サービスとは

電子署名サービスの概要

ここからは、電子署名サービスの概要について、ご紹介します。
これまでは「紙の契約書が人のいるところまで動く(送られる)」ということが一般的でした。しかし、電子署名では下図のように、「契約書は動かず、人が動く(署名しに来る)」形になります。



電子署名サービスの承認フロー

上記の図に沿って、電子署名サービスのフローを簡単にご紹介します。
まず、書類を送信する側(送信者)で電子署名サービスを契約します。契約書を受け取り、署名をおこなう側(署名者)は契約(アカウント)は不要です。

  1. 送信者は、契約書を電子署名サービスへアップロードします
  2. 送信者が、電子署名サービス内で、署名相手や送信フロー、入力項目や署名場所を設定します
  3. 設定が完了し、送信ボタンを押すと、設定した署名者に電子署名サービスよりEメールが送られます
  4. 署名者は、Eメール内にあるリンクから、電子署名サービスにアクセスし、内容を確認の上、項目の入力や署名をおこないます。

必須となっている項目全てに入力や署名が完了したら、契約書が完成です。紙の契約書で、記載漏れや捺印漏れで苦労された経験のある方も多いでしょう。電子署名サービスでは、必須となっている項目全ての入力や署名が完了しない限り、相手に送ることができません。

「非改ざん性」と「本人性」

電子署名サービスには、「非改ざん性」「本人性」が高いという大きな2つの特長があります。
まず、「非改ざん性」についてですが、上記の通り、契約書は電子署名サービス内のみでやりとりされ、第三者が介在する余地がありません。また、やりとりは高度な暗号化技術を使って保護されますし、サービスが改ざんされていないということを証明してくれます。

次に「本人性」ですが、署名自体は電子鍵や電子証明書などの技術で担保されます。
本人に署名してもらうための仕組みとして、本人がそのメールアドレスを所有しているという前提の元、メールアドレスで人を特定します。送信フローの中で契約相手のメールアドレスを設定し、アクセスするURLなどを通知します。また、本人性の要件を高める為に、スマートフォンのSNSメッセージへのパスワード送付のような、二要素認証が経済産業省でも推奨されています。

多様な署名フローに対応



前述した1対1の署名はもちろんですが、多様な署名フローにも対応しています。
直列署名は、従来の紙の契約書のように、順番に入力・署名するタイプです。並列署名は、順番の設定が不要な際に、タイミングの良い人から入力・署名をするタイプです。ハイブリッド署名は、直列・並列署名を掛け合わせたタイプです。
例えば、紙の契約書でおこなう直列署名の場合、どこまで進んでいるかが把握できませんでした。電子署名サービスの場合は、サービス内で入力・署名がおこなわれるため、ステータスが可視化されます。

電子署名のその他のメリット

電子署名は、従来の紙の契約書に比べて、上記の他にもメリットがあります。例えば、契約書の作成にかかる労力的メリット、収入印紙が不要になるコスト的メリット、入力データの二次利用といったメリットもあります。
中でも特筆すべきは、ビジネススピードでのメリットです。緊急事態宣言下で、他社との契約に苦労された方もいらっしゃるのではないでしょうか。契約書作成の為に出社したり、送った相手が出社のタイミングでしか押印できないため、次のステップに進めずに、ビジネススピードが鈍くなったりするという経験をされたかと思います。緊急事態宣言が解除されたとしても、在宅勤務やテレワークは働き方のひとつとして残っていきます。ビジネススピードを鈍化させない為にも、電子署名サービスの重要性が高まっていくと考えられています。

電子署名サービス導入のご相談承ります

この記事を読まれて、導入を検討してみようかと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしサービス提供事業者は複数あり、特長もさまざまです。それぞれの事業者ごとに話を聞いていると、時間もかかってしまいますし、果たして自社にどのサービスが向いているのかわからなくなってしまうこともあるかと思います。
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