
商品パッケージは、ブランド価値の向上や企業の信頼に直結する重要な要素です。一方で、正確性や緻密さが求められる校正業務は担当者の負担が大きく、属人化や目視確認による表示ミスの見逃しリスクが課題となっています。
そんな校正業務をデジタル化するためのヒントを探す機会として、2025年7月30日(水)に、第4回商品パッケージ校正DXセミナー「成功企業に学ぶ!DXで実現する校正業務の負担軽減と品質向上」を開催しました。本セミナーでは、カルビー株式会社の森山正二郎様をお迎えし、カルビー様オリジナル校正システム「CAPS(Calbee Automatic Proofreading System)」による、パッケージ校正業務の革新事例をお話しいただきました。当日のお写真とともに、セミナーの内容をダイジェストでお届けします。
アジェンダ
- 第一部:株式会社Too 前澤良樹「デジタル校正取り組みのポイント」
- 第二部:カルビー株式会社 森山正二郎 様「パッケージ表示の校正作業工数削減の取り組み」
- 第三部:トークセッション、Q&A

デジタル校正取り組みのポイント
株式会社Too 前澤良樹

第一部は、Tooの前澤が登壇。長きにわたりデザイン業界のお客様や校正業務の効率化を支援してきたTooだからこそ知る、パッケージ校正をデジタル化していくうえで重要なポイントをお伝えしました。
前澤は、校正ミスを組織全体の課題として捉え、業務の仕組みを再設計することが重要であると語りました。
具体的には、
- 校正業務を整理する
- デジタルの特性を理解する
- パッケージ制作業務を可視化する
という3つの項目です。これらを一つずつクリアし、「人とデジタルのハイブリッド」での校正を実現させることが、校正ミスの軽減・校正時間の削減に繋がるとのこと。上記の3項目を進めていくには何をすべきなのか、具体的なチェックリストをもとに取り組みの方法を伝えました。
パッケージ表示の校正作業工数削減の取り組み
カルビー株式会社 森山正二郎 様

第二部は、オリジナル校正システム「CAPS」を立ち上げ、校正業務の効率化を実現されたカルビー株式会社の森山様にご登壇いただきました。
カルビー株式会社様は、校正業務の工数や精神的負担を軽減し、本来注力すべきクリエイティブな業務に十分な時間を確保することを目標に、校正システムを導入されました。Tooが提供するお客様独自の校正システムを構築するサービス「TooAI SUITE」を基盤に開発した「CAPS」の活用で、商品パッケージの校正業務の一部自動化を実現されました。本セミナーでは、カルビー様のチェックフローを例に、システム導入の検討段階から、校正業務をデジタルに落とし込むための準備・開発段階、そして開発されたシステムを本格運用し関係各所に定着させる段階に至るまでに森山様が取り組まれてきたことを、詳細にお話しいただきました。セミナーの中ではCAPSでチェックを終えたばかりの校正結果を実際にお見せいただく場面もありました。
校正業務のミス・工数削減を叶えるうえで重要なことは、下記の3点だという森山様。
- 大きな共通目標を掲げ、社内の関係者と合意形成をし、社外も含めて協力体制を築く。
- 万能なシステムは求めない代わりに、100%の正確さでチェックしたい領域を設定する。
- 標準化を進めることがリスク軽減と時間工数削減につながる。
CAPSを導入後、チェック人数の見直しなどもおこなった結果、パッケージ校正にかける時間は導入前と比較して、体感で30%ほど削減されたそうです。さらに、校正担当者の心理的負荷が軽減されたことも、とても大きな効果として実感していると話されました。

TooAI SUITE導入事例 カルビー株式会社様
商品パッケージの正解がある部分の表記チェックを100%任せられる校正システムとしてTooAI SUITEを採用
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トークセッション、Q&A

第三部は、森山様と、CAPSの構築に伴走してきたTooの古賀、前澤によるトークセッションがおこなわれました。
システム開発時に実際に直面した課題や難しさ、現在の運用に至るまでに精査したこと、2社間でどのようなコミュニケーションをとりながら開発したかなど、第2部よりさらに踏み込んだ内容を対談形式でお届けしました。
また、終盤にはQ&Aの時間が設けられ、参加者の皆様から、「デジタル機能に落とし込む校正の『正解』をどのようにして定めているのか」「CAPSのより具体的なチェック項目について教えて欲しい」などの質問が投げかけられました。

セミナー中は、参加者の皆様が熱心にメモをとりながら前のめりにセミナー内容を聞く様子が印象的でした。大きく頷く姿が見受けられ、会場が笑いに包まれる場面もありました。皆様がパッケージ校正業務に課題を持たれ、その解決の一手としてセミナーに大きな関心を寄せていただいていることがひしひしと伝わってきました。

セミナー終了後は懇親会を開催。「原稿を整えるためにはどうしたらいいか」「社内の業務標準化はどのように進めていくのか」など、校正業務に関するそれぞれのお悩みについて、参加された皆様がカルビー様やTooにご相談されたり、参加者同士で情報交換をされていました。業務効率化を目指す各社にとって、有意義な交流の場となっていました。
校正にかける工数とミスを削減し、パッケージのさらなる進化にチャレンジできる環境を
パッケージは企業にとって、「信頼」を構築し、ブランドの価値を伝えるとても大事な要素です。校正にかける時間やミスを削減し、本業に専念できる時間を創出することで、パッケージのさらなる価値向上にチャレンジすることができます。
今回、Tooでは20年にわたりお客様の校正業務のデジタル化を支援させていただいた経験と、デザインに携わるお客様との長年のお取引を通じて得たパッケージ制作業務に関する知見をもとに、パッケージ校正における「精度の向上」と「業務負担の軽減」を同時に実現するノウハウをお伝えしました。本セミナーの内容が、皆さまの日々の業務の効率化へのヒントとなり、本業に専念できる時間の創出につながりましたら幸いです。
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Tooでは、商品パッケージの校正業務に関するお困りごとや課題を気軽に相談できる個別オンライン相談会を開催中です。DXによる解決を目指す第一歩として、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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