普通のApple IDを企業で使うとどんな問題がある?パスワードやアプリの管理はどうすべき?一括で作成できないの?・・・・・など、お客様からよく頂く疑問にお答えします!
アプリを一括で購入・配布できるVolume Purchaseの仕組みや、利用マニュアルの紹介、管理対象IDについても簡単にご説明します。

目次

  1. Apple IDとは
  2. 法人でよく挙がる問題点
  3. Apple IDの種類
  4. アプリケーションを一括で購入・配布する方法【旧VPP】
  5. 実際に取られている導入方法まとめ

■Apple IDとは

Apple IDとは、Appleの各種サービスを利用するための共通IDです。
Mac ・iPhone・iPadとデバイス種別を問わず共通で利用でき、App Storeからアプリケーションをインストールする際や、FaceTime、iCloud等のサービスを利用する際に使われます。

個人で使う分には、一つ作るだけで多くの恩恵を受けられる便利なIDなのですが、法人でMacやiPadを利用する場合には、管理者の方を悩ませる存在となります。

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何故なら、Apple IDはそもそも【個人用途】のために設計されているからです。

個人のメールアドレスで作成し、パスワードや登録情報はプライバシーポリシーで保護され、Apple IDでインストールしたコンテンツはID所有者自身に紐づく、というのがApple IDの基本的な考え方です。

■法人利用の問題点

しかし、企業でMacやiPhone、iPadを使う際には、この個人向けのID設計が壁となってしまいます。

作成時の課題
通常のApple IDは、同一IPから大量に作成する事ができないようになっており、一括作成の仕組みもありません。
管理者の方が 手動で作成して配布する場合には、Appleに連絡して制限を解除してもらう必要があるのです。 この最初の作成にかかる工数や時間が、一つ目の壁です。

運用管理の課題
従業員に会社のメールアドレスを使って、各々でApple IDを発行してもらう運用もあり得ます。
この場合、IDの情報を管理者側で把握することは難しくなり、MDMによる制限が無い場合は各自で自由にアプリ等のインストールが可能となります。企業のポリシーに照らして、問題が生じないか検討が必要です。
※一方で、エンジニアの技術検証など「業務上アプリを自由にインストール出来た方が良い」場合には個別のApple ID発行が必要です。

有償のコンテンツを使いたい場合は、個々のApple IDでクレジットカードやiTunesカードを通して購入することになりますので、法人で運用するならその都度経費処理の手間が発生します。

所有権の課題
前述の通り、Apple IDを使って入手したアプリケーション等のコンテンツは、IDの所有者個人に紐付きます。
つまり、対象者が退職や異動の際にライセンスを他者に引き継ぐことができません。


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このように、一般用のApple IDをそのまま企業で使うには、いくつか乗り越えるべきハードルが発生します。

■Apple IDの種類


一般用のApple IDを企業で使うことは難しい、となると、法人用のApple IDがあるのでしょうか?

実は、「管理対象Apple ID(Managed Apple ID)」という、一括作成できるIDが存在します。

「Apple Business Manager」というポータルから、システム管理者・IT担当者が一括で作成することができ、アカウントの情報はAzure ADと連携することも可能です。

Apple Business Manager(以下ABM)は法人であれば無料で登録・利用することができるため、費用をかけずにこの仕組みを利用できます。

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→Apple Business Managerの記事

ただし、管理対象Apple IDでは、Apple IDの全ての機能が使える訳ではありません。

    例えば下記の機能は、管理対象Apple IDでは利用することができません。

  • アプリやブックのインストール
  • Apple PayやWalletの機能
  • 紛失時の位置検知(Macを探す/iPhoneを探す)

アプリの購入が行えないとなると、「MacやiPhone、iPadでアプリをインストールできないなら意味が無いのでは?」と疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、これはMDMと合わせて使う特別なIDである、という前提で設計されているためです。

この場合のアプリの配布方法は、次項でご紹介します。

管理対象Apple IDを使えば、iCloudの利用やiWorkの共同編集、FaceTimeやiMessage(※端末に管理対象Apple IDのみでログインしている場合)といったビジネスに便利な機能を使える上、ID管理は管理者側で行えるため、企業用途において一つの選択肢になり得るでしょう。

■アプリケーションを一括で購入・配布する方法【旧VPP】

Volume Purchaseの仕組みと利用方法について、簡単にご紹介します。

Volume Purchaseの流れ

  1. ABMに登録
  2. ABMから組織単位でアプリを購入(有料アプリは、弊社のような販売店経由でVPPクレジットをチャージして購入でき、請求書処理が可能です。)
  3. MDM(Mobile Device Management = 端末管理ツール)を契約
  4. MDMとABMを連携させる
  5. MDMに端末を登録
  6. MDMから、管理下の端末にアプリやコンテンツを配信する
この仕組みを使えば、Apple ID無しでApp Storeのアプリのインストール・構成プロファイル等の配布が可能です。

社員にApple IDを持たせない運用もできますし、Apple IDを配布していたとしても、インストールするコンテンツは企業側で管理することができるようになります。
利用が終われば回収し、別の社員(端末)にライセンスを割り当てることも可能です。


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細かい作業は弊社でマニュアルをご用意しております。
MDM側の設計は環境による部分が大きいので、詳しくはお問い合わせいただければと存じます。

【Apple Business Manager・Volume Purchase関連マニュアル】
※マニュアルの内容はツールのアップデートにより、予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。

実際に取られている導入方法まとめ

ここまでの内容を踏まえて、実際に法人でよく取られているApple IDの運用方法をまとめます。

  • 各社員が企業メールアドレスでApple IDを作成し、自由に運用する
    小規模ビジネスや、自由にアプリ等を入れる必要がある開発会社などで取られることが多い手法です。

  • IT管理者が全社員分のメールアドレスでApple IDを作成し、エクセル等で管理する
    手間がかかりますが、Apple製品の台数が少なければこのような運用を取られることもあります。

  • Apple IDを使わせず、アプリやその他コンテンツはMDMから配布する
    社員が利用するコンテンツを全て管理・把握でき、強固なセキュリティポリシーを築くことができます。

  • 管理対象Apple IDを一括で作成して配布し、Appleの一部サービスを各自で利用する。アプリやその他コンテンツはMDMから配布する。
    作成の手間を抑えつつ、Appleの各種サービスを利用することができるようになります。



MDMについて、弊社ではApple製品の管理に特化した「Jamf Pro」を推奨しております。
Mac・iPad・iPhone・AppleTVに至るまで、柔軟でセキュアな設計が可能です。

→Apple専用の統合デバイス管理Jamf Pro

また、手法が分かったところで、実際に社内に運用を落とし込んでいくのは難しい面もあるかと思います。
Apple製品の導入に関しては、調達・管理・運用・修理サポートまで、弊社で定期相談会を開催しております。

Apple IDやABMといった仕組みの利用方法はもちろん、導入に関する不安やご懸念な点がありましたら、経験豊富なスタッフに何でもご相談ください。

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ありがとうございました。

他にも法人導入に役立つTipsやマニュアルを配信予定ですので、ぜひご覧ください!
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