M5チップを搭載した新しいMacの性能比較!Apple Vision Proの後継機も発表?

日本時間10月15日深夜、Appleから新しいチップであるM5と、MacBook Pro、iPad Pro、Apple Vision Proの新製品が発表されました。MシリーズのAppleシリコンも、2020年にM1チップが出てから、早いもので第5世代となりました。
今回の新製品は、特にイベント等もなくサイレントに発表されたこともあり、性能のマイナーアップデートが主になっています。ですが、細かい仕様の変更点や、Apple製品ユーザには嬉しいアップデートもありました。
このブログでは、M4チップからの性能比較を含め、アップデート情報をまとめていきます。
早速新しい情報を深掘りしていきましょう!
M5チップの性能比較
まずは新しいAppleシリコンであるM5チップのご紹介です。
M5チップは、AIパフォーマンスに次なる進化をもたらすといわれていて、特にGPUにおいて大きな進化が見られます。
GPUの各コアにNeural Acceleratorと呼ばれる次世代アーキテクチャを備え、M4チップと比較して4倍を超えるピーク時のGPU演算性能を発揮します。グラフィックスパフォーマンスも、M4チップよりも最大45%高いということで、Appleシリコンの性能向上のスピードに驚きますね。
元々、AI処理には主に、Neural Engineと呼ばれる機械学習の処理に特化したシステムが使われていました。しかし、AI処理といってもNeural Engineだけが使われていたわけではありません。
今回のM5チップへのアップデートで、このNeural Engine自体の強化に加え、GPUも大幅に強化されたことで、AIパフォーマンスがさらにパワーアップしたことになります。
製造プロセス | CPU | GPU | Neural Engine | ユニファイドメモリ帯域幅 | |
M5チップ |
第3世代3nmテクノロジー |
最大10コア |
10コア(各コアにNeural Accelerator搭載) | 16コア | 153GB/s |
M4チップ |
第2世代3nmテクノロジー |
最大10コア | 10コア | 16コア | 120GB/s |
また、CPUやユニファイドメモリも順当に強化されています。CPUは最大コア数こそ変わらないものの、M4より最大15%高速なマルチスレッドパフォーマンスを発揮します。
Appleシリコンの特徴であるユニファイドメモリにも注目です。
Mシリーズのチップは、上述したCPUやGPU、Neural Engineなどの各要素を1つのチップ上に統合したシステム・オン・チップ(SoC)と呼ばれる設計思想を取っています。Appleは、CPUとGPUが同じメモリを共有するユニファイドメモリアーキテクチャ(Unified Memory Architecture)という仕組みで、性能と省電力性を向上させているのです。
ユニファイドメモリアーキテクチャの特徴
・高速なデータ通信(同一チップ内でやり取りが完結するため遅延が少ない)
・消費電力の削減
・デバイスの小型化、軽量化
今回のアップデートで、ユニファイドメモリの帯域幅(ある時間内に通信路を通過できるデータ量)が約30%増加したことで、大きめの拡散モデルや高解像度の画像生成、プロ向けレンダリングの安定度や同時実行性が高まりました。
チップ全体がより大きなメモリプールにアクセスできることで、大規模なAIモデルでも、メモリ間でAI処理の負荷を分散させながら、デバイス上で実行できるようになります。
14インチMacBook Pro(M5)の性能比較
では、実際にM5チップが搭載された新製品を見ていきましょう。まずはMacBook Proからです。

