KandjiからIruへブランド変更、何が変わった?製品構成や対応OS、新機能を解説!

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    Kandjiは、MacやiPhoneといったAppleデバイスの管理・セキュリティに特化した製品を日本の法人市場向けに提供していました。2025年10月に「Iru(イル)」へ社名および製品ブランド変更を行い、対応OSと製品ポートフォリオの拡充が行われました。
    2025年12月現在、新しくなったIruはどう変わったのか、本ブログ記事でご紹介します!

    名称・ロゴ・カラーが一新

    Kandjiのロゴと新しいIruのロゴが並んだ画像

    今回のブランド変更で、社名および製品名、ロゴ、テーマカラーが一新されました。Kandjiの名称は「イルカンジクラゲ(Irukandji jellyfish)」が元になっており、その由来はそのままに、「Iru」という名称へ変更されています。
    ロゴも、由来に合わせて蜂のマークからクラゲへ変わりました。

    製品構成の拡充

    製品構成も変更されています。
    これまでは、Kandji MDM、Kandji EDR、Kandji VM(脆弱性管理)の独立した3製品が提供されていました。
    Iruに変わった今、「エンドポイント」「アイデンティティ」「コンプライアンス」の3つの製品カテゴリが新たに設けられました。それぞれ、内包する製品は以下のとおりです。

    エンドポイント
    ・Endpoint Management(旧Kandji MDM)
    ・Endpoint Detection & Response(旧Kandji EDR)
    ・Vulnerability Management(旧Kandji VM)

    アイデンティティ
    ・Workforce Identity

    コンプライアンス
    ・Compliance Automation
    ・Trust Center

    提供製品は3製品から6製品へ拡充、新たに「Workforce Identity」「Compliance Automation」「Trust Center」が加わりました。
    これらの新製品については今後順次発売予定ですが、ブログの最後に簡単にご紹介します!

    管理コンソールに「ホーム」登場。パスワードレス認証も

    Iruの管理コンソールに「ホーム」が新たに加わりました。ホームでは、各プラットフォームごとのデバイスの状況、重大度別の脆弱性、脅威にさらされているデバイスなど、契約製品に応じて一元的に確認できます。

    Iru管理コンソール「ホーム」画面

    また、Iruにサインインする際のデフォルトの認証方法が、パスキーを用いたパスワードレス認証になり、セキュリティと利便性がさらに向上しました。シングルサインオンの設定についても、従来のSAMLだけでなく、OIDCへのサポートも今後実装予定とのこと。

    Iruにパスキーでサインインする際の画像。「Touch IDを使用してサインインしますか?」と表示されている

    エンドポイント製品がWindows・Androidに対応

    「エンドポイント」カテゴリの3製品についても大きな変化がありました。これまでAppleデバイスのみの対応だったのが、新たにWindowsとAndroidに対応します。

    このブログを書いている2025年12月初旬時点で、対応状況はこんな感じです。

      Endpoint Management Endpoint Detection & Response Vulnerability Management
    macOS

    Windows 今後対応予定
    iOS/iPadOS/tvOS/visionOS    
    Android    

    社内にMacが多いけれど一部Windowsもあるような企業にとって、マルチOS対応は嬉しい変化です。ただ、MacとWindowsは管理のための仕組みが異なる部分もあるので、Macと全く同じ感覚でWindowsも管理……とはいかないことも。

    そういった注意点含め、Iru エンドポイント製品群がWindowsとAndroidにどう対応したか、詳しくご紹介していきます。

    Endpoint Management

    Endpoint Managementはデバイス管理、いわゆる「MDM」と呼ばれる製品です。
    どういう機能があるの?というのが気になった方は、以前公開したこちらの記事も参考にしてみてください。

    ※リブランディング前に書かれた記事のため、記事内でご紹介している管理画面などはKandji MDMのままとなっています

    便利!Iru(旧Kandji)ならではのおすすめ機能4選|Appleブログ|株式会社Too通常リンク

    さて、そんなEndpoint Managementは、前述の通りAppleデバイスだけでなくWindowsとAndroidも管理できるようになりました。

    Library上では、WindowsやAndroidでフィルターがかけられるようになりました。

    また、アプリケーションのインストーラや配布設定があらかじめ用意されている「Auto Apps」のラインナップにも、PowerShellやWinSCPなどのWindows向けアプリが追加されています。同時にGoogle Playアプリも合わせて追加されており、Androidに配布するアプリケーションの管理も行えるようになりました。

    iru管理コンソールの「Library」「Auto Apps」を選択した画面。デバイスフィルターにはWindowsとAndroidが表示されており、アプリ一覧の右下にPowerShellとWinSCPが表示されている

