東京ゲームショウ 2025 出展レポート

東京ゲームショウ2025にTooが出展。「ゲーム開発現場に浸透してきた生成AI」をテーマにご提案

2025年9月25日(木)から28日(日)まで、幕張メッセにて東京ゲームショウ2025が開催され、Tooがビジネスデイの25日(木)と26日(金)の2日間に出展しました。会期中はたくさんの方にTooブースまで足を運んでいただきました。今回会場にお越しいただけなかった方のために、当日の出展内容を一部ご紹介します。

TGS2025 TGS2025

世界でも有数の規模を誇るゲームイベント「東京ゲームショウ」。ゲームメーカーやゲームに関連する情報を発信する企業、ゲーム人材を育成・輩出する教育機関など、世界中のさまざまな団体が出展し、会場を盛り上げます。今年のテーマは「遊びきれない、無限の遊び場」。昨年から展示エリアを拡大し、幕張メッセ11ホール全館を活用するなど、大きな盛り上がりを見せました。

Tooが出展した9ホールの様子
Tooが出展した9ホールの様子

4回目の出展となった今年のTooブースのテーマは「ゲーム開発現場に浸透してきた生成AI」。昨年「生成AIはゲーム開発に使えるか?」というテーマで出展してから1年、ゲーム開発に携わるお客様と対話する中で、生成AIが現場の業務に浸透してきていることを肌で感じています。そこで今回はゲーム開発のどの段階でどんなAI機能が活用できるのか、お客様の声をもとに具体的な活用例をご紹介しました。

Tooブース
Tooブース

■出展製品
「こんな素材を作りたい」をカタチにする。安全に商用利用できる生成AI「Adobe Firefly」

Adobe Firefly

Adobe Fireflyは、テキストを入力するだけで画像の生成やオブジェクトの追加・削除、テキストの変形などが可能な生成AIです。専門的なデザインスキルがなくてもイメージを作成できるため、企画やプランナーの方も検討用のビジュアルを作成できます。

また、Adobe Fireflyの学習リソースはアドビが所有権を持つ素材であるため、著作権や知的財産権を侵害するコンテンツが生成されないように設計されており、生成されたデータを安心して商用利用することが可能です。さらに一部のプランでは、アドビからIP補償を受けることができます。当日ご来場いただいた皆様からは、「他の画像生成ツールがコンテンツホルダーから訴訟を受けている中で、著作権リスクを回避できるAdobe Fireflyに注目が集まりそうだ」との声が聞かれ、法人プランであれば追加費用なく安全に生成AIを利用できる点に高い評価が集まりました。

Adobe Firefly

また、今回Tooブースではキャラクターの衣装展開を例に活用方法をご紹介しました。Adobe FireflyはAdobe Photoshopとシームレスに連動できます。既成のキャラクターデータをAdobe Photoshopで開き、着せ替えたい部分(例えばトップスやボトムス)ごとにレイヤーを分けてプロンプトを入力すると、複数の衣装パターンを生成してくれます。一からイメージを生成するのではなく既存リソースを活かして、短時間に大量の試作データを作成することが可能です。

Adobe Firefly
レイヤーごとにパターンが生成できます

その他にも、ゲーム内で需要の高い「剣を振る音」や「キャラクターの足音」などの効果音の生成デモも実施しました。「現実に存在しない音を作ることがある」「複数の素材を組み合わせて音を構築することが多い」といった制作現場の事情から、合成やミキシングに頼らずテキスト入力で音を生成できる点に多くの関心が集まりました。

firefly_main

生成AI搭載で、ゲーム開発チームの効率を最大化する「Miro」

Miro

Miroはアイデア創出から成果実現までのプロセスを加速することを目的としたイノベーションワークスペースです。無限のキャンバス上には、付箋・ペン・矢印などの豊富な描画ツールが用意され、画像やファイルも添付することができます。メンバーが同時に編集できるため、リアルタイムな意見交換も可能です。

また、Miroには任意のプロンプトテキストを入力することでさまざまなアクションを実行できる「Miro AI」が搭載されています。今回の展示では、Miro AIに搭載された多彩な機能を、企画からリリース、その後のアップデートまで、ゲーム開発における各段階でどのように活用できるかをリーフレットにまとめ、お客様の職種に合わせた製品デモを実施しました。

Miro Miro
リーフレットの内容をもとにご紹介、デモを実施している様子
リーフレットの内容をもとにご紹介、デモを実施している様子

例えば、企画段階では、プロンプトに沿った付箋やマインドマップの自動生成で、アイデアの展開やブレインストーミングをサポートします。また、開発段階では「〇〇ゲームのラフ案を作成してください」などとプロンプトを入力するとプロトタイプを生成してくれます。

