授業でのiPad活用レポート【四條畷学園小学校様】

四条畷バナー-02.png

iPadを活用した英語の授業とその効果を取材!

児童への1人1台端末導入を検討中の四條畷学園小学校様に向けて、iPadの体験期間としてTooから1ヶ月間の検証用デバイスの貸し出しを行い、実際の授業の中でiPadを取り入れてもらいました。
iPadを使った特別授業の様子やその後の効果について、特別授業を企画した英語教師の仲西先生、副校長の田中先生にお話を伺いました。

学内でのiPad活用に対して抱えていた課題

田中先生:
本校では2020年に教員用iPadが配られて、すでに3年目となっています。校内でもいろいろな研修を試みていますが、まだまだ授業やさまざまな学習活動・公務に十分に活用できていないのが現状です。

本校では2020年に教員用iPadが配られて、すでに3年目となっています。校内でもいろいろな研修を試みていますが、まだまだ授業やさまざまな学習活動・公務に十分に活用できていないのが現状です。

ICTが得意な教員もいますが、一般的な教員はどのような時に、どう使っていけば、より授業や仕事が効率的になるのかがまだよくつかめていないので、操作しているうちに混乱してしまうことがあるようです。また、授業の途中でiPadやプロジェクターのトラブルがあった際は、その解決に時間がとられ授業が中途半端に終わってしまい困ったこともあったようです。便利な道具が余計に時間のかかる道具となり、従来の昭和風な授業指導方法を継続している教員もいます。

「より楽しく分かりやすい授業作り」のためのiPad活用法や教員事務の効率化などが本校の課題だったため、今回のiPad体験の実施をお願いしました。

授業レポート:iPadを活用した英語の授業で、子どもたちの更なる意欲を引き出せた

iPad 体験期間の間に実施された、英語の特別授業について詳しくお話を聞かせていただきました。

授業例①:iPadで先生へのインタビュー動画を作成

仲西先生:
4年生のクラスでは、" My School Life"というテーマで、先生へのインタビュー動画をiPadで撮影・編集して発表する授業を行いました。

IMG_0240_241.png

Clipsで児童が作成した先生へのインタビュー動画の作例

1回目の授業では、動画編集アプリ「Clips」の使い方を学び、次の授業までに先生へインタビューをする様子を撮影してきてもらいました。児童が英語で質問をし、先生が答え、児童がリアクションをするまでが1セットです。
2回目・3回目は、撮影してきた動画を各々Clipsで編集する日とし、4回目の授業で作品を発表し合いました。

IMG_0265ぼかし.jpg

グループでClipsで動画を撮影し合い、編集する様子

IMG_0238.PNG

作品発表会の様子

仲西先生:
普段よりも楽しんで授業に参加する姿が見られました。「新しいiPadだ!ペンもついている!」と、使ったことのないアプリや新しい環境に興奮している様子でした。面白い表現方法や便利な機能が紹介されると歓声が上がるような場面もありました。
分からないところをお互い助け合う場面や、「何度も撮り直して録画できる」という状況によって「より完璧を求めて英語で会話をしたい」という意欲が子どもたちの中に見えました。
普段英語に苦手意識のある子も、それを上回るような意欲で発表活動に取り組めていたように思います。

授業例②:行きたい国の調べ学習やプレゼンテーションにiPadを活用

仲西先生:
6年生は、"Where do you want to go?"というテーマで、行きたい国について調べ学習を行い発表する授業にiPadを使いました。

IMG_0236.PNG

Keynoteで児童が作成したプレゼンテーションの作例

1回目の授業では、行きたい国を選ぶ準備として、iPadのホワイトボード「フリーボード」を使いました。フリーボード内に候補の国ごとのエリアを作っておき、その国から連想されるキーワードや調べた内容を、iPad上で書き込んでもらいました。
2回目以降は、前回の候補の国の中から各自が好きな国を選択し、プレゼンテーションアプリ「Keynote」で発表用の資料にまとめる作業をしました。
2回目・3回目の授業で資料を完成させ、4回目の授業でそれぞれ調べたことの発表を行いました。

IMG_0239.PNG

児童が書き込むお手本として用意したフリーボード

IMG_0214bokasi.jpg

フリーボードに行きたい国について調べたことをみんなで書き込む様子

田中先生:
一人ひとりが自分の好きな国を選び、膨大な情報の中から迅速にiPadで調べ、どんどんフリーボードを楽しく作り上げていけたのは、学びが大きいと思いました。
本来、調べ学習はとても時間がかかり根気がいるものです。図書室で本を探す方法もありますが、写真や記録が古かったりもします。資料を作るときも地道な作業が必要です。しかし、iPadなら、簡単にそのデータを探しだし、ワークシートに貼り付けることができます。子どもたちから「もっともっと!」と意欲が出てきていました。お互いの情報をiPadの画面で共有し、一人ひとりがKeynoteの画面で発表できたのも楽しかったようです。

今後のiPad活用について

仲西先生:
検証デバイスを返却後、普段の授業に戻った際に不便に思うことが沢山ありました。「クラスルーム(iPadの授業支援アプリ)」で生徒の作品を簡単に共有し合いたいのに...。Clipsで動画作成を行えたらもっと児童の興味を掻き立てられるのに...。と、iPadが1人1台当たり前にある授業への想いが強くなりました。

学校には貸出用の共有iPadはありますが、個人所有でない分使い方に制限があり、ずっと使い続けることはできないので教員側も使いこなせていないところがたくさんあると痛感する日々です。
今後学校で一人一台端末所有となる日まで、一教師としてICT活用におけるスキルアップを日々目指し、今後授業を通して子どもたちに還元し、彼らの学習機会を広げられるよう努めていきたいと思います。

田中先生:
教員も児童も、よりよい学びを進めるために、ICT機器を使って学習活動を進めることはますます必須となってきています。そのため、まずは教員がiPadを使った授業の質を向上を図ることは欠かすことができません。今後どれだけICT機器を活用できるかが、よりよい教育につながると思います


■四條畷学園小学校
おおらかな自然に囲まれ、80年以上の伝統ある学校です。 創立以来、学校生活や教科学習などすべての教育において「体験を通して学ぶ」ことを重視しています。 特色ある教科や行事、豊かな課外活動を通して一人ひとりの個性をのびのびと育み、心の芽をすくすくと伸ばすことを大切にしています。

env_01b.jpg

住所:〒574-0001
大阪府大東市学園町6番45号
ウェブサイト


記事は2024年1月29日現在の内容です。

おすすめ記事を見る