    その他にもWindows / Android向けのプロファイルの作成やアプリブロックなどの一部機能を使用したデバイス管理が可能となりましたが、Appleデバイスと同様の管理をすべて行える訳ではありません。

    例えば、自動デバイス登録に該当する「Autopilot」や「Zero-touch enrollment」の機能は実装していませんので、WindowsであればIruの登録ページから、Androidであれば登録用のQRコードを用いた手動によるIruへの登録が必要となります。
    また、Managed OSに該当する機能も実装していませんので、今現在はWindows / AndroidのOSのバージョン管理も行うことができません。

    大量のWindows / Androidデバイスの自動登録からOSの管理まで行うための機能までは実装されていませんので、その点に注意する必要があります。

    Vulnerability Management

    Vulnerability Managementは、OSやソフトウェアの脆弱性を検知・対応する製品です。これまではMacのみに対応した製品でしたが、現在はWindowsにも対応しました。

    Iru管理コンソールで「脆弱性」を選択した画面

    このように同一画面で、管理対象のMacとWindows PCで検知した脆弱性を一元的に可視化し、個々の脆弱性によって影響を及ぼす範囲を分析することが可能です。

    ただし、WindowsではAuto Appsに登録されているアプリを用いて自動的にパッチ適用を行う「脆弱性への対応」には現時点で対応がなされていないため、これからのさらなる機能強化に期待したいところです。

    Endpoint Detection & Response

    デバイス上の脅威を検出し、悪意のあるマルウェアやプログラムから守ることができるEndpoint Detection & Responseについても、今後Windowsに対応予定です。

    2025年12月初旬時点でまだ未対応ですので、Windows向け機能がリリースされたらまたご紹介します!

    今後リリース予定の新製品

    先述のとおり、エンドポイント製品だけでなく、新たに「アイデンティティ」「コンプライアンス」カテゴリに含まれる3製品も今後リリース予定です。このブログではそれぞれどういう製品なのか、簡単にご紹介します。

    Workforce Identity

    いわゆる”IDaaS”にあたる製品です。パスキーを用いたワンステップの多要素認証など、パスワードレスにも注力されているIDおよびアクセス管理(IAM)ソリューションです。
    Iruが提供する他の製品との連携によって、サインイン時にリアルタイムでデバイスセキュリティポリシーを適用します。

    Compliance Automation

    SOC、ISOなどのセキュリティフレームワークに基づいて、監査を自動化する製品です。
    Iru AIという専門エージェントを活用した自動化が実現できる点も注目ポイントの一つです!

    Trust Center

    自社がどういうセキュリティ体制やコンプライアンス認定を受けているかや、重要なドキュメントを一元的に顧客やパートナー、監査人と共有することができる製品です。

    新しくなったIruはどんな企業向けの製品なのか?

    これまでの「Kandji」は、ユーザフレンドリーな使いやすさが特徴的な、Appleデバイスの管理とセキュリティに特化した製品でした。

    「Iru」になって、使いやすさはそのままに、WindowsやAndroidも含めたマルチOS対応を実現し、デバイス管理の領域だけでなくアイデンティティ管理や監査対応の領域へと踏み込んだ、統合型ITプラットフォームへと進化しようとしています。

    元々Apple製品に特化した製品だったので、社内のMac管理やセキュリティを簡単に効率的に行いたい……とお悩みのIT担当者にはもちろんおすすめですし、加えてWindowsとAndroidも管理できるようになったので、社内のデバイス管理を一手に引き受ける、「ひとり情シス」と呼ばれるような方にとっても嬉しい製品なのではないでしょうか。

    従業員の多くはMacを使っているけれど、一部はWindows PCも業務の都合で使っているような企業に向いている製品といえるでしょう。

    新しくなった「Iru」についてもっと知りたい・自社で導入を検討したい方は、ぜひ株式会社Tooにご相談ください!

    Iru 製品ページ|株式会社Too外部サイト

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    記事は2025年12月10日現在の内容です。

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