3ds Max 2026.1がリリースされました。
このリリースでは、モディファイヤの追加や機能改善、USD for 3ds MaxやArnoldの更新が含まれます。
アトリビュート転送モディファイヤの導入
新たに追加された「アトリビュート転送」モディファイヤにより、オブジェクト間で以下の属性を非破壊的に転送できます:
- 位置:参照オブジェクトの形状に合わせて頂点位置を調整。
- 法線:自己または参照オブジェクトに基づいて法線を転送。
- UV(UVW 1):異なるトポロジー間でもUVデータを転送。
- 追加チャネル:マップチャネル2以降のデータも転送可能。
- 頂点カラー:カラー情報の一貫性を保つための転送。
この機能は、リトポロジー、ブレンドシェイプ、プロキシ作成などのワークフローを効率化します。
プッシュモディファイヤの強化
「プッシュ」モディファイヤに以下の機能が追加され、より精密な制御が可能になりました:
- リラックス反復:メッシュの滑らかさを向上させ、自己交差を防止。
- 衝突オブジェクト:他のオブジェクトとの干渉をリアルタイムで制御。
- 軸の乗数:特定の軸方向への変形を制限。
これにより、複雑な形状の作成や調整が容易になります。
Xフォームモディファイヤの更新
「Xフォーム」モディファイヤが強化され、以下の機能が追加されました:
- 法線の保持:変形中も頂点法線を維持。
- 座標系の選択:ギズモ、ローカル、ワールド、参照オブジェクトの4モードをサポート。
これにより、非破壊的な変形操作がより柔軟に行えます。
USD for 3ds Max 0.11 の改善
USD(Universal Scene Description)関連の機能が強化されました:
- 3ds Maxオブジェクトへのプロモート:USDジオメトリをネイティブオブジェクトとして編集可能。
- OpenPBRマテリアルのサポート:マテリアルの互換性向上。
- ワールド空間での上位階層オブジェクトのエクスポート:エクスポートオプションの拡充。
- USDレイヤエディタのPython関数追加:スクリプトによる操作性向上。
- インターフェースの改善:操作性の向上。
これらの改善により、USDワークフローがより効率的になります。
Arnold for 3ds Max 5.8.2.0 のアップデート
レンダラー「Arnold」が以下の点で強化されました:
- マテリアルの改善:AOVロールアウトにカラー見本を追加。
- ポリメッシュノードの初期化高速化:大規模シーンの読み込み時間を短縮。
- 並列インスタンスの初期化:複数インスタンスの同時初期化が可能に。
- イメージャのパフォーマンス向上:メモリ操作の高速化。
- USDの最適化:非表示プリミティブの変換省略などでメモリ使用量を削減。
これにより、レンダリングの効率と品質が向上します。
その他の改善点
- 頂点連結モディファイヤの既定値の更新:デフォルト値が0.001に変更。
- スプラインの最適化と平均化の更新:新しい削減方法とアニメーションパラメータのサポート。
- スキンモディファイヤのパフォーマンス向上:FBXスキンデータの読み込み時間短縮やクラッシュ問題の修正。
- OpenPBRビューポートのパフォーマンス改善:特定のマテリアル使用時の表示速度向上。
これらの改善により、全体的な作業効率と安定性が向上しています。
詳細な情報やリリースノートについては、以下の公式ページをご参照ください: