【Mac授業活用事例】MacBook Airが広げる世界とのつながり。静岡サレジオ高校グローバルスタディーズクラスの挑戦

静岡サレジオ高校では、グローバルスタディーズクラスの学びを支えるツールとしてMacBook Airを導入しています。
目指しているのは、単にICTを活用する授業ではありません。生徒がテクノロジーを武器に世界とつながり、自ら課題を発見し、未来を切り開く力を育てることです。
今回、クラス設立の背景やMacBook Air導入の狙い、実際の授業での活用と生徒の変化について、吉川先生、神谷先生にお話しいただきました。
※本記事の内容は2026年7月のTeacher’s Summit2026のセッションにてお話しいただいた内容です。
目次
大学合格の先にある学びを目指して
静岡サレジオ高校は、小中高一貫で国際バカロレア(探究型・国際的な学びを重視する世界共通の教育プログラム)の認定を受けている学校です。吉川先生は、そこで世界史を担当し、研究部長・フロンティアコース長も務めています。
同校では、大学進学を一つの通過点と捉え、その先の社会で活躍するための力を育むことを重視しています。その考えのもと誕生したのが、日本の学習指導要領をカリキュラムのベースにしながら、英語・テクノロジー・国際的な視点を取り入れたグローバルスタディーズクラスです。
「大きな社会の変化によって、もはや大学合格はゴールではないというのは、かなり世の中で共通の見解になっているんじゃないかなと思います。」
吉川先生は、「英語を学ぶこと」自体を目的にはしていないと話します。
「英語をツールにしながら、テクノロジー、MacBookを使い、最終的には国際探究で世界と向き合っていくというのが一番大きなコンセプトになっています。」
そのため、学習環境の中心としてMacBook Airを採用しました。静岡県の学校では初となる導入であり、大きな挑戦でした。
「データサイエンスやAI、情報IIの授業を導入することを考える中で、それらの技術を使う環境、スキル育てる環境をいか作っていくのかというところにこだわりました。」
また、MacBook Airは、AIやデータサイエンスを学ぶためだけのデバイスではありません。海外との交流や探究活動、情報発信など、生徒が世界とつながるための基盤として活用されています。
世界とつながる探究活動を支えるMacBook Air
グローバルスタディーズクラスでは、オンライン英作文添削、海外学生との交流、プログラミング講座、キャリア教育など、多様な活動を展開しています。
また、インドネシアへの研修旅行では、現地の学校との交流やワークショップを行いながら、生徒自身が学びや気付きを記録し、整理・発信するツールとしてMacBook Airを活用します。
吉川先生は、生徒が世界との出会いを通して「感動」を得て、それを自分の学びとして体系化していくことを大切にしています。
「本当に必要なのか」という不安から始まった導入
実際に授業を担当する神谷先生は、導入前には迷いもあったと振り返ります。
「最初はやはり贅沢すぎるのではないかなという考えもありました。」
他のクラスでは以前からChromebookを活用しており、文書作成や検索など基本的な学習活動であれば十分ではないかという意見もありました。しかし、実際に両方のデバイスを使って授業を行う中で、違いを実感するようになったといいます。特に感じたというのは、授業を止めない安定性でした。
「小さなところのストレスが本当になくて、授業がスムーズに進むというのは非常にありがたいなと感じています。」
資料共有ではAirDropを活用することで、ファイルが開けないといったトラブルを減らすことができました。また、海外の学校と4時間Zoomを繋ぎっぱなしにするような授業でもバッテリーを気にせず利用できる点も大きなメリットでした。
生徒の意識を変えた「自分のMac」
神谷先生が特に印象に残っているのは、生徒たちのデバイスへの向き合い方の変化です。
Chromebookを使っているクラスでは持ち帰りが少なかったものの、グローバルスタディーズクラスでは多くの生徒がMacBook Airを家庭でも活用しています。
生徒からは、「本物のPCが手に入りました」という憧れが叶った喜びの声もあったと言います。神谷先生は、「やはりMacというものへの憧れを生徒が持っていることを感じる」と話します。デバイスへの愛着が、自主的な学習や挑戦につながっていることを実感しています。
AI時代の学びを支える性能と、これからの課題
情報の授業では、GitHubや生成AIを活用したウェブデザインの制作など、より高度な学習にも取り組んでいます。
「Chromebookを使用するクラスだと少しフリーズしてしまうことがあるんですが、Macを使っているグローバルスタディーズクラスは本当にそういうことはなく、スムーズに流れていきます。」
AI活用が進むこれからの教育では、デバイスの性能が学びの可能性を左右する場面も増えていきます。
一方で、導入後には新たな課題も見えてきました。生徒が「もっと挑戦したい」と思った時に、管理設定によって自由な活用が制限される場面もあります。
神谷先生は、「本当にいいものが手に入ると、生徒たちの学びたい気持ちがどんどん出てくる」と話し、「生徒の意欲が高まっている以上、制限をする、しないの議論ではなく、いかに使わせてあげられる環境を作るかが重要」であることを感じているといいます。
そして最後に、教育で大切なのはデバイスそのものではなく、授業デザインだと強調します。
「デバイスの機能制限の縛りよりも、いかに熱中できるような授業をつくるのかというのが一番大事になってくる。」
そして、「生徒たちと4ヶ月走ってきてみて、小さな手応えがたくさん出てきた。初めの一歩から完璧なものを求めず、不完全な一歩から事例を積み重ねていく姿勢が導入する上で大切」であるとまとめました。
MacBook Airの導入から約4か月。静岡サレジオ高校では、デバイスを活用することで、生徒の「やってみたい」という気持ちを広げる新しい学びが始まっています。
記事は2026年8月28日現在の内容です。
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