Apple Business Manager操作完全ガイド!登録方法やよく使う機能を実際の画面で確認しよう

Apple Business Manager(ABM)は、Appleが法人向けに提供する無料のウェブポータルで、MacやiPad、iPhoneなどのAppleデバイスとアカウント(管理対象Apple Account)、コンテンツの管理を一元化することができます。
Mobile Device Management(MDM)と連携して利用することで、ゼロタッチ導入やアプリの一括配布をすることが可能です。ABMだけでは管理機能がないので、管理するMacの台数が25台を超える頃、MDMと合わせてABM登録を検討する企業が多くなっています。
法人でAppleデバイスを導入する際に、利用されることが多いこのABMについて、実際の画面を見ながら、よく使う機能の操作について解説していきます。情シス、IT管理者として、ABM運用を始めることを検討している方はぜひご覧ください。
※ABMとMDMの違いや連携については、こちらの動画でまとめていますので、併せてご確認ください。
目次
Apple Business Managerの画面とUI解説
早速、ABMにサインイン(ログイン)し、実際の画面を見ていきましょう。
※なお、本ブログでご紹介している画面やマニュアルは2025年9月時点のものです。予告なくUIや操作方法が変わる可能性もありますので、ご了承ください。
ABMへのサインインには、管理対象Apple Accountとパスワードが必要です。初めてABMを利用する際は、担当者の個人情報や企業のD-U-N-S番号を入力して、Appleの審査と認証を受ける必要があります。
登録方法はマニュアルも用意していますので、ぜひご参照ください。
ABMへサインインすると、このようなダッシュボードが画面に表示されます。
基本的には左にあるサイドバーから、各種操作をおこないます。
・アクティビティ:ABMでおこなった操作履歴の確認
・場所:拠点や部門、管理するMDMごとにアプリやブックのライセンス保持単位を設定
・ユーザ:管理対象Apple Accountの作成と管理
・ユーザグループ:ユーザグループの作成と管理
・アクセス管理:ユーザ権限の編集、サインインできるアプリやiCloud機能の制限
・デバイス:所有デバイスの確認とMDMサーバへの割り当て、所有やアクティベーションロックの解除
・割り当て履歴:MDMサーバへ割り当てたデバイスの確認
・アプリとブック:ライセンス購入と割り当て
・カスタムアプリ(初期は非表示):App Store非公開アプリの購入と割り当て
また、左下のプロフィールからは、「環境設定」や「ヘルプ」、「新機能」の確認をすることができます。
特に、「環境設定」は組織の認証や支払い方法の設定、MDMサーバの編集など、重要な情報を入力することも多いので、要チェックです。「ヘルプ」と「新機能」を選択した場合は、それぞれAppleのサポートページへとリンクされます。
Apple Business Managerユーザガイド - Apple サポート (日本)次は、実際によく使う機能を、画面を見ながら操作解説していきたいと思います。
Apple Business Managerでよく使う機能3選
デバイスのMDMサーバへの割り当て(自動デバイス登録)
ABMを利用するメリットとしてよく挙げられるのが、MDMと連携したキッティングの簡略化(自動デバイス登録)です。
「環境設定」と「デバイス」の項目を確認していきます。
まず、「環境設定」から、デバイス管理サービス>追加を選択し、ABMと紐付けたいMDMサーバを追加します。この際、MDM側の証明書(公開鍵)をABMにアップロードします。追加したMDMサーバからトークンファイルをダウンロードし、今度はMDM側にアップロードすれば紐付けが完了です。
次に、「デバイス」から、MDMに割り当てたいデバイスを選択し、MDMサーバーを編集から指定のMDMに割り当てます。フィルタからデバイスを一括で検索することもできます。「環境設定」の管理の割り当てからデフォルトのMDMサーバを設定しておくことで、自動的にMDMに割り当てることも可能です。自動登録される際にデバイスに適用される設定については、MDM側での作業が必要になります。
ゼロタッチ導入とMDM側の作業の詳細については、こちらの動画をご参照ください。
MDMサーバへ割り当てるデバイスは、事前にABMに登録されている必要があります。ABMへの紐付けは、販売店からの購入時に事前に申請する形をおすすめします。購入後のデバイスを、Apple Configuratorというアプリケーションで手動でABMに紐づけることもできますが、デバイスの初期化が必須となりますのでご注意ください。
管理対象Apple Accountの作成と管理
次に、管理対象Apple Accountと呼ばれる組織向けのApple Accountを作成していきます。
この機能で使うのは、「ユーザ」の項目です。
「ユーザ」から追加を選択し、新規ユーザの情報を入力します。この際、管理者もしくは4種類の役割からアカウント権限を選択します。ABMで管理者の役割を割り当てられるのは5名までとなっています。
作成した管理対象Apple Accountは「ユーザ」から一覧で確認でき、「ユーザグループ」で特定のグループに分けることも可能です。また、「アクセス管理」から、それぞれの役割の権限詳細を設定したり、管理対象Apple Accountでサインインできるアプリ、iCloudの機能を制限したりすることも可能です。
管理対象Apple Accountを作成することで、アプリの購入をMDM経由での配布に制限できたり、ロックの解除やパスワードリセットを管理者からできるようになったりと、管理上でのメリットが多く生まれます。管理対象Apple Accountの作成には向いている企業、向いていない企業があるので、こちらの完全ガイドを参考にすることをおすすめします。
SEに聞いてみた!企業向け管理対象Apple Account完全ガイド | Apple ブログ | Apple | 株式会社Tooまた、IdPを利用している企業であれば、管理対象Apple Accountを一括で作成するフェデレーションという機能を使うこともできます。Entra IDと連携して、管理対象Apple Accountを一括作成する方法を紹介した動画もご覧ください。
コンテンツの一括購入と割り当て(Volume Purchase)
最後に、コンテンツを一括購入し、割り当てる機能を試していきます。
この機能では、「場所」と「アプリとブック」の項目を使います。
まず、「場所」で追加から、新規の場所を追加します。この場所というのは、購入や配布の単位となるもので、コンテンツを割り当てたい部門や拠点ごとに作成することが一般的です。複数のMDMを使用している場合は、それぞれのMDMがライセンス数を奪い合うことがないように、MDMごとに1つずつ場所を作ることが推奨されています。
続いて、実際に「アプリとブック」からコンテンツを購入していきます。ここでは、App Storeに掲載されているアプリやブックを検索することができます。実際に入手したいコンテンツを確認したら、割り当て先となる場所と数量を選択すれば、購入することができます。実際にコンテンツを配布する際は、MDMとの連携が必要になるのでご注意ください。
有償のアプリの場合、支払い方法はクレジットカードか、Storeクレジットを選ぶことができます。支払い方法は「環境設定」から登録をします。Storeクレジットは、販売店から買うことができるプリペイドカードのようなものです。
【Too】VPPクレジットコード登録手順ABMでコンテンツを一括購入することで、個人のApple Accountを必要とせずに、アプリやブックを管理、配布することができるようになります。従業員の異動や退社等でコンテンツが不要になった場合に、回収して他のデバイスに再紐付けができるようになるというメリットもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
組織で大量のAppleデバイスを導入し、効率的に管理していく上で、ABMの利用は欠かせないものといえます。このブログを参考に、ABMを有効活用し、より便利に組織でAppleデバイスを活用していきましょう。
Tooでは、ABMに限らず、MDMやセキュリティについてのご質問もお受けすることが可能です。管理するMacの台数増加に伴い、Appleデバイスの運用に課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
記事は2025年9月 5日現在の内容です。
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