Miro AIが生成したプロトタイプ

Miro AIが生成したプロトタイプ

Miro上でラフ案のプレビューも可能。遷移イメージまで容易に作成できます。

さらに、企画からリリースまでのタスク管理表やフローチャートも生成してくれるため、一連の流れや進行状況を一元的に把握することができます。

そのほか、ご来場いただいたお客様から好評だったのが「クラスター(自動分類)機能」です。これまでは、無数に出たアイデアや社内外から集めたアンケート結果を一つひとつ目視で確認・分類する必要があり、手間と時間がかかっていました。しかしMiro AIのクラスター機能を使うと、付箋に書き出した内容をAIが自動でグルーピングしてくれるため、傾向を一目で把握できます。膨大な情報を効率的に整理できるようになり、「企画のまとめや分析のスタートがぐっと早くなる」と多くの方から高評価が寄せられました。

セガ様のMiro導入事例 Miro製品ページ

製造業向け!製品の完成像をシミュレート
Unreal Engineソリューション

Unreal Engine Unreal Engine

若い方を中心に幅広く注目を集め、ゲーム開発に使われている技術が広く展示されている東京ゲームショウ。ゲームへの関心やゲーム開発手法を自社製品の開発に役立てられないか、と製造業の方々も多く来場されています。Tooブースでは、そんな製造業のお客様に向けた展示もご用意しました。

Unreal Engine(以下、UE)はゲーム開発のために作られたリアルタイム3Dエンジンですが、近年では製造業での活用も広がっています。編集結果が即座に反映されるため、レンダリングの待ち時間なく質感・光・色などを見ながら修正することができたり、既存のCADデータをUEに取り込んで試作前に完成イメージを高精度で確認できたり、プロモーション素材へと活用することができます。

Unreal Engine

そのほかにも、UEはVR/AR など各種デバイスと柔軟に連携し、試作品を作るコストや時間を削減するなど社内の合意形成や展示会でのアピールに役立ちます。本イベントではその出力先として、Sony空間再現ディスプレイ「SRD-ELF2」をご提案しました。27インチの大画面で裸眼のまま3Dモデルを立体的に確認できます。

当日ご紹介した方からは「モニターに映し出されるまでの遅延が少ない」「ゴーグルなしで立体感が確認できる」「画質がいい」などの声が寄せられ、「3Dプリンタで出力する前の確認として使用できそう」という具体的な活用をイメージされる参加者もみられました。

また、UEについては認知しているものの、どのように活用できるのか悩んでいる方に向けて、主にUE初心者の方を対象とした、Tooオリジナルのトレーニングコースをご紹介しました。製品製造の過程にUEを活用し、より効率的で効果的な成果を生み出すことをサポートします。

Unreal Engine基本トレーニング

高まる“色”への関心。EIZO ColorEdgeの存在感

近年、ゲーム開発現場ではモニター環境に関する課題が増えています。家庭用ゲーム機やPC、スマートフォンがHDRに対応したことをきっかけに、HDR対応モニターの需要が高まりました。また、「デュアルモニターで色味が異なる」「テレワーク中のチームメンバーと色が合っているか不安」といった“色の不一致”に関する相談も多く寄せられています。さらにゲーム開発だけでなく、フライヤーやグッズなどアナログコンテンツの制作も増えており、印刷物に適した色域を再現できるモニターへの関心も高まっています。

そこでTooブースでは、クリエイティブ分野で高いシェアと信頼を誇るEIZOのカラーマネジメントモニター「ColorEdge」シリーズをご紹介しました。ColorEdgeシリーズは、ゲーム業界で標準的に採用される色域をカバーし、HDR表示に対応するモデルも揃っています。経年劣化による色や輝度の変化を補正するハードウェアキャリブレーション機能を搭載し、自動キャリブレーションが可能なモデルもあります。また、ネットワーク上でモニターを一括管理できる専用ツールにも対応しています。キャリブレーションやカラープロファイルの設定を一斉に適用することで、複数人・複数拠点間でも「全員が同じ色を見る環境」を構築することが可能です。拠点や働く環境が異なるチームでも、同じ色基準で制作を進めることができます。

ゲーム開発を支えるさまざまなソリューションをご提案

その他にも、大容量のデータのバックアップや大人数での開発となる作業に必須となる完全定額制クラウドスレージ「Wasabi」や、品質と効率アップする最新のCGソフト・プラグインツールをご紹介。さらに、日本語のみならずEFIGS,アジア圏の言語を含めた多言語の需要が高まっているフォントソリューションについて、業界に精通したTooが、タイトルのリリースエリア、海外独自の仕様などをお客様から直接ヒアリングし、コスト面も考慮した最適なパッケージをご提案するサービスについてもご紹介しました。

Tooブース

いかがでしたでしょうか?東京ゲームショウ2025でのTooブースの様子をご紹介しました。日頃からゲーム開発に携わる皆様の声に耳を傾け、長年培ってきたノウハウをもとに「開発現場に浸透してきた生成AI」の活用をご提案しました。今後もクリエイターの皆様の創作活動を支えるソリューションをお届けしてまいります。ご興味をお持ちの方は、ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。

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