M5チップが搭載されたMacBook Proでは、M4チップのMacBook Proと比べてAIパフォーマンスが最大3.5倍、グラフィックスが最大1.6倍高速になりました。ディスプレイやカメラ、スピーカーなどの外観の変化は(「英数キー」→「ABCキー」、「かなキー」→「あいうキー」という細かい変化しか)ありませんが、ストレージにおいて4TBを選べるようになっています。
AI活用や高度なグラフィック作業をする方に、より最適なデバイスとなりましたね。
CPU | GPU | メモリ | ストレージ | Apple Store価格 | |
MacBook Pro(M5) | 10コア | 10コア | 16GB/24GB/32GB | 512GB/1TB/2TB/4TB | 248,000円(税込)〜 |
MacBook Pro(M4)※終売 | 10コア | 10コア | 16GB/24GB/32GB | 512GB/1TB/2TB | 248,000円(税込)〜 |
MacBook Pro(M4 Pro) | 12コア/14コア | 16コア/20コア | 24GB/48GB | 512GB/1TB/2TB/4TB | 328,800円(税込)〜 |
MacBook Pro(M4 Max) | 14コア/16コア | 32コア/40コア | 36GB/48GB/64GB/128GB | 1TB/2TB /4TB/8TB | 528,800円(税込)〜 |
MacがAI PCとして優れている理由は、別記事でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
AI PCとしてMacが最適な理由 | Apple ブログ | Apple | 株式会社Too今回、上位モデルとなる「M5 Pro」「M5 Max」のチップを搭載したMacBook Proは発表されていないので、「M4 Pro」「M4 Max」のMacBook Proは引き続き販売がされることになります。性能においては、M5チップよりM4 Proチップ、M4 Maxチップの方がまだ上位であるようです。
M5チップを搭載したMacBook Proは14インチのみの発売となりますので、ご注意ください。
11&13インチiPad Pro(M5)の性能比較
iPad ProにもM5チップが搭載されました。こちらも外観に変化はありませんが、チップの変更により性能が向上しています。

Mac同様、M4チップのiPad Proより最大3.5倍のAIパフォーマンスを発揮し、M1搭載のiPad Proより最大5.6倍高速となります。
iPad向けの画像生成アプリや映像編集アプリの展開も広がっていますし、最新のiPadOS 26から、よりMacに近いUIでiPadを使うことができるようになったので、iPadでのAI活用が進んでいきそうですね。
CPU | GPU | メモリ | ストレージ | Apple Store価格 | |
iPad Pro (M5) |
9コア/10コア | 10コア | 12GB/16GB | 256GB/512GB/1TB/2TB | 168,800円(税込)〜 |
iPad Pro (M4)※終売 |
9コア/10コア | 10コア | 8GB/16GB | 256GB/512GB/1TB/2TB | 168,800円(税込)〜 |
また、ワイヤレスネットワークチップがApple自社開発のN1チップに変更されています。これにより、次世代Wi-Fi 規格の「Wi-Fi 7」に対応できるようになりました。
N1チップは、5GHzネットワークに接続した時により高いパフォーマンスを発揮し、インターネット共有やAirDropなどの機能の全体的なパフォーマンスと信頼性を向上させます。
高速充電に対応し、30分で最大50%の充電が可能となったことや、ストレージが256GB or 512GBのモデルで、最小メモリが8GBから12GBになったことなど、細かい仕様の変更もありました。
Apple Vision Pro(M5)の性能比較
Apple Vision Proにも、ついに新しいモデルが追加されました。昨年6月に、M2チップを搭載した最初のモデルが日本で発売されてから、約1年半を経てのアップデートです。
M5チップの搭載により、CPUのコア数が増加し、アプリやウィジェットの読み込み時間の高速化や、より反応のいいウェブブラウジングなど、デバイス体験におけるスピードが飛躍しています。
また、前世代と比較して、ディスプレイ上でピクセルを10%多くレンダリングできたり、最大120Hzまでリフレッシュレートを上げることができたりと、ディスプレイの性能も向上しています。バッテリーの駆動時間も、「最大2.5時間→3時間のビデオ再生」と30分伸びているのが嬉しいですね。
CPU | GPU | メモリ | ストレージ | Apple Store価格 | |
Vision Pro(M5/R1) | 10コア | 10コア | 16GB | 256GB/512GB/1TB | 税込599,800円〜 |
Vision Pro(M2/R1) | 8コア | 10コア | 16GB | 256GB/512GB/1TB | 税込599,800円〜 |
そして新しいアクセサリとして、デュアルニットバンドが追加されます。クッション性、通気性、伸縮性が向上し、フィットダイヤルで、より細かい調整ができるようになりました。M2モデルのApple Vision Proにも着脱できるようになっています。
本体の重量負荷を軽減し、より没入感の高い体験ができるようになることが見込まれます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回のApple新製品発表は、マイナーアップデートが主ではありつつも、AI機能の向上やGPUの強化が目立ちました。今後ますます進んでいくことが予想されるAI活用において、Apple製品の性能向上は見逃せませんね。
今回発表されたApple製品に限らず、法人や教育機関でのApple製品調達、活用にお困りの方は、ぜひApple正規販売店である株式会社Tooにご相談ください。
記事は2025年10月21日現在の内容です